開催日:令和 5年 9月 7日
会議名:令和 5年第3回定例会(第2日 9月 7日)

○35番(武藤まさひろ議員)  私は、公明党目黒区議団の一員として一般質問を行います。
 まず、第1問として、防犯カメラ設置について伺います。
 目黒区内の防犯カメラの設置台数は、町会及び商店街で831台、学校通学路に132台が設置されており、それ以外にも区として公園に設置しております。
 経緯としては、平成18年に自由が丘にある商店街が都と区の助成制度を活用して設置し、以下、次々と商店街に設置されました。その後、地元の町会の方から、町会内に町会単独で防犯カメラの設置をしたいとの相談がありました。商店街でのカメラ取付け場所は、商店街独自の街路灯に設置が可能でしたが、町会には独自の街路灯はありません。そこで、カメラを取り付けるためのポール設置ができるかと区に相談しましたが、そこまでの費用は難しいとの答えでした。一旦は諦めかけましたが、東京電力の電柱への取付けが可能となり、一気に話が進み、区内で初めて平成22年に町会に防犯カメラの設置ができました。
 防犯カメラの効力としては、犯罪などの解決と犯罪抑止効果があると思います。警視庁が繁華街に街頭防犯カメラシステムを導入しています。令和4年中に警視庁本部において録画した877件の映像データを各警察署に提供し、うち602件が被疑者の検挙、事件の解決等に活用されています。実際に中目黒で起きた事件でも、防犯カメラの映像から犯人逮捕につながっています。
 また、目黒区内の刑法犯認知件数は、平成30年に1,871件、令和元年は1,814件、令和2年は1,444件、令和3年は1,417件、令和4年は1,327件と減少しています。これは積極的に防犯カメラ設置に取り組んでいる他の自治体でも同じような結果が出ており、千葉県市川市では平成18年に犯罪認知件数が9,835件だったのが、平成29年には3,823件と3分の1に減少しています。
 そこで、伺います。
 (1)として、区内の犯罪件数の推移から防犯カメラの抑止効果力を伺います。
 次に、(2)として、全町会への防犯カメラ設置が目標と伺っていますが、現状について伺います。
 次に、(3)として、7年でカメラの更新となりますが、設置町会の更新状況を伺います。
 次に、第2問目として、2050年ゼロカーボンシティの実現を目指してについて伺います。
 8月27日、国連のグテーレス事務総長は、地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来したと警告しています。しかし、まだ最悪の事態は防げるとも述べ、各国の指導者に気候変動対策への強化を求めています。実際この夏は全国的に猛暑が続き、特に7月下旬以降は38度以上の危険な暑さも相次いで観測されたほか、福島県伊達市では8月5日に、10日には石川県小松市で、いずれも40度ちょうどに達するなど、北日本や東日本を中心に記録的な高温となりました。
 近年、地球温暖化の進行により、世界的に気象災害が頻発し、我が国でも台風や集中豪雨による深刻な被害が発生しています。令和3年5月に改正された地球温暖化対策推進法では、2050年までの脱炭素社会の実現が明記され、地方公共団体が定める地球温暖化対策の実行計画に目標設定を追加することが義務づけられました。
 目黒区は、これまで地球温暖化対策地域推進計画に基づき、令和2年度の二酸化炭素排出量の目標を平成22年度比7%削減として取り組んできました。しかし、2050年の二酸化炭素排出量を実質ゼロにするゼロカーボンシティの実現の重要性に鑑み、さらなる取組が必要不可欠になっております。
 そうした状況を踏まえ、目黒区は2050年のゼロカーボンシティの実現に向け、様々な取組を力強く推進していくことを表明しています。家庭用太陽光発電システムなどの設備設置費助成、区施設での再生可能エネルギー電力の導入、脱炭素社会に向けた啓発活動の推進、庁用車への燃料電池車、電気自動車などの導入などの推進となっております。
 また、カーボンニュートラルの未来をつくるの実現に向けて、区有施設における省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備の率先導入。LED、太陽光発電設備、蓄電池、電気自動車充電設備などの省エネルギー設備、再生可能エネルギー設備を整備することにより、エネルギー消費量の削減を進め、設備の整備に当たっては、国の補助事業の活用を視野に入れながら、実現可能性を調査、実施の上で導入を図っていくとなっています。
 そこで、伺います。
 (1)として、都推進のHTT、電力を減らす・創る・貯めるの中で再エネルギー設備導入支援を行っています。他区では、この自治体対象の再生可能エネルギー発電設備支援を積極的に取り入れていく考えがあると伺います。予算特別委員会で質疑をしておりますが、助成制度の活用の検討との答弁でした。その後の進捗を伺います。
 次に、(2)として、23区での先進自治体では多くの区有施設に太陽光パネルを設置しています。目黒区では、碑小学校、中央中学校、東山小学校など新規、また改築工事での設置が7件、中央体育館、スマイルプラザなど大規模改修等での設置4件と計11件にとどまっています。新規や大規模改修を待っていたら何年かかるのか。既存区有施設への太陽光パネル設置についての考えを伺います。
 以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
 〔青木英二区長登壇〕

○青木英二区長  武藤議員の2点にわたる御質問に順次お答えを申し上げます。
 まず、第1点目、防犯カメラの設置についての第1問、犯罪件数の推移と防犯カメラの抑止効果についてでございますが、目黒区における刑法犯の認知件数につきましては、昨年は1,327件でありました。これは一昨年と比較いたしますと90件減少したところであります。また、過去からの推移を見ますと、目黒区の刑法犯認知件数は、平成27年以降昨年まで8年連続で減少をしたところでございます。
 このように刑法犯の認知件数が減少している要因といたしましては、目黒・碑文谷両警察署による各種取組のほか、区民の皆様による自主防犯活動をはじめとする様々な活動や御協力によるものなど多岐にわたっているものと考えており、断定できるものではありませんが、その中でも町会や商店会等の皆様に設置していただいている街頭防犯カメラが区内に広く普及をしているということが大きな要因の一つになっているものと考えております。
 こうした街頭防犯カメラにつきましては、犯罪が行われた場合の証拠映像となるなど、警察による事件捜査の大きな支えになっていると言われていますが、効果はそれだけでなく、カメラがその場所に、またその地域に設置されているということにより、犯人がその場所やその地域での犯行を断念するように犯罪を未然に防止するということについても大きな効果があると言われております。
 引き続き、町会・自治会等をはじめ、区民の皆様に対し防犯カメラの設置による犯罪の抑止効果などについて、様々な機会を捉えて周知を図るとともに、さらなる設置促進が図れるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、第2問、防犯カメラの全町会への設置を目標としていること、また設置の現状についてでございますが、まず目黒区といたしましては、基本計画において、全町会への街頭防犯カメラの設置を目標としているところは議員御指摘のとおりでございます。先ほども申し上げましたが、街頭防犯カメラが設置されている場所や地域では、犯罪の発生を抑止する効果が大きいものと考えておりますので、目黒区内の全町会での設置がなされれば、区内全域にわたって幅広く犯罪の抑止効果が浸透するものと考えております。
 また、街頭防犯カメラの設置の現状につきましては、令和5年4月1日現在、51の町会に合計831台の街頭防犯カメラを設置していただいているところでございます。これは全82町会のうち、約62%の町会に既に設置していただいていることになります。
 なお、各町会において、街頭防犯カメラの設置場所を検討する際には、町会を管轄する目黒警察署、または碑文谷警察署と事前に協議していただき、警察からの知見を得た上で、各町会に決定していただいているところになります。
 目黒区といたしましては、先ほど申し上げたとおり、全町会への設置を目指しておりますので、引き続き街頭防犯カメラを設置されていない町会の皆様に対して、設置のお願いをしていくことになりますが、町会の皆様に予算面や管理などに係る新たな御負担をお願いしていくことにもなりますので、街頭防犯カメラを設置することで得られる効果などについて丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
 また、既に街頭防犯カメラを設置済みの町会につきましては、町会の方々の御意見を伺いながら、目黒・碑文谷両警察署と連携して、より効果的な場所がありましたら、同所へ増設についても併せて働きかけをしていきたいと考えております。
 次に、第3問、設置後7年で更新可能となる街頭防犯カメラに関し、設置後7年以上となる町会の更新状況についてでございますが、該当する町会ごとに順次更新を検討していただいているところでございます。令和5年4月1日現在、街頭防犯カメラ設置後7年以上経過している町会のうち、更新をされていない町会につきましては14町会、カメラの台数につきましては144台となっておりますが、更新可能となったカメラであっても、いまだに問題なく稼働している場合など、町会の御判断により、7年を超えて運用されている場合もございます。目黒区といたしましては、更新可能となる町会に対しましては順次お知らせをしていくとともに、更新の検討を進めていただくよう働きかけてまいります。
 なお、街頭防犯カメラを更新される場合には、新規で設置する場合と同様に、目黒区地域における見守り活動支援事業として、更新費用に対して、東京都が2分の1、目黒区が3分の1をそれぞれ補助させていただいておりますので、町会に御負担いただくのは、更新費用の6分の1となっております。こうした制度の活用を含め、引き続き丁寧な説明を実施してまいりたいと存じます。
 次に、第2点目、2050年ゼロカーボンシティの実現を目指してについての第1問、自治体を対象とした再生可能エネルギー発電設備導入の助成制度の活用の検討とその後の進捗についてでございますが、東京都は令和2年度から地産地消型再エネ増強プロジェクトを掲げ、令和4年度からは、対象を都内の区市町村に拡大をし、地産地消型再エネ発電等設備の導入に対する助成事業を実施しております。
 この助成制度は、都内の区市町村が都内に設置した太陽光、風力など発電設備や太陽光などの熱利用設備などで得られた再エネを都内の施設で消費、蓄電する場合は、その設備導入に必要な対象経費の3分の2以内、助成上限額が1億円の範囲内で東京都から支援を受けられる制度でございます。
 議員お尋ねの助成制度の活用についてでございますが、区は太陽光や風力発電など再エネ発電設備を設置し、持続可能なものとする検討経過から、発電設備の設置場所の確保をはじめ、設備の維持管理や耐用年数に応じた設備更新、リサイクルなど様々な課題が浮き彫りとなり、費用対効果等の視点からも慎重に見極めていく必要があると考えております。
 一方、地産地消型再エネ発電等設備の導入は、温室効果ガスの排出削減をはじめ、電力系統への負荷軽減により、中長期的なエネルギーの安定確保につながるほか、昨今の災害リスクの増大に対し、災害や停電時に区有施設へのエネルギー供給等が可能となり、地域の脱炭素化とともに災害に対する強靱性の向上、レジリエンスに資するものと考えております。
 いずれにいたしましても、温室効果ガスの排出を削減する上で、再エネ発電設備の導入は重要な課題であると考えております。区といたしましては、令和4年2月に表明した2050年ゼロカーボンシティの実現を目指して、引き続き様々な助成制度の活用を調査研究し、持続可能かつ効果的な取組をしっかり選択していくことで、着実に脱炭素化を推進してまいります。
 次に、第2問、既存区有施設への太陽光パネル設置についてでございますが、議員御指摘のとおり、区はこれまで7か所の新規建築物と4か所の大規模改修を実施した区有施設に太陽光パネルを設置してまいりました。令和4年3月に策定した目黒区基本計画及び令和5年3月に改定した目黒区環境基本計画において、区有施設におけるゼロカーボンの推進に向けて、太陽光発電設備などの再生可能エネルギー設備や省エネルギー設備を整備することにより、温室効果ガス排出量の削減を目指すこととしております。
 大規模改修や増築などの既存建築物の工事では、設計する際に太陽光パネルの設置に向けて、屋根の形状や材質を確認するとともに、屋上空間の状況や建物構造の再計算を行い、補強箇所の有無などの調査を実施してまいりました。その結果、設置が可能であることが判明した場合は、これまで工事を実施してきたところでございます。
 令和4年度に整備した東根住区センター児童館学童保育クラブでは、既存建築物の耐荷重の関係から設置ができず、また大規模改修工事を実施した特別養護老人ホーム中目黒では、電気設備機器を新たに屋上に設置したため、太陽光パネルの設置は断念をいたしました。こうしたことからも、設計時の調査が大変重要だと考えております。
 今後も新設や改築、大規模改修を行う際には、太陽光パネルの設置の可能性について調査を行った上で導入を進めてまいりたいと存じます。また、太陽光パネルを屋上でなく外壁面に設置するタイプや、軽量化したパネル等の製品についても全国的に普及しつつあることから、今後の既存区有施設への設置の可能性についても調査研究してまいります。
 以上、お答えとさせていただきます。

○35番(武藤まさひろ議員)  それでは、再質をさせていただきます。
 まず、防犯カメラについてなんですけれども、区長の答弁でいただいたように、ある程度の防犯カメラについての効果は犯罪抑止、また犯罪件数が少なくなった。これは全て防犯カメラというわけでは当然ないというのも重々承知しておりますけれども、効果があるということで、ほかの自治体でもやはり積極的に取り組んでいるから、そういった傾向が出ているということでございます。
 ただ、やはり課題もあるということで、一つは、今、約80町会、全て目標ですけれども、まだ約50町会しか行ってないと。これは当然費用の部分のことなのかもしれませんし、先ほど区長のお話の中でも6分の1、町会は6分の1という負担でいいということになりますけども、たしかオリンピックのときはもっと12分の1でいいというような、そういった特別なところも出てたけれども、それでもやはり全町会にはなかなか行き届かない。この費用的なものが一つあります。
 もう1点がメンテナンスの問題になります。先ほど7年たっても動いているかどうかであれば、8年、9年となるってことですが、多分これ町会の方が上ってみて、それ動いてるか動いてないかを確認できるっていうことはまずできないので、そうしたところで現実やはり犯罪が起きて、町会内の防犯カメラを回収してみたところ、壊れてて機能してなかったということもあったと聞いてます。そうしたやはりメンテナンスの面に関してもやはり課題がある。
 この2つがあると思います。当然両方とも費用がかかるという話なんですけども、その中で、リースでカメラのこういった、これは今全部購入になってるので、何とかリースで契約ということであれば、中にはメンテナンスをしながらもできると、そういったような考え方もあるということを伺ってますので、それについてちょっとお伺いさせていただきます。
 2点目が太陽光パネルなんですけれども、この夏は本当に暑くて、家に帰ると2階をとにかくまず初めに窓を開けて、クーラーを入れないと、暑くていられないぐらい、これは夏でしようがないかなと思うんですけども、やはりこの異常気象というのが皆さんも感じてらっしゃいます。様々な考え方で、そういった、暑いですので、クーラーとか、いろんな物を入れるべきと、これは一つの施策でもありますし、もう一つは、こうしたように元の部分としてやはり少しでもよくしていこうという考え方がございます。
 太陽光パネルの設置に関しても今に始まった話じゃなくて、もう、多分私も今5期目でございますが、最初の期から様々な議員が太陽光パネルの設置を何とかできないか、耐荷重が非常に重いということで進んでませんでした。ようやく新規ということで、区として進んでいき、今11件、23区の中で先進的に進んでる区っていうのは葛飾区だということなので、ちょっと葛飾区にお邪魔しまして、理事者のほうからいろいろとお話をお伺いさせていただきました。
 目黒区内は約100、区有施設が180ぐらいですかね、11ですので、非常に1割にも満たないんですけども、葛飾に関しましては7割以上やってると。これは確かに小学校につけてるんですけども、全てつけることによって、小学校の電気料金を賄うほどのものは当然ないけれども、区としての姿勢として、まずつけようというようなお考えっていうことを伺っております。そうした姿勢から、やはり区民の方も感じて、区の中の様々、御自宅のほうにもつけて、これはある種の一つの姿勢で、引っ張っていく姿勢でないかと思います。
 今、区長がお話ししたとおり、様々な当然制約があるので、できないんですけれども、やはり今後、軽量化の物も随分出ておりますので、ぜひとも既存施設に関しまして、区有施設に太陽光パネルの設置をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 以上です。

○青木英二区長  まず最初に、防犯カメラのリースですけれども、大前提はこのスキームが東京都の補助事業ということですので、さっきオリンピックのとき12分の1になったじゃないか。あれ東京都の補助事業で東京都がオリンピック・パラリンピック開催ということで、さらに上乗せをしたということになっています。補助事業としてのスキームとして、東京都がいわゆるリースはお支払い、いわゆる初年度だけは2分の1見ますよという、そういう制度設計になっています。それについて私ども3分の1ということになって、町会・自治会には6分の1ということになるわけです。
 ですから、いわゆるリースの時期については、このスキームとして補助対象になっていないということで、町会の皆さんはリースでもいいですし、一括して買うって、どちらの選択もできるんですが、制度として、今、補助事業なので、私ども東京都に合わせて、ランニングコスト、一番最初のときに東京都とともに3分の1ということになります。
 ですから、リースまでやるということになると、そこからは区の単独事業ということになりますので、安全・安心は非常に大事な課題ですが、同時に財源的な状況もしっかり見ていくということがあろうかと思いますし、まずは東京都としてこの補助事業をどう考えていくか、十分注視をしていきたいというふうに思っているところでございます。
 それから、2つ目のパネルについては、今、私どもも新築、大規模改修は行ってきているのは答弁で申し上げたとおりです。今、既存の物について、これは全くごもっともで、既存の物に手をつけなければ、なかなか進まないよという、全くそのとおりではありますが、やはり既存の物と大規模でやったときに、パネル設置だけ見ると、どうしてもスケールメリットから言って、大規模改修のほうが太陽光の部分、パネルの部分だけいくと、ローコストでできるというようなこともありますので、全体の大規模改修の中で今やっているということです。
 ただ、今、私ども2050年までにゼロカーボンシティを目指すということでいくと、これは既存の建物に手をつけなくていいかどうかっていうのは相当議論があります。一方、財源の措置というのもありますので、これは新築、大規模改修、既存の建物、この3つの要素をどう組み合わせて、私ども2050年度までにゼロカーボンシティを実現するかという視点で、今、御指摘の部分についても今後しっかりと調査研究をし、一日も早く、2050年、間違いなくゼロカーボンシティが成り立つように区としても努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
 以上です。