開催日:令和 5年 6月20日
会議名:令和 5年第2回定例会(第2日 6月20日)

○29番(佐藤ゆたか議員)  私は、公明党目黒区議団の一員として、質問通告に基づき、順次質問いたしますので、御答弁をよろしくお願い申し上げます。
第1点目、新たな区民センターについて。長年目黒にお住まいの御年配の方や20代から30代の青年の方たちとお会いしたときに、区民センターが建て替えになると聞いたが、公園が縮小されるのか、テニスコートが減ってしまうのか、自分たちの意見はどのように聞いてもらうことができるのか、どこに話したらいいのか、と懇談会の際、話がありました。
目黒区では、平成30年度から、目黒区民センターの見直し検討に取り組み、課題整理や検討素材、新たな区民センターの基本構想策定に向けた基本的な考え方など、令和3年10月には、新たな目黒区民センターの基本構想を策定しました。
新たな目黒区民センターの基本計画(素案の案)を作成してきましたが、区民にはしっかりと伝わっていなかったと考えます。
令和5年6月に、新たな区民センター基本計画(素案)が作成され、6月9日の特別委員会で報告されました。パブリックコメントも6月15日から始まり、このパブリックコメント期間中に、区長は有識者を交えたシンポジウムを開き、区民への説明会を2回行うことになっております。9月には、いよいよ新たな区民センター基本計画が策定され、事業者への募集要項など作成に進むことから、区民意見を募ることが最後の機会となるため、以下質問いたします。
(1)目黒区では、今まで小・中学生のアイデア募集や、大学生・区民のワークショップ、利用者アンケートやパブリックコメントでの意見募集、街づくり準備会などを開催してきておりますが、参加できる方は限られており、参加した個人や団体など、一部の意見しか届いていないのではないかと思います。多くの区民は、パブリックコメントなどに参加するには敷居が高く、意見を伝えることができないでおります。
新たな区民センターは、区のリーディングプロジェクトとして、シンボル的な施設になることから、もっと多くの区民の意見や声が気軽に提案できるよう工夫する必要があると考えますが、所見を伺います。
(2)新たな区民センターで、目黒川沿いの桜や公園の緑、自然を感じながら、本を読むことができ、コーヒーなどを飲め、くつろげるような図書館の配置など考えられないか、伺います。
(3)今年3月に20代から30代の青年の方と懇談した折に、テニスコートを利用したくても、予約が取れなくて困っていると相談を受けました。また、新しい区民センターでは、テニスコートが減らされると聞いているが、本当か。テニスコートが減ると、今まで以上に利用できなくなる。新たな区民センター基本計画(素案の案)には、建物屋上での設置を可とし、1面以上整備すると記載されておりますが、この素案の案の記載をどのように理解すればよいのでしょうか。利用者の不安を取り除く必要があると考えますが、所見を伺います。
(4)新たな区民センターの空間利用について。
ア、素案の案には、新たな活動を楽しめる空間の設置など、新たな区民センターの魅力向上に資する空間整備の提案も可とあります。多くの世代が集い、訪れ、魅力ある施設を考えていくならば、多種多様なスポーツ、例えば、新しいスポーツのボルダリング、スケートボード、フットサルなどができる施設を事業者に提案していくべきと考えます。これから計画される施設の屋上や空間、施設の形状を最大限利用すべきと考えますが、所見を伺います。
イ、北側敷地に民間施設を70年程度の一般定期借地権で設定とありますが、民間施設専用の屋上ではなく、民間施設屋上の一部を区民が利用できるよう、公共の開放空間と考えられないか、伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔青木英二区長登壇〕

○青木英二区長  佐藤議員の新たな区民センターについての御質問に順次お答えを申し上げます。
まず、第1問、区民の意見や声が気軽に提案できる工夫についてでございますが、新たな区民センターの取組では、平成30年度の課題整理をはじめに、検討素材、基本的な考え方、基本構想、そして、このたびお示しをした基本計画(素案)までの各段階において、区民から意見を伺うなどしながら進めております。
これまでの区民参加の状況を申し上げると、区民意見やパブリックコメント、説明会はもとより、利用者アンケート、小中高生のアイデア募集、区民と大学生のワークショップといったように、幅広い世代に興味を持っていただき、できる限り多くの区民に、この取組に参加していただけるよう努めてまいりました。
これらの周知方法といたしましては、区報での特集、ホームページ、関連する施設での閲覧を基本として、ツイッター、LINEでの周知、ユーチューブでの動画配信と、区の持つ広報媒体を活用しているところでございます。
これまでの意見ですが、新たな区民センターの取組が段階を経るごとに計画の内容が具体化していることもあり、意見数は進捗に合わせて増えている状況です。
昨年12月に公表した素案の案の内容には、内容に偏りがあるものの292名と多くの区民から意見をいただきました。この6月9日に特別委員会で御報告した基本計画(素案)につきましても、現在パブリックコメントを始めたところでございます。
通常の説明会に加えて、都市計画、建築、芸術文化、学校、公園などの専門分野の有識者を交えたシンポジウムを企画しております。このシンポジウムに私も登壇をし、意見交換を行うなど、区民の皆さんの関心を高めてまいります。
有識者の様々な専門的な視点からの意見や、区の考え方をお聞きいただき、新たな区民センターの理解をより深めていただくことで、御意見も出しやすくなると考えております。
今後とも、様々な意見を踏まえながら、地域のシンボルとなる施設整備につなげてまいりたいと考えております。
次に、第2問、目黒川沿いにあることから自然を感じ、ゆったりと読書ができ、コーヒーなどを飲めるような図書館の配置が考えられないかについてでございますが、新たな区民センターの基本計画(素案)では、基本理念の中で、目黒川や公園にも隣接している恵まれた環境を最大限生かし、将来にわたり区民が求める活動を行うことができ、機能間で相乗効果が生まれる空間を目指すこととしております。
また、図書館機能の基本的な考え方では、新たな区民センター全体を読書活動の場として位置づけ、図書館の本や資料を図書館スペースに限らず、建物内のどこでも閲覧可能とし、本と人のつながりが創出される環境を整備することとしております。
あわせて、複合施設内でのカフェの設置や、ミュージアムグッズ等の物販など、新たな区民センターの魅力向上に資する空間整備の提案も可とする旨を記載しております。
新たな区民センターを構成する施設には、図書館のほか、地域コミュニティ形成や、美術館、体育館など、多様な機能が入る予定になっております。これらは今後の事業者募集において、施設空間の配置や、しつらえ、機能間の連携など、区の求める様々な条件設定を踏まえた上で、できるだけ自由に提案できる余白を設けながら、民間事業者のアイデアとノウハウを持って、形にして提案していただくこととしております。
このように、区といたしましても、施設全体として目黒川の自然を感じ、区民が思い思いの場所で、自分の時間をゆったりと過ごせるような提案を求めることとしていますので、施設が完成した折に、それぞれが居心地のいい場所を見つけ、読書を楽しんでいただきたいと考えております。
次に、第3問、新たな区民センター基本計画(素案の案)におけるテニスコートに関する記載をどのように理解すればよいかについてでございますが、基本計画(素案の案)では、議員御指摘のとおり、テニスコートの整備については、建物屋上での設置を可とし、1面以上整備すること。また、夜間利用等に対応した設備を備えたものにすることと記載しております。
この素案の案へは大変多くの意見をいただいており、御意見では、テニスコートを今までどおり残してほしい、なくさないでほしいとするものが多数を占める一方で、特定の会員が重複して申込みをしているため、倍率が高くなっているのであり、テニス専用のスペースではなく、運用を工夫するなど、子どもたちも使えるようにしてほしいといった趣旨の意見もいただいているところでございます。
現在、テニスコートは屋外プールとともに公園内に設置されております。この公園の位置づけですが、新たな区民センターを計画する上で、区民センターや美術館、下目黒小学校など幾つもの空間をつなぐとともに、屋外活動の場でもあるなど、とても重要な役割を持つと考えております。
これらを踏まえ、このたびお示しした基本計画の素案では、テニスコートの整備に関する記載を変えておりませんが、複数面設置する際には、テニスだけでなく、子どもの遊び場や他のスポーツなど、多目的な用途、多くの区民が利用できる運用、目的ごとに切替え可能なしつらえを求めることとしました。
いずれにいたしましても、新たな区民センター、公園等の敷地には限りがあり、これまで行われてきた活動だけでなく、今後、将来に向けた区民生活の変化に応じた活動の広がりといった視点を持ちながら、運用などの工夫によって、どこまで活用ができるかということが大切であると考えております。
パブリックコメントの御意見も踏まえながら、さらに検討を進めてまいりたいと存じます。
次に、第4問、新たな区民センターの空間利用についてのア、多種多様なスポーツができる施設の提案についてでございますが、新たな区民センターには、体育館機能として体育室、屋内プール、テニスコート等を設けることとしております。
体育室では、バスケットボールやバレーボール、バドミントンなど、これまでどおりの種目だけでなく、勤労福祉会館に専用室で設けていた卓球とアーチェリーについても、体育室を利用することとし、より多くの区民の健康・体力の保持増進を図ることとしております。
今後スポーツの種目も東京オリンピックで加わったスケートボードやスポーツクライミング、2024年のパリオリンピックでは、ブレイクダンスなど、さらに幅が広がり、練習や競技ができる場所の需要も高まってくることが想定されているところでございます。
議員御指摘のボルダリングやスケートボード、フットサルなど多種多様なスポーツができる施設も提案するべきにつきましては、さきのテニスコートに関する御質疑でも申し上げたとおり、限られた敷地を活用していくためには、空間を共用で使い合い、運用を工夫することが必要になってまいります。
さらに、利用者間、施設周辺の住民などとも調整していただくことによって、円滑な施設の活用を実現することができるようになると考えます。
新たな区民センターでは、これまで行われてきたスポーツだけでなく、新たなニーズにも応えることのできる施設が求められると考えておりますので、空間や運用の工夫を図りながら、どこまで実現することができるのか、引き続き検討してまいります。
次に、イ、民間施設屋上の一部を区民が利用できるよう、公共の開放空間と考えられないかについてでございますが、新たな区民センターと併せて建設する民間施設の規模、用途については、区が一定の条件や設定を定めた上で提案を求めてまいります。
民間事業者はこれらの条件を基に、区民センターとの相乗効果や財政負担軽減など様々な視点を考慮しながら、住宅機能なのか、店舗などの生活利便機能や産業振興機能なのかも含め提案し、区は総合的に判断して、最も優れた提案を選択することとなります。
建物が公共と民間で一つの建物になる合築か、それぞれの建物になる分棟かによって、利用の可能性も変わってまいりますが、民間施設につきましては、あくまでも所有権が民間事業者にございます。その中で民間施設の屋上を区民が利用できることを条件に付すのであれば、民間施設及び公共施設それぞれの利用者のセキュリティや安全性を確保するための動線を分けるなど、設計上の工夫が必要になり、その分の面積や経費など、増加分を区が負担することも見込んでおく必要がございます。
いずれにいたしましても、新たな区民センターの整備については、公共施設の再整備であることを最優先に、区民活動を支える場として、空間のしつらえや事業運営を基本として計画してまいります。
その上で民間施設につきましては、区と民間のリスク分担や経費負担のバランスを見ながら、どこまで活用ができるか検討してまいりたいと存じます。
以上、お答えとさせていただきます。

○29番(佐藤ゆたか議員)  再質問させていただきます。
まず、(1)のほうなんですが、区長を交えた有識者のシンポジウムや、その2回の説明会で区民に本当に伝え切れるのでしょうか。多くの区民がこの新しい区民センターに関わった、参加したと感じるようにしていかなければ、私はいけないんじゃないかなと思います。
東部地区にありますので、ほかの地域からすると、かなり遠いわけですよね。目黒区民の区民センターですから、そういう意味では、各地域で小さな集会でも単位でも構いませんので、丁寧な説明会を行うことを考えられませんでしょうか、伺います。
続きまして、テニスコートのほうなんですが、多目的な用途、目的ごとに切り替え可能なしつらえを求めていくということですが、今回私は20代から30代の青年から、予約が取れないんだと。自分たち、高校、大学とテニスをやってきたけど、会社員になって帰ってくると夜になってしまうと。それでテニスコートが区民センターにあるが、予約しようとしても取れないと。そういう部分からの相談をいただきました。
確かに種目、年代によってこの利用時間帯も違いますから、利用者によって、例えば御年配の方たちがやっているテニスだと、早い時間帯がいいとか、先ほどの青年たち、仕事をやっている方たちは夜間がいいとか、そういう形で多くの区民に利用してもらえるよう、運用面をしっかりと考えていただけないか、伺います。
最後に、4番目の、アですね。区民に愛される新区民センターとなるために、区民の様々な活動ができるような施設にと思っていますが、空間の提案だけではなく、先ほども言いましたが、運用の提案、重要と考えます。この今、現時点で区は民間業者にどのようなことを求めていくのか、伺います。
以上です。

○青木英二区長  それでは、大きく3点いただきましたので、お答え申し上げたいというふうに思います。
私ども今日まで何回かパブリックコメント等も、アンケート等もしてまいりました。多分ここに関係する団体等、非常に膨大になってきますので、なかなか一つ一つの団体と話をするということが非常に難しい状態だということは、本当に申し訳なく思っております。
私どもシンポジウム、それから、まだ御意見をいただく機会がありますので、そういった際に、多くの方々から御質問、それからまた御提案をいただければというふうに思っておりますし、例えば、これ所管のほうからも話を聞いておりますけども、御要望があれば、そこに出向いてお話をさせていただくということは全くやぶさかではありませんが、網羅してということはなかなか厳しいのは率直に感じているところでございます。
いずれにしても、丁寧に説明するのは最も重要でございますので、引き続きそういった立ち位置でしっかりとした区民センターづくりに取り組んでいきたいというふうに思っております。
それから、運用面ということで申し上げますと、2点目ですが、これ私ども、例えばいろんな方が利用できるようにということで、今までテニスコートについては、夜間の利用はできなかったわけですけれども、これ夜間の利用は今回考えていますので、そういう点では、お仕事されている方が仕事の帰りに可能ということにはなろうかというふうに私ども思っております。
実際の運用面ということで言うと、まず、肝心な全体のボリューム、キャパシティがまだ決まっていません。全体のキャパシティが決まっていませんから、その配置も決まっていませんので、今の時点で運用をどういうふうにしていくということは、なかなかここで申し上げることができません。いずれにしても民間事業者が決定され、民間事業者と私どもとで、様々ないただいた御意見、御要望等をどうその中で最大限生かしていくかということに取り組んでいければというふうに思っているところでございます。
それから、事業者にどういう提案を求めていくかということが、3点目ですけれども、これ私ども基本計画の中で、多機能かつ柔軟な運用、今、運用についてですが、運用を可能とする空間を整備し、これまで機能別施設、例えば図書館であったり、体育館であったり、そういった機能別施設ではなし得ない事業展開になる、さらなる施設サービスの向上及び区民活動の活発化を図ることとしている。こういったことを思っておりますので、事業者には幾つかの提案の条件あります。こういったことを私どもとして提案として求めていくということになります。
今後については、今定例会でも条例で審査委員会の設置をお願いをしているかと思いますけれども、こういった提案、私ども基本的な立ち位置を受けて提案をしていただいた事業者について、設置が、議決をいただければ設置ができることになりますので、公平な審査をし、私どもの持つビジョン、考え方ができるだけあの地で反映ができるように努めていきたいというふうに思っているところでございます。
以上でございます。

○29番(佐藤ゆたか議員)  最後の質問になりますが、7月15日にシンポジウムが行われるということですので、たしか区民センターホールでございますので、定員が限られておりますよね。区長との、有識者との懇談会という部分では、大変大事なシンポジウムになると思われます。そして、また数少ない、2回しか行われない説明会、これを動画とかで配信するということはできないんでしょうか。まだまだ区民の多くの方は、先ほど区長が言っていたように、形がまだ何も決まっていないわけですよね、どういう、幾ら素案ができたとしても形がない、そういう面ではやっぱり不安になってしまうんですよね。
その不安を解消するためにも、動画とかシンポジウムの内容、模様を、説明会の模様などを動画配信とか考えられないでしょうか。
以上です。

○青木英二区長  どういうふうに区民の皆さん等に、会場にお見えになれない方がいらっしゃるわけで、どういうふうにそれをお伝えしていくか、検討してみたいと思います。