開催日:令和 6年 6月17日
会議名:令和 6年第2回定例会(第1日 6月17日)
○21番(はまよう子議員) 私、はまよう子は公明党目黒区議団の一員として、誰一人取り残されない目黒を目指して、大きく2点、4項目について質問をさせていただきます。
大きな1点目は、区における特別支援教育の推進についてです。
2022年6月22日、こども基本法が国会で成立しました。また、2022年9月9日、国連の障害者権利委員会は日本政府に対し、障害児を分離する特別支援教育の中止などを勧告しています。2006年、国連で採択された障害者権利条約は、締約国に対し、障害者に健常者と同等の権利を保障し、社会参加の促進に必要な措置を講じることを求めています。
その中にあって、インクルーシブ教育の推進は、多様性を認め合い、差別のない共生社会を実現していく上で欠かせない取組の一つであります。公明党は、障害者権利条約の批准をはじめ、障害者基本法など国内法の整備を一貫して推進してきました。インクルーシブ教育の必要性も強く訴えています。
本区でも、めぐろ学校教育プランの中で、「共生社会の実現に向けて全ての子どもが可能な限り共に学び、自立と社会参加に向けて一人ひとりの教育的ニーズに応じた多様な学びの場を充実していくインクルーシブ教育システムの構築を基本的な考え方として、特別支援教育を推進します。」とありますが、実際の教育現場では、特別支援教育支援員の適切な配置等の制度を教師が十分理解しておらず、新年度開始から2か月が過ぎても支援員が配置されていないなどの現状がありました。
実際に、支援員配置が遅くなることでクラスに混乱が生じ、担任教師に過度な負担がかかりさらなる混乱が生じていると、状況を心配した保護者から相談を受けたこともあります。また、経験の浅い教師が安心して相談できる体制、クラスに混乱が生じた際に学校全体でサポートしていくという体制が学校によっては整っていないようにも見受けられます。
ついては、以下、区の見解を伺います。
1、特別支援教育を受ける本人や保護者が通常の学級を希望し、現在通常の学級で学んでいる児童・生徒に対する支援員の対応内容や時間数、支援員をつけるまでのスケジュール等の制度及び取組について、具体的に伺います。
2、インクルーシブ教育を進めていくためには、学校長をはじめとする教職員の現場の理解が不可欠です。そのためにもインクルーシブ教育の在り方や本区における具体的な制度について共通認識を持ち、情報共有することが大切ですが、学校長会や副校長会等で共有された好事例等の取組について、学校に戻りその内容がきちんと情報共有できているという認識はあるでしょうか。また、好事例等の情報共有をした後、それがどう生かされ、改善したのかという検証は行っているのでしょうか。
区の教職員等へのインクルーシブ教育理解のための教育・研修等の対応について伺います。
3、学校で問題が起こった際、学校全体で、そのクラスや担任教師をサポートしていくことが非常に重要であると思いますが、具体的にどのようにサポートしているのか伺います。また、教育委員会として学校をどのようにサポートしているのか伺います。
大きな2点目は、学校施設建て替えについてです。
本区では、施設の老朽化や保有に要する経費の負担面等、様々な観点から区有施設の見直しを検討しています。その中にあって、学校については今後、順次建て替えを予定しています。学校施設建て替えに当たっては、通学する子どもたちへの影響、地域住民の理解、施設の機能強化、建設費用等課題も多いところですが、何よりも大切なことは第一義に子どもたちの安全・安心な教育環境を守ることです。
近年、地球温暖化の影響により、熱中症警戒アラートが度々発表されるなど、命に関わる危険な暑さへの対応が必要不可欠になっています。日本の学校は校庭が広く、その場で運動ができることが魅力であると同時に、夏場の熱中症対策については有効的な対策が少なく子どもたちの命が危険にさらされていると言っても過言ではないと言えます。
日本の学校の多くで使用している人工芝は、化石石油燃料系で作られ、染色用の塗料に鉛が含まれるなど、有害物質が多く含まれていることも多いのが実情です。さらに、一般的な人工芝は夏場、70度近くまで表面温度が上昇し、とても使用することはできません。実際、5月25日に行われた五本木小学校での運動会では、5、6年生の組体操の最中に太陽が校庭を照らし始めると、暑さのために多くの児童が足をばたつかせている様子を目にしました。
欧米では、日本のようにプラスチック素材の人工芝は使用せず、トウモロコシ、大豆、サトウキビ等の100%リサイクル可能な環境に配慮した人工芝を導入しています。リサイクル100%可能な人工芝と充填剤は、マイクロプラスチックの環境汚染を減少させ、二酸化炭素の排出を削減し、環境保護の一翼を担います。また、福岡大学では、校庭に完全自然由来の温度抑制人工芝を使用した雨水貯水システム設置の実証実験で、人工芝の表面温度が35度程度に抑制され、雨水流出抑制及び費用対効果にも寄与していることを発表しています。
東京都も、6月1日発行の広報東京都において、気候変動により気温が上昇し、大雨が増加していることなどから、家庭で取り組める豪雨対策について特集を組んでいました。頻発する豪雨による都市型水害、いわゆる内水氾濫の対策として、本区においても学校施設建て替えのタイミングで、100%再生可能な温度抑制人工芝を活用した雨水貯水システム等を設置することで、子どもたちを熱中症の危険から守ることはもちろん、防災・減災対策、脱炭素、水リスクといった地域課題の解決の一助にも貢献できると思いますが、区の見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔関根義孝教育長登壇〕
○関根義孝教育長 はま議員の2点にわたる御質問につきましては、教育委員会所管事項でございますので、私から順次お答え申し上げます。
まず、第1点目、区における特別支援教育の推進についての第1問、現在、通常の学級で学んでいる児童・生徒に対する支援員の対応内容や時間数、支援員をつけるまでのスケジュール等の制度及び取組についてでございますが、本区では共生社会の実現に向けて全ての子どもが可能な限り共に学び、自立と社会参加に向けて一人一人の教育的ニーズに応じた多様な学びの場を充実していくインクルーシブ教育システムの構築を基本的な考え方として、令和2年3月に目黒区特別支援教育推進計画(第四次)を策定し、特別支援教育のさらなる充実に取り組んでいるところでございます。
教育委員会では、本計画に基づき、区立小・中学校の通常の学級に在籍している特別な支援を要する児童・生徒に対し、教育的ニーズに応じた支援を行うため、特別支援教育支援員を配置しており、個別指導計画に基づく学級担任の指示の下で対象となる児童・生徒の安全確保、身辺自立支援、コミュニケーション支援、授業参加支援を4つの柱として、学習面及び生活面の支援を行っているところでございます。あわせて、他の児童・生徒との関係などにより、学級全体への支援の必要性が認められる場合にも、支援員を配置しております。
特別支援教育支援員の小・中学校への配置に当たっては、各校からの派遣要請を受けた後、教育委員会の特別支援教育主任専門員及び心理士が速やかに学校を訪問し、児童・生徒の行動観察を行うとともに、校長等から学級運営の状況等について聞き取った内容に応じて専門的な観点から必要な配置時間数を決定しております。校長は、決定された配置時間数内で特別支援教育支援員の登録者の中から支援員を配置いたします。
この3年間の小・中学校の通常の学級に在籍している特別な支援を要する児童・生徒数と、特別支援教育支援員の配置時間数の推移を見てみますと、令和3年度は対象児童・生徒817人に対し7万5,000時間余、令和4年度は831人に対し8万4,000時間余、令和5年度は970人に対し9万8,000時間余となり、対象児童・生徒数の約18%増に対し、支援員の配置時間数は約30%増という状況になっております。
教育委員会といたしましては、今後とも小・中学校の通常の学級に在籍し特別な支援を要する児童・生徒一人一人の教育的ニーズを把握するとともに、校長や保護者の御意見も伺いながら特別支援教育支援員を適切に配置してまいります。
次に、第2問、区の教職員等へのインクルーシブ教育理解のための教育・研修等の対応についてでございますが、令和3年1月の中央教育審議会答申「令和の日本型学校教育の構築を目指して」において、全ての教師には、障害の特性等に関する理解と指導方法を工夫できる力や、個別の教育支援計画・個別の指導計画などの特別支援教育に関する基礎的な知識、合理的配慮に対する理解等が必要である旨が示されました。
本区では、従前から個別の特別支援教育を受ける児童・生徒のみならず、通常の学級に在籍している特別な支援を要する児童・生徒数の増加を踏まえ、子どもたちの多様な教育的ニーズに応えていくため、全ての教職員が特別支援教育に関する理解を深め、専門性を向上させることが重要であると認識しており、目黒区特別支援教育推進計画(第四次)に掲げるインクルーシブ教育システムの構築に向けた主な取組といたしましては、次の3点を柱としております。
1点目は、全教職員に対する合理的配慮に対する継続的な理解啓発でございます。
全校・園での合理的配慮についての理解啓発及び具体的な取組の推進を目指し、平成30年度に作成した目黒区立学校・園の教員向け合理的配慮の提供事例集を隔年で改訂し、教職員間の共通認識の徹底を図っております。
2点目は、教員の指導力向上の取組でございます。
通常の学級を担当する教員が、特別な支援を要する児童・生徒一人一人に応じた指導法を身につけることを目的とし、採用1年目の教員に知的障害特別支援学級において実際に指導、支援する悉皆研修を行っております。また、特別支援教室、特別支援学級を担当する教員については、専門性を一層向上させるため、障害種別に応じた研修を実施しております。このほか、各校・園の主任、主幹教諭を対象とした研修では、受講した教員が所属校・園の全教員に対して伝達研修を行うことで、特別支援教育の視点を持つ教員の育成につなげております。
こうした一連の取組を通じて、教員が特別支援教育に関する理解を深めるとともに、障害の特性に応じて適切な指導、支援を行うことができるよう、努めているところでございます。
3点目は、各校・園における校内支援体制の充実でございます。
各校・園では、特別支援教育の推進リーダーを務める教員を特別支援教育コーディネーターとして置いており、その資質能力向上に向け、連絡会を開催するとともに、校内支援体制に係る情報交換の場を設定することで、各校・園における校内支援体制の充実を図っております。
教育委員会といたしましては、インクルーシブ教育システムの理念を実現し、障害のある児童・生徒の自立と社会参加を見据え、一人一人の教育的ニーズに的確に応える指導、支援がなされるよう、本年度中に策定する目黒区特別支援教育推進計画(第五次)においても必要な事業を明示し、引き続き教職員の理解の促進に取り組んでまいります。
次に、第3問、学校で問題が起こった際、学校としてそのクラスや担任を具体的にどのようにサポートしているのか。また、教育委員会として学校をどのようにサポートしているのかについてでございますが、各校におけるクラスや担任へのサポートといたしましては、児童・生徒が学校生活を送る中で、学習面や生活面に係る困難な状況が生じたとき、学級担任等がこれに気づいた時点で、管理職や学年主任、生活指導主任に速やかに報告することで、以後の対応と支援策についての検討や情報共有などが組織的、体系的に行われております。
具体的には、児童・生徒の生活指導に係る会議において、養護教諭、特別支援教育コーディネーター、教育相談担当教員を含めた校内の支援体制を整え、また必要に応じてスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等とも連携し、校長のリーダーシップの下、学級担任等が問題事象を一人で抱え込むことのないよう、学校全体で問題解決を図っております。
これらの一般的な対応に加えて、当該の児童・生徒が特別な支援や配慮を要する場合には、特別支援教育コーディネーターが中心となって、校内委員会等の情報共有の場で具体的な支援策を検討し、個別の支援に当たっては児童・生徒が置かれた状況を踏まえ、段階的に対応することとしております。
まず、学級担任は当該児童・生徒の学習面、生活面での不安に寄り添った指導を行うとともに、当該児童・生徒が落ち着いて学ぶことができるよう教室内の環境を整え、次に当該児童・生徒とその周囲の児童・生徒との関わり方の変化を把握して、全教職員と情報共有を図り、さらに必要な範囲で巡回相談心理士等の外部専門家による行動観察に基づいた助言を受け、より適切な指導、支援につなげているところでございます。
教育委員会といたしましては、全ての子どもたちがそれぞれの学校において学習面、生活面の両面で落ち着きのある充実した時間を過ごすことができるよう、引き続きユニバーサルデザインの視点を取り入れた指導や学習環境の整備を推進してまいります。
そして、何よりも教員と児童・生徒との信頼関係及び児童・生徒相互のよりよい人間関係を育むことが大切であると考えており、そのために必要な学校への指導、助言に一層注力してまいりたいと存じます。
次に、第2点目、校庭の熱中症対策と環境改善についてでございますが、教育委員会では、学校・園の管理下において熱中症事故の発生を未然に防止し、幼児・児童・生徒の健康を守るための指針として、令和4年6月に目黒区立学校・園熱中症対策ガイドラインを策定いたしました。
各学校・園においては、本ガイドラインに沿って独自のルールも定め、熱中症対策に取り組んでいるところでございます。具体的には、熱中症が懸念される時期において、校庭、園庭等で活動する際には、気温だけでなく湿度や日射、輻射の影響を取り入れた指標である暑さ指数を測定し、熱中症リスクを把握するとともに、幼児・児童・生徒に対して適度な休憩や水分補給を促すことを基本に熱中症予防に努めているところでございます。また、設備面では屋外の水道設備や散水装置、ミストシャワー等を整備し、状況に応じて適切に使用することで子どもたちの安全確保につなげております。
現在、目黒区では校庭が人工芝の学校は、小学校が8校、中学校が1校ありますが、人工芝の校庭は土の校庭と比較して表面温度が上昇しやすい特性を有しております。そのため、日差しが強い日には暑さ指数だけでなく人工芝の表面温度にも注意を払いながら活動を行っているところでございます。
人工芝の暑さ対策といたしましては、散水が有効であり、これによる気化熱や保水作用により表面温度の上昇を抑制することが可能です。また、近年では人工芝の材料も改良が進み、表面温度が上がりにくい製品も開発されていることから、人工芝を導入する場合の選択肢も広がっております。
御指摘をいただいた小学校においても、令和2年度の改修工事の際には以前よりも品質が向上した製品を使用しており、また日常的にも校庭の表面温度に注意を払いながら適宜散水を行うなど、暑さ対策に努めております。あわせて、人工芝上での活動内容についても、子どもたちに過度な負担がかからぬよう十分に配慮しておりますが、授業や行事における子どもたちの状況については適切に把握し、以降の活動内容の改善につなげるべく取り組んでいるところでございます。
今後、学校施設更新を進めていく上で、校庭の仕様を定めるに当たっては、校庭の暑さ対策のほかにも雨水貯留や災害時の生活用水確保など、複合的な要素を組み合わせた検討が必要であると考えております。
教育委員会といたしましては、引き続き学校の種々の改修工事におきましては、その時々の技術的な知見や費用対効果を踏まえ、多角的な視点から幼児・児童・生徒及び地域にとって安全・安心な環境整備を、鋭意進めてまいります。
以上、お答えとさせていただきます。
○21番(はまよう子議員) 御答弁ありがとうございました。
再質問を3点させていただきたいと思います。
まず、1点目は早期にクラスに支援員を配置することは、子どもの学びの充実が図られるとともに、担任教師の負担の軽減にもつながると思います。支援員の配置に当たっては、保護者をはじめ教職員、関係機関と信頼関係を結びながらスピード感を持って取り組むことが重要であると考えますが、区の見解を伺います。
2点目、特別支援教育推進のために、教育委員会として様々取り組まれているということは理解いたしました。また、このたび一般質問するに当たり、都や国の特別支援教育、インクルーシブ教育に関する資料を様々読み、それに対して本区がどのように対応しているのかも確認しましたが、打ち出された内容についてはきっちりと取り組んでいらっしゃるというのが感想です。すばらしいことだと思います。
しかしながら、こうしたことを実施しています、このように取り組んでいますと教育委員会が示してくださる内容が機能している学校もあれば、学校に相談してもなかなか理解していただけず、議員のところまで相談にいらっしゃるという現状がございます。まだ相談してくれればいいですが、誰にも相談できず悩んでいらっしゃる方もいるかもしれません。
本当に、目黒区における特別支援教育の取組について、教職員は十分理解しているのでしょうか。学校長が替わった際に、十分な引継ぎがされておらず、本来受けられる支援を受けられない方がいらっしゃるのではないでしょうか。担任教師の苦しみをちゃんと聞いてくれる、寄り添って共に課題解決に向け、取り組んでいるのでしょうか。
やっている、実施しているの先の、さらにその取組がちゃんと機能しているのか、効果が出ているのか、本当にお困りの方はいないのか、そういった実態を知り、検証を重ね、改善をしていかなければならないのではないでしょうか。
通常の学級に通っている保護者の皆様のお声、学校現場の声を吸い上げながら、もっと積極的に教育委員会として現場のことを、実情を知っていただきたいと思います。
その中で、例えば学校から支援員配置の依頼があった場合に、職員を派遣して支援員配置を決めていくということについても、学校の対応の早さによってその時期が異なることがないよう、流れだけを伝えるのではなく、ある程度のスケジュールの目安も示し、学校長が替わられた場合でも対応が滞ることがないようにするなどの具体的な対応も必要なのではないでしょうか。
また、経験の浅い教師が相談することはとても勇気が要ることです。実際に教師をされている方から、今の学校の中に相談できる場所はない。私たちは、ただ親身に話を聞いてくれるだけで救われる。そういった切実な声もお聞きしております。
実態把握をするとともに、当事者の皆さんと一緒に改善策を模索する。その改善策がちゃんと効果を上げているのか等の検証をしていく。そうした一連のことを、教育委員会としてもっと積極的に行うべきと考えますが、見解を伺います。
3点目、学校の建て替えについてです。
熱中症対策については、現在も様々対応してくださっているということで理解いたしました。ありがとうございます。
先日行われました鷹番小学校建て替え第1回説明会では、児童の熱中症を心配するお声が上がっていました。今後、順次学校建て替えをするに当たっては、地域の皆様のお声も聞きながら、区として新たな熱中症対策、ヒートアイランド等の環境負荷の低減に貢献する対策について、例えば校庭に日陰をつくり、室内に直射日光が入らないようなひさしを設けた校舎造り、建物緑化や屋外緑化等の具体的な提案を持って、地域の皆様にお示しするのがよいと思いますが、見解を伺います。
以上、3点、よろしくお願いいたします。
○関根義孝教育長 それでは、3点いただきました。
1点目の特別支援教育支援員の配置、もっとスピード感を持ってという御指摘です。
このことについては、これは特定の学校において手順が悪いとかスピードを軽視しているということではないのかなと思っています。そうと申し上げるのも、やはり児童・生徒一人一人の置かれている状況というのは、それぞれ大分状況が異なります。あと、保護者の方々の要望も様々でしょうから、そこで学校間に差異が生じることは当然にあり得ることかと思っています。
そして、何よりも支援員を円滑に子どもたちのためにも、そして学級運営をスムーズに進めていくためにも、一刻も早く配置したいという思いは、学校側も保護者と同様の思いであると、そのように捉えているところです。
それでも、学校側の対応に疑問が生じるとそういうようなことがありましたら、そのときは教育委員会に御相談をいただければ、現に相談をお受けしておりますし、これからも受けていきますので、そのようなお願いをしたいと思います。
それから、特別支援教育支援員を配置して、あと実態としてどうなのかと、実態把握をどうしてるのかというお話もございました。
教育委員会では、特別支援教育支援員を配置した後も、教育委員会の特別支援教育主任専門員と心理職が定期巡回をして、現場を見て実態把握というものをしております。また、支援員さんの側でも児童・生徒一人一人について、学校が作成いたしました個別指導計画に基づいて学級担任、教科担任等の指示によって必要な支援を行って、その都度、その都度、目標の達成度ですとか、指導、支援の有効性等を確認しながら、定期的な見直しを行っております。
あと、あわせて保護者の方々には学級担任との面談の機会を通じて、本人や保護者の希望をお寄せいただいて、児童・生徒の学習面、生活面での情報を共有していい体制をつくり上げていこうということで、合意形成を図り続けているところでございます。
あと、スケジュール感ですか、それを明示してはというお話もあったかと思います。
これについては、最初の1つ目のお尋ねで申し上げましたとおり、手順についてはしっかりと伝えているところですけれども、毎年度末、あと年度当初に全教員に伝えているところです。ただ、そのタイムスケジュールがどのくらい時間がかかるのかということにつきましては、1回目の御答弁で申し上げましたとおり、そのケースケースで大分変ってまいりますので、このぐらいの時間ですよという目安を示すことはかえって混乱を招くおそれもあると思いますので、その点については御理解をいただきたいと思います。
あと、3点目の今後の学校施設更新等に当たって地域に具体的な説明をというようなお話でございましたけれども、このことについては、はま議員のおっしゃるとおりでございまして、教育委員会でも具体的な取組、これまでも数多く検討し、実施してきておりますので、こういった実際に行った区の取組をできるだけ具体的に紹介しながら、保護者や地域の方々とイメージを共有して信頼関係を築きながら、学校施設更新を進めていきたいと考えております。
以上です。
○21番(はまよう子議員) 最後、再々質問を1点お願いいたします。
教育委員会として、様々取り組まれてきたということは分かりました。ありがとうございます。
しかしながら、その制度や仕組みが充実しているにもかかわらず、現実にはお困りの保護者の皆さんや先生方がいらっしゃるということがあります。校長先生の御意見を伺うということで御答弁にありましたけれども、現場のことを一番知っているのは担任の先生です。校長先生だけではなく、教育委員会として担任の先生の話をじっくり聞いていく、耳を傾けていく、一人一人の先生に寄り添っていく。また教育委員会から率先して保護者の意見を伺う場を設けるなど、こちら側から積極的に関わる姿勢や新しい形の教育委員会があってもよいと思いますが、いかがでしょうか。最後にお伺いいたします。
○関根義孝教育長 はま議員の教育委員会に対する思いは受け止めましたが、今、現場のことを一番知っているのは担当の先生ですというお話がありましたけれども、確かにそのとおりで、私どもも一人一人の教員に寄り添う信条というものは持ち合せてるつもりです。
ただ、実務的なことを申し上げますと、ちょっと冷たく聞こえるかもしれませんけれども、現場の教員の声をまず受け止めるのは学校にいる、しかるべきポジションにいる人間だと思います。それを校長が取りまとめて、学校としてオーソライズした意見として、必要があれば教育委員会に伝える、これが正しい情報のルートかと思いますので、そのことだけはお伝えしておこうと思います。
あと、保護者の皆さんの声を聞くということですけれども、今の大きな団体であっても、小さなグループであっても、お申出があれば私自身、いとうことなくお会いして、こちら側も忌憚のない意見をお伝えさせてもらったりしているところです。このことについては、今後も誠意を持って耳を傾けてまいるという姿勢については全くぶれるところはありませんので、今後もよろしくお願いしたいということです。
以上でございます。