開催日:令和 5年11月21日
会議名:令和 5年第4回定例会(第1日11月21日)
○21番(はまよう子議員) 私、はまよう子は、公明党目黒区議団の一員として、誰一人取り残されない目黒を目指して、大きく3点5項目の質問をさせていただきます。
公明党は、2022年11月8日、結婚、妊娠・出産から子どもが社会に巣立つまでの切れ目のない支援策を掲げ、子どもの幸せを最優先する社会の構築を目指し、子育て応援トータルプランを発表しました。同プランは、ライフステージや子どもの年齢などに応じた支援策の充実を掲げています。
また、政府の総合経済対策には、公明党の強い主張により子育てに関する相談、サポート体制を強化する伴走型支援をベースとして経済的支援を一体的に行う事業が盛り込まれました。特に、妊娠・出産から乳幼児期にかけて親御さん一人一人に寄り添いながらしっかりとした相談体制をつくり、伴走型の支援を行っていくこととなっています。
本年4月1日より、こども家庭庁が設立されましたが、その前段階である内閣官房こども家庭庁設立準備室において、未就園児等の把握・支援のためのアウトリーチの在り方に関する調査研究が行われ、その報告書には、子育て環境の変化等により全ての家庭に孤立や不適切養育に陥るリスクがあることを考慮、経済的支援とセットの伴走型相談支援等による早期からの関係性構築の必要性が指摘されました。
また、東京都のファミリー・アテンダント事業では、孤独・孤立・不安の解消に向け、子育て家庭に対し定期訪問等による見守りと、傾聴・協働による伴走支援を実施するとあり、訪問時にはおむつや液体ミルク、絵本等の育児支援品を提供していきますとあります。
兵庫県明石市、福岡市、滋賀県東近江市、品川区等の様々な自治体で見守りおむつ定期便制度を導入しています。これは、保健師や研修を受けた支援員等が育児用品等を届けるために定期的にアウトリーチ型の訪問・支援を行うことで、核家族化が進み、生まれたばかりの子どもを育てる不安や社会からの孤立解消と潜在的なリスクを把握する取組です。
11月から実施予定の品川区、来年度実施予定の豊島区及び江戸川区の各区に、なぜ事業を実施するのか、事業実施に当たっての反対意見等について問合せしたところ、ゼロ歳児家庭は外出がしづらく産前・産後の環境の変化や不安を抱える方がいることから、虐待防止の観点も踏まえ実施に至った。多角的な子育て支援対策を推進する中で、区として必要性を感じ判断、また、3区ともに事業実施に当たっての反対意見はなかったとのことです。
全国の児童相談所が2022年度に対応した虐待相談件数は、21万9,170件と過去最多になっています。21年度の死亡事故例は50人に上り、その約半数はゼロ歳児と生まれたばかりの赤ちゃんです。
虐待の原因としては、核家族化や地域のつながりの希薄化が進む中で孤立し、育児不安を抱えながらもSOSが出せない状況が虐待の背景にある場合が多いと言われています。特に、コロナ禍により自宅で過ごす時間が増え、親が抱えたストレスのはけ口が弱い立場にある子どもに向かうなど、状況はさらに深刻になりました。経済的な困窮や、予期せぬ妊娠・出産、複雑な家庭環境なども虐待リスクを高めると指摘されています。今、子育ての孤立化を防ぐ取組が急務となっているのです。
虐待は、重大な子どもの権利侵害であり、心身に深い傷を与え、大人になってもその傷に苦しみ続けることは少なくありません。虐待を起こさせないことこそ重要です。来年4月からは、改正児童福祉法に基づき、国は官民協働で全ての子ども・若者、子育て世帯を包括的に支援する体制をさらに強化するとしています。
目黒区においても、今後見守りおむつ定期便を導入することで継続的・断続的な見守りを行い、育児相談を受け具体的な支援へつなげ、ゼロ歳児の子育て時期における不安・孤独・孤立解消、虐待未然防止、経済的負担軽減、伴走型相談支援の強化にもつながると思いますが、区の見解を伺います。
次に、大きな質問の2点目です。
新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、インバウンドが急増しています。今年3月には、政府が第4次観光立国推進基本計画を策定し、2025年までの3か年で進める方針や目標を打ち出し、消費額や宿泊数の指標等を掲げ、観光立国の再興を目指しています。
公益財団法人目黒区国際交流協会では、ホームビジットという外国人に日本の家庭を訪問してもらい、住まい方や暮らしぶりを知ってもらうことで、日本の生活習慣や文化がよりよく理解できることを目的としたプログラムを展開し、世界各国からの大学・大学院生が異文化交流を深めています。参加できるのは、目黒区や都内の大学に在籍する外国人留学生ですが、例外的に公的機関の依頼により海外からのビジターを受け入れることもあるとのことで、日本の家庭生活を体験し異文化理解や交流を深めたいと希望する海外の若者に応える取組を行っています。このように、より深く日本を知りたい、交流を深めたいと思っている海外の方はたくさんいらっしゃると思います。
目黒区は、様々な場所へのアクセスがよく、目黒を拠点として東京都内はもちろん近郊県へ気軽に足を運べます。また、目黒区内でホームステイ型民泊で家主と共に過ごす中で地元の人々との交流が生まれ、日本の生活様式を体験し、おもてなしの心で日本の魅力を発信していくことができます。観光客がそのような体験をする中で、再度日本を訪れたくなる気持ちを高め、リピーターが増え目黒区に多大な経済効果をもたらすと思いますが、区の見解を伺います。
1点目、平成30年6月15日から住宅宿泊事業法が施行されましたが、施行されてから現在まで、目黒区においてホームステイ型民泊の状況・現状を検証し、課題やそのほか問題はあったのでしょうか。また、問題があった際、どのように対処されたのか伺います。
2点目、インバウンドのゲストは、通常2泊のみの滞在スケジュールで来日することはなく、より長期の滞在を想定しています。日本人の生活様式を体験し、目黒の魅力をより深く知ってもらい、リピーターとなり目黒区の民泊を滞在先に選択してもらうためには、民泊事業における宿泊日数の規制緩和が必要だと思いますが、区の見解を伺います。
次に、大きな質問の3点目です。
日本各地及び世界では、アートをまちに取り込み、芸術・文化創出による観光客誘致、商店街・地域活性化等に成功している事例が多々あります。
目黒区でも、自由が丘地域で自由が丘アート委員会が立ち上がり、アーティストOLIさんによる壁画制作や、アートイベントを様々開催しています。また、目黒区民センターでは、既存の壁を利用した壁画アートを施すことで、ウクライナへの平和を願うとともに訪れた人々に憩いと安らぎの場を提供しています。
そこで、オール目黒として壁画アートというパブリックアートを区内全域に広げていくという方針、支援をしっかり打ち出し、日常的に芸術・文化を発信していくことで、目黒らしさを生かした観光立国の推進、商店街・地域活性化等に大きく寄与すると思いますが、区の見解を伺います。
1点目、日本各地及び世界では、壁画アートによるまちづくりを推進することでまちの防犯・美化を高め、芸術・文化薫るまちの実現に大きく寄与しています。観光都市目黒区として、来訪者が増えるきっかけにもなると思いますが、区の見解を伺います。
2点目、壁画アート制作を通して、学校や目黒区在住アーティスト、民間企業等に協力を仰ぐことで、多様な人々による新たな交流機会が生まれ、目黒が目指す「豊かな人間性をはぐくむ 文化の香り高いまち」の創出にもつながると思いますが、区の見解を伺います。
以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
〔青木英二区長登壇〕
○青木英二区長 はま議員の3点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず第1点目、見守りおむつ定期便の導入についてでございますが、本事業の主な目的は、ゼロ歳児を育てる家庭の玄関先等において、おむつ等の育児に必要な用品を1か月に1回直接手渡すことで、乳児を連れての買物の負担や経済的負担の軽減を図り、また育児に関する助言を行うことにより育児の孤立化を防ぎ、児童虐待の未然防止等につなげることでございます。
議員御指摘のとおり、核家族化が進む中、子どもの虐待防止や健全育成等の観点から、生まれたばかりの子どもを育てる養育者の不安や社会からの孤立を解消することは、区として重要な課題であると認識しております。
現在、本区は育児に関する不安や悩みを軽減し育児の孤立化を防ぐため、妊娠期から出産・子育て期にわたる切れ目ない支援の充実に積極的に取り組んでおります。
妊娠期においては、全ての妊婦を対象として面接を実施し、支援の必要度に応じて支援方針を立て、必要な支援につなげています。
出産後は、新生児・産婦訪問を行い、育児に関する相談等に対応するとともに、産後鬱や虐待リスクのスクリーニングも実施しております。訪問で会うことができなかった家庭については、4か月児健康診査の際にお子さんの発育・発達状況を確認するとともに、家庭での育児の状況についてもお話を伺うようにしております。受診されなかった場合には、乳児家庭全戸訪問事業等により家庭の状況等を確認しております。
そのほか、区の乳児家庭への支援事業としては、産後ケア事業、はじめての子育ての集い、家事育児支援ヘルパー派遣事業及び産後ドゥーラ利用費助成事業等を実施し、支援を充実させることにより、家庭の負担を軽減し、妊産婦の心身のケアや孤立化の解消等に取り組んでおります。
このように、本区は支援を要する家庭に寄り添い、困難な状況を早期に把握し、必要な支援につなげる伴走型相談支援を充実させております。
見守りおむつ定期便の導入については、先行自治体における事業運営の課題や事業の成果等について情報を収集するとともに、今後の国・東京都の動向を注視してまいります。
次に第2点目、ホームステイ型民泊事業についての第1問、住宅民泊事業法が施行されてから現在までホームステイ型民泊の状況・現状を検証し、課題やその他問題があったのか、また問題があった場合、どう対処したのかについてでございますが、平成30年6月15日に住宅宿泊事業法が施行され、目黒区においても住宅宿泊事業が始まりました。
この法律は、令和2年に開催を予定していた東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を念頭に、急増が予測された観光客の宿泊に対する需要に的確に対応するという観光振興の観点と、公衆衛生の確保や地域住民等とのトラブル防止に留意したルールづくりといった規制を行い、無許可で旅館業を営む違法民泊への対応を図り、よりよい事業者を育成していくことを目的としてございます。
住宅宿泊事業には、家主居住型と家主不在型の2種類がございますが、議員お尋ねのホームステイ型民泊事業とは、家主居住型の住宅宿泊事業のことかと存じます。
現在、区内には家主居住型が13件、家主不在型が10件ございます。この件数は、法律が施行された平成30年度からあまり変化しておらず、令和元年度終盤に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が大きいと思料されるところです。
住宅宿泊事業に係る苦情件数につきましては、平成30年度の116件が最も多くなっており、令和元年度は44件、令和2年度以降は5件~7件で推移しているところでございます。主な苦情内容は、事業の無届、標識の未設置、ごみの出し方、夜間における騒音等でございまして、そのような苦情が寄せられた場合には、担当の職員が現場に向かい改善指導を行っているところでございます。
なお、届出済みの事業者に対する苦情につきましては、令和3年度から現在まで3件ございまして、いずれも家主居住型の住宅宿泊事業でございました。区といたしましては、今後も引き続き住宅宿泊事業における事業運営が適切に行われるよう、対処してまいります。
次に第2問、ホームステイ型民泊事業における宿泊日数の緩和についてでございますが、区では住宅宿泊事業法第18条に基づき、住宅宿泊事業に起因する騒音の発生等の生活環境の悪化を防止するため、目黒区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例により、区域を定めて住宅宿泊事業を実施する期間を制限しているところでございます。
この制限は、家主居住型及び家主不在型の区分にかかわらず一律に制限しており、国のガイドラインにおいても、家主の居住または不在により区分して制限することは適切でないとされております。具体的には、目黒区全域を制限区域とし、日曜日の正午から金曜日の正午までを制限期間としており、金曜日の夜と土曜日の夜は宿泊が可能となってございます。
このような制限をしている理由でございますが、区の面積の約80%が居住系の用途地域であり、商業地域等においても住宅が混在しているとともに、その後背地は閑静な住宅地となっていることや、準工業地域についても住宅としての土地利用が進んでいることなどの地域特性がございますことから、区内全域を区域としたものでございます。
また、住宅宿泊事業は、1年間で180日を超えて行うことができないなど法律で規定されており、平日夜の閑静な住環境を守ることをはじめ、区民生活に支障を来さないことを勘案し、観光客の多い週末2日のみを宿泊可能としたものであり、年間104日程度は事業を行うことが可能となってございます。
お尋ねのホームステイ型民泊事業における宿泊日数の規制緩和についてでございますが、住宅宿泊事業法の附則において、施行後3年を経過後、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとすると規定されておりますが、今のところ法律改正はなされてございません。
また、本区の住環境は法律施行後も大きな変化はなく、引き続き閑静な住宅街を維持していく必要があり、直ちに規制を緩和する状況ではないと認識してございます。
国際交流による観光振興につきましては区の大切な施策の1つでございますが、本条例を改正し規制を緩和することは区民生活に多大な影響がございますことから、今後のインバウンドの状況も見ながら慎重に対応すべき課題であると認識をいたしております。
次に、第3点目、壁画アートによるまちづくりについての第1問、壁画アートによるまちづくりを推進することで、まちの防犯・美化を高め、芸術・文化の香るまちの実現に寄与し、観光都市目黒区として来訪者が増えるきっかけとなることに関する区の見解についてでございますが、近年、自治体が主導して壁画やその他の建築物にアートを描き、日々の暮らしの中で芸術表現に出会える仕組みをつくっていく取組がなされていることは存じております。
壁画アートは、まちを美しく飾り、芸術を身近にし、地域文化を活性化することで、新たな芸術文化を創出する効果がございます。そして、落書きや貼り紙がなくなることで、防犯や環境美化の面でも有効な手段となると認識しております。
このように、壁画アートはその芸術性と実用性を組み合わせることで地域社会に大きな影響を及ぼす可能性を秘めています。
一方で、こうした取組を広げていくには様々な法律上の規制をクリアしていくことも必要でございます。目黒区景観条例に基づく目黒区景観計画においては、区内の住宅地や商業地において、建物の色彩において奇抜な色や極端な塗り分けを避けるとともに、周辺の建物と著しく異なる色調を避けるなどの配慮・工夫を求めております。また、壁画を描く面積についても細かな規制があること、著作権の関係から壁面に描く作品に規制が生じることなどの課題がございます。
現在、目黒区民センターに描かれている平和の壁画については、目黒区民センター自体が官公署の敷地内ということで、本来であれば屋外広告物の禁止区域に該当するため、壁画自体を描くことはできません。しかし、区として世界平和を願う壁画を描くことが平和都市宣言をしている区にとって有意義なことであるという判断から、文化・交流課が担当所管に許可申請を行い、許可を得た上でポーランド大使館を通じてアーティストに作成依頼をしたという経緯がございます。今後、区として様々な手法で目黒区の魅力を表現していく中で、発信方法の1つとして壁画アートに対する理解を深め、活用できる場面がございましたら実施を検討してまいりたいと考えております。
次に、第2問、壁画アート制作を通して、学校や目黒区在住アーティスト、民間企業などに協力を仰ぐことで、多様な人々による新たな交流機会が生まれ、目黒が目指す「豊かな人間性をはぐくむ 文化の香り高いまち」の創出にもつながることについての区の見解についてでございますが、区ではめぐろ芸術文化振興プランの中で、区民がふだんから芸術文化に触れられ、自ら身近な芸術文化活動に関わり、芸術文化によるコミュニケーションが活発になることを文化縁と定義し、文化縁の形成とその充実を図ることで芸術文化の振興を図るとしています。
議員御指摘のとおり、学校や区内在住のアーティスト、民間企業などの協力を得て多様な人々による交流が生まれるという考え方については、まさに文化縁の充実を図るという区の考え方と方向性が一致しているものでございます。しかしながら、第1問で答弁したとおり、壁画の制作につきましては、地区によっての建物の色彩の塗り分けや面積の規制、著作権、屋外広告物への規制等、様々なハードルがございます。
文化縁の充実といった観点では、現在目黒区芸術文化振興財団が中心となり、子どもから大人まで様々な世代が芸術文化に親しめる事業を展開しております。
未来の芸術文化を担う子どもたち向けには、多様な芸術文化への出会いやきっかけをつくることを主眼に置き、学校にアーティストが訪問するアウトリーチプログラムを平成18年から継続しております。
また、大人に向けては、日常では交わることのない人々が集いを協働しながらつくっていく演劇のワークショップなどを通して、鑑賞をより深められる学びの場を提供しています。
さらに、今後区内にキャンパスを持つ東京音楽大学と包括連携協定の締結も予定されていることから、音楽を通じた人と人とのつながりや交流、ホールを利用した発表の場の創出など、より一層の文化縁の広がりが期待されます。
今後とも、区民の皆様の御意見に耳を傾けながら、壁画アートの実施も含めまして、状況に合った手段を検討し、基本計画をお示ししている「豊かな人間性をはぐくむ 文化の香り高いまち」の創出に向け注力してまいりたいと考えております。
以上、お答えとさせていただきます。
○21番(はまよう子議員) それでは、私のほうからは再質問を3点させていただきたいと思います。
まず、見守りおむつ定期便についてですが、目黒区においては様々な場面において切れ目のない支援を図り、妊産婦の不安・孤立の解消等に取り組んでいただき感謝申し上げます。また、一方でこうした多様な方法で見守り伴走をしてくれる人、当事者の側からいえば誰かとつながっているということだと思いますが、伴走型相談支援には、継続して一緒に考え、様々な資源を活用しながら伴走し続ける役割を地域で誰がどのような体制で行うかが今後は重要になってくると思います。
世田谷区では、子ども・子育て支援事業の中で利用者支援事業の担い手である地域子育て支援コーディネーター育成に力を入れています。目黒区でも、こうした地域の子育て支援者を増やしていき、見守りおむつ定期便を活用した孤独・孤立の解消に地域子育て支援者といった方々を加え、保護者と支援に関する地域資源との仲介役を担うことで、出産後すぐの全ての子育て家庭が孤立することなく、行政のつながりとはまた違う暮らしの身近なところで顔が見える、顔が分かる方による子育て支援につながりながら安心して暮らしていける伴走型支援がより必要不可欠になってくると思いますが、いかがでしょうか。
2点目に、ホームステイ型民泊事業についてです。コロナ禍もあり、インバウンドが非常に減少していたので単純に比較は難しいと思いますけれども、苦情があれば適切に処理していただき、苦情件数も減少してきているのではないかと思います。
中野区では、住宅宿泊事業を行う場合は区の独自ルールがあり、ホームステイ型で必要な要件を満たす事業者は、区長の許可を受けることにより制限区域内でも平日に事業を実施することが一定の条件を付した上で認められています。中野区で実際に運用する中で、近隣からの苦情について伺ったところ、ホームステイ型では特に見当たらないとの回答でした。
先ほどの御答弁の中で、住宅宿泊事業法の附則において、施行後3年を経過後、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものと規定されているが、今のところ法律改正はなされていないとのことでした。
しかしながら、そもそも住宅宿泊事業法で規定されている総営業日数制限は年間180日となっていますが、目黒区はそれを下回る年間104日程度です。今後のインバウンド対応、地域における異文化交流、地域活性化等の重要性を考えたとき、まずはホームステイ型民泊における宿泊数を1日増やすことを検討していただけないか見解を伺います。
最後に、壁画アートによるまちづくりですが、壁画アートはなかなか制約が厳しいということではありますが、現在自由が丘駅前工事現場において仮囲いアートを制作すると聞いております。また、2018年話題となった渋谷区宮下公園再開発時におけるストーリー性のある仮囲いアートなど、様々な建設現場において仮囲いアートプロジェクトが注目されています。
まずは、目黒区としてこうした建設現場における無機質な仮囲いをアートの力で楽しい場所に変え、まちの景観に新たなデザインを吹き込むことで区民の皆様の御意見を踏まえながら、にぎわいのあるまちづくりやアーティストの新たな活躍の場の提供と育成を進め、将来的に壁画アートによるまちづくりを目指していく方向性を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
以上です。
○青木英二区長 1点目です。伴走型なおかつ公民連携でそれに取り組んでいくということは非常に重要です。私ども、令和7年4月に、御案内のとおり子ども家庭センターの設置もしていきますので、さらにそういった場を使って議員御指摘のようなことをやっていく。これはもう、全く私ども異を唱えることではありませんので、そういった場でしっかりと進めていきたいというふうに思います。
それから、さらに緩和をということですが、導入の際もやはり地域の住民の皆さんから閑静な住宅街をしっかり守ってほしいというような声が多くございました。目黒区だけではなくて、やはり住居系のところは、私の承知してる範囲ではほとんど、多くが平日は行っていないということになります。
議員御指摘のように、国際交流、観光、これは非常に私どもも大事ですが、じゃ区長として今何を求めるか、プライオリティをつけるとすると、やはり区の面積の80%が住居系用途で、23区で最も高い目黒区としては、安全・安心、閑静な住宅地を求めていくこと、どちらも大事です。しかし、これはなかなか両方できないとすると、どちらかを求められるとすると、やはり今の状況、いわゆる制限をかけた週末だけだといったことと、今とのまちの状況はそんなに変わっていないということが判断できるのではないかというふうに認識いたしております。
それから3点目、仮囲い。これから私ども小学校、中学校、多くの学校等の建て替えが始まります。それから、区民センターも始まります。そういったところ、既に私ども一度成功事例というか、私は成功だと思ってるんですが、中央体育館なんかも2020に向けてテコンドーの公式練習場でございましたから、そこに仮囲いができて、そこに壁画を行いました。落書きもなくなります。壁画もまちのアートとしていいかというふうに思います。
同時に、やはり学校施設、これは私の今までの経験と、私どもの公の施設を造るとき全て順調ではなくて、周囲からいろんなお声がありました。周囲からいろいろなお声があった中で、そこに様々な絵を描いていくということは、またその周辺の住民感情ということからいくと、どんどん進めていいかどうかというのはやっぱりあろうかと思いますので、やはり個々状況を踏まえながら、これはすばらしいことですので、区としては進めていきたいというふうに思ってるところでございます。
以上でございます。