開催日:令和 6年 2月21日
会議名:令和 6年第1回定例会(第4日 2月21日)

○29番(佐藤ゆたか議員)  私は、公明党目黒区議団の一員として、質問通告に基づき3点、5項目、順次質問いたしますので、答弁をよろしくお願いいたします。
 1点目、持続可能な未来のための取組について。
 目黒区は、基本計画の中にSDGsのゴールと区が取り組む施策を結びつけております。しかし、SDGsの開発目標が17もあることから、一区民として具体的に何をしたらよいのか分からないとの声もあり、区民にSDGsの実現を目指していくことがしっかりと伝わっているのでしょうか。
 SDGsの目標達成まで残り6年。目標が達成できなければ、持続可能な社会の実現はおろか、温暖化の影響がより深刻になってまいります。一人一人の自覚を促す必要があり、誰もが分かりやすく、身近なところから自分事と捉え、私にもできるという具体的な行動を明示し、広く、強く周知していかなければ、SDGsのゴールは達成できないと考えますが、所見を伺います。
 2点目、人口問題を俯瞰して。
 昨年、国立社会保障・人口問題研究所が2050年までの地域別将来推計人口を発表しました。人口減少が危機的な局面に突入しかねない現状と公表され、日本の総人口は減り、46道府県の全てが減少する中、東京都にますます集中していくであろうと予測されております。
 目黒区が昨年発行した都市計画マスタープランでは、2050年の人口は29万5,000人余、今年1月1日現在より約1万6,000人増えるであろうと予測され、2050年の65歳以上の高齢者は7万6,300人余と、4人のうち1人が65歳以上と予測されております。また、一方、15歳~64歳の生産年齢人口は、都市計画マスタープランでは、2050年には18万8,500人余と、今年1月1日現在よりも約5,000人余りの減少予測となっておりました。
 しかし、先日の委員会で、目黒区人口・世帯数の予測(概要)について報告がありましたが、それによりますと、2050年には65歳以上の高齢者は9万9,414人、都市計画マスタープランよりも約2万3,000人増えております。3人に1人が65歳以上となり、逆に、生産年齢人口は16万1,495人と、約2万6,000人もの大幅な減少が予測となりました。
 これはあくまでも予測ではありますが、この予測どおりに進むと、区の財政などに大きく影響が及ぶおそれから、今のうちから生産年齢世代の流出を防ぐための定住化促進などが必要と考えますが、所見を伺います。
 3点目、家賃助成について。
 (1)総務省の就業構造基本調査では、東京都内は家賃や不動産価格の高騰が影響し、子育て世代がもう一人子どもをと考えても、都内では希望の間取りを借りるには家賃などがハードルとなり、郊外への転出が増えてきているとの発表がありました。ここ3年間の目黒区の人口統計を見ましても、子育て世代である35歳から49歳までが減少しております。
 目黒区は、現在、居住の継続と子育て支援として、ファミリー世帯の家賃助成制度がありますが、最長3年間の援助、所得制限もあります。しかしながら、制度創設当時と比べ、社会状況の厳しさが増しており、助成期間の延長や助成制度の再度の申込みができるなど、制度を見直す必要があると考えますが、所見を伺います。
 (2)人生百年時代と言われており、高齢になっても、元気に社会生活を送られている方も大勢いらっしゃいます。全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らせることのできる社会をつくっていくことが重要であると考えております。
 現在、目黒区では、高齢者世帯等居住継続家賃助成がありますが、助成期間は最長6年となっております。要件の中に、過去に家賃助成を受けたことがあると再度の利用がかなわないことになっております。健康寿命の延伸とともに、なかなか公営住宅に当選しない現状を考えますと、助成期間の延長をはじめ、制度の再利用ができる見直しが必要だと考えますが、所見を伺います。
 最後に、(3)番目です。
 昨年、私は、社会人となって目黒区に暮らしている青年や、長年目黒に住んでいる年配の方と懇談する機会がありました。この懇談の折、高齢者にならないと、また、結婚し子育てをしていないと行政からのサービスを受けられない。社会人となって納税しても、長年単身で住んでいても、いつまでたっても行政からのサービスは受けることはできないと言われました。
 社会人となった生産年齢人口の青年世代向けや、単身で長く住まわれているお一人様世代向けなどの家賃助成制度なども、公平性の観点から必要だと考えますが、所見を伺います。
 以上、壇上からの質問を終了いたします。(拍手)
 〔青木英二区長登壇〕

○青木英二区長  佐藤ゆたか議員の3点にわたる御質問に順次お答えを申し上げます。
 まず、第1点目、SDGsの目標達成に向けた区民への具体的な行動の明示と周知についてでございますが、区は、長期計画に定める施策をSDGsの目標と結びつけており、SDGsの普及啓発に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、今年度、新たな試みとして、東急グループが運行するSDGsトレインのポスター掲示を行ってございます。昨年度は、区役所ワクチン接種会場の経過観察中に、「NHKみんなのうた」で放映している「SDGsのうた」のDVDを流すなど、取り組んでまいりました。さらに、区の施策の実行に当たって、SDGsの視点での取組が進むように、職員に対する研修も引き続き行っているところでございます。
 今後も、地方自治体として率先して取り組んでまいりますとともに、粘り強く普及啓発してまいります。
 一方、SDGsのゴールに向けた目標達成は、世界レベルでの取組が不可欠でございます。昨年12月の国際連合広報センターの広報誌によると、SDGsのターゲットのうち、順調に推進、進捗しているものは世界全体で15%にしかすぎず、残念ながら、多くが逆行していると発表してございます。極度の貧困、飢餓、安全な飲料水や衛生施設などの改善は進まず、先進国から開発途上国に向けた実際の投資を強く呼びかけております。また、戦争など紛争に関連した民間人の死者数が急増し、コロナ禍により国家間の不平等が過去30年間で最大の増加を示しているなど、世界が置かれている状況はより深刻になってございます。
 我が国のSDGsランキングは、昨年度から2つ順位を下げて21位となっており、教育などは高い評価ですが、課題とされているのがジェンダー平等の実現や、海洋や気候変動など地球環境負荷の是正に関連する分野となっています。SDGsの取組につきましては、今後もグローバルな視点とローカルな視点を持ちながら、地方自治体として、国などの関係機関と協調し、必要な取組を継続してまいります。
 次に、第2点目、人口問題を俯瞰してについてでございますが、生産年齢人口の減少は、社会生活に必要なサービスの提供体制が維持できなくなるなど、区民生活に大きな影響を及ぼす問題であると認識してございます。
 先日、企画総務委員会へ概要を御報告いたしました最新の人口推計を見ますと、住民記録ベースの人口推計では、目黒区の2050年の人口は28万6,774人、今年1月1日現在と比較すると約7,000人の増加となっております。また、2050年の65歳以上の高齢者は9万9,414人となっております。区民3人のうち1人が65歳以上と推計され、高齢化率が34%を超える見込みとなっています。一方、生産年齢人口は、2050年には16万1,495人と、約3万人余減少する見込みです。
 定住化促進についてですが、令和5年度に実施した区の世論調査においては、目黒区に住み続けたいと答えた方は95.6%いらっしゃいました。この結果から、既に区民の定住意向はかなり高いと認識しております。
 基本計画で定める基本目標の中にも、快適で暮らしやすい持続可能なまちを掲げ、区民の皆様に安心して住んでいただけるよう様々な施策を実施しているところでございます。補助計画である住生活マスタープランにおいても、生産年齢人口に限らず、高齢者や障害者、子育て世帯など多様な世帯が安心して住み続けられることができるよう、様々な暮らし方に応じた住宅施策を展開することで、誰もが安心して快適に暮らせる環境の形成を目指すとしております。
 今後も、総合的にまちの魅力を高めることで区民の方に愛着を持っていただき、高い定住意向を維持していくことが重要でございますので、子育て支援、教育、福祉施策の充実等も含め、住み続けていただけるまちを目指す努力を続けてまいります。
 次に、第3点目、家賃助成についての第1問、ファミリー世帯家賃助成の助成期間の延長や助成制度の再度の申込みについてでございますが、ファミリー世帯家賃助成は、区内の民間賃貸住宅に居住する18歳未満の子を扶養かつ同居している世帯を対象とし、家賃負担を軽減することにより、居住の継続や子育て支援に資することを目的として、月額2万円を最長3年間にわたって助成する制度で、平成18年度から実施しております。
 区では、多様な世帯が安心して住み続けられるための居住支援施策の1つとして、この家賃助成を実施をし、多くの区民に利用していただけるよう、助成要件や内容の見直しを行ってまいりました。具体的に申し上げますと、平成28年度に世帯の総所得額の上限額を引き上げるとともに、助成期間を2年から3年に延長しました。また、令和元年度には月額家賃の上限を16万円から18万円に引き上げました。さらに、令和2年度には居住要件の緩和を行いました。また、募集世帯数につきましても、より多くの世帯がこの助成を受けられるように、平成29年度の120世帯から令和4年度の170世帯まで、毎年度10世帯ずつ増やしてまいりました。
 ファミリー世帯家賃助成につきましては、限られた財源と幅広い支援のバランスを考慮して事業展開を進める必要があると考えており、そのため、なるべく多くの区民の方に助成を実施するため、助成期間を3年としたところでございます。
 議員御要望の助成期間の延長や助成制度の再利用につきましては、さらに一般財源を投入して、特定の世帯だけを長期間助成し続ける制度となってしまうものです。そのようなことから、今後、社会状況の変化や財源のバランスを見据えながら、助成期間の延長など、制度の在り方については、実績と効果を根拠とした検討をしてまいりたいと存じます。
 次に、第2問、高齢者世帯等居住継続家賃助成の助成期間の延長や助成制度の再利用についてでございますが、高齢者世帯等居住継続家賃助成は、区内の民間賃貸住宅に居住する高齢者世帯及び障害者世帯等を対象とし、家賃の一部を助成することにより、住み慣れた地域で安心して住み続けられることを目的として、家賃の2割を最長6年にわたって助成をする制度で、平成24年度から実施しております。この制度は、区営住宅などの公的住宅を補完し、高齢者世帯や障害者世帯の住宅の確保に特に配慮する方のうち、優先度の高い区民の方に、できるだけ広く公平に支援するものでございます。
 区では、これまでに助成要件や内容の見直しを行っており、平成30年度に10年以上据え置いていた家賃月額の上限額を1万円増額しました。また、令和2年度には居住要件の緩和を行うなど、より利用しやすい制度といたしました。募集世帯数につきましても、平成29年度まで80世帯だったものを平成30年度から90世帯に増やしました。
 区は、限られた財源と幅広い支援とのバランスを考慮して事業を進める必要があると考えており、そのため、6年という期限を設けております。助成期間の延長や助成制度の再利用につきましては、さらに一般財源を投入して、特定の世帯だけを長期間助成し続ける制度となることから、助成期間の延長や助成制度の再利用は難しいと考えております。
 なお、受給されている世帯の方には、公的住宅の募集案内のお知らせや、助成期間が終了する1年前に、終了が近づいていることなどのお知らせを行っています。さらに、その後のお住まいについて不安をお持ちの方に対しては、賃貸住宅の情報提供を行うなど、安心して区内に住み続けられるために、住まい探しの支援を行っているところでございます。
 次に、第3問、青年向けやお一人様向けの家賃助成制度も公平性の観点から必要だと考えるが、所見を伺うについてでございますが、区では、全ての人へ安心な住まいを届ける施策として、高齢者や障害者、子育て世代など、多様な世帯が住み慣れた地域で安心して住み続けることができるよう、家賃助成による居住支援を実施しているところでございます。
 さきに申し上げたとおり、子育て世帯の家賃助成を軽減するためのファミリー世帯向け家賃助成と、住宅確保要配慮者のうち、高齢者・障害世帯など優先度の高い世帯を対象とする家賃助成を行うことにより、できるだけ広く公平に、住み慣れた地域に安心して住み続けられるような居住支援施策に取り組んでまいりました。
 議員お尋ねの青年向けやお一人様向けなど、多様な世帯向けの家賃助成につきましては、一般財源を投入して実施することとなりますので、社会状況の変化や限られた財源と幅広い支援の必要性とのバランスを考慮し、十分に効果的な事業となるかを慎重に見極めた上で実施する必要があると考えております。現在の家賃助成制度は、収入が十分でない高齢者や障害者など、支援を必要とする方々や子育て世帯への支援として、公平性を重視して行っているものです。
 一方、青年やお一人様などを対象とした家賃助成につきましては、収入状況や対象年齢、支援の必要性、支援期間などについてどのような基準が適切なのか、条件付きが大変難しいと認識しているところでございます。
 区といたしましては、居住の安定を促進するため、高齢者・障害者世帯や子育て世帯に対する家賃助成を今後も継続していくとともに、これまでの実績や課題を踏まえて、多様な世帯が安心して住み続けられるための居住支援について、今後、一層調査研究してまいりたいと存じます。
 以上、お答えとさせていただきます。

○29番(佐藤ゆたか議員)  答弁ありがとうございます。
 再質問は、一番最初の持続可能なほうで1点。
 私が先ほど質問したのは、身近なところという形で質問したんですが、ワールドワイドでいいんですが、今、児童・生徒たちはマイボトルを持って登校しているのを、区長、御存じでしょうか。私立もそうですけど、区立もそうですが、皆さん、重いランドセルのほかに、水筒を持って通学しているわけですよね。そういうところから、私はやっていただきたいなと思っております。
 ペットボトルを、まずは一番身近なところ、大量生産・大量消費されているペットボトルを抑制するとか、そういうところを、身近なところ、児童・生徒のほうがしっかりやってるわけですよ。ですから、私は、ペットボトルを使うなと言うわけではないんですが、抑制するものを何か目黒区役所や教育施設、区有施設などに置いていくべきではないかと考えております。
 SDGsの目標の12の持続可能な生産消費形態を確保する、13の気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる、14の持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用するとあります。
 目黒区内には、南太平洋の大使館もあります。そういう意味では、目黒区からペットボトルを減らしていくんだ、抑制していくんだという意味で、マイボトル専用冷水機などを総合庁舎や区有施設、教育施設に設置してはいかがかお伺いします。
 そして、もう一つが家賃助成制度なんですが、先ほどの人口問題も含めて、この家賃助成制度もそうなんですが、区長は95.3%意識があるということで言われておりますが、補助制度が切れた場合、長年住み慣れた目黒を後にしなければいけない方たちが多くいるわけですよね。確かに、私も、都営住宅や区営住宅に申込みが出たとき、四、五件ですが、案内書を持って行きます。しかし、なかなか当たらないんです。6年間で当たるなんて、めったにいません。なぜか。目黒区自体が公営住宅が少ない現状がありますので。そして、目黒区は23区の中でも家賃が大体平均10万円と高いという部分を考えますと、どうしても公営住宅に入りたい方、でも、6年間だと本当に厳しい。
 そういう意味では、目黒区として、補助制度の再利用もしくは期間延長などを考えられないか再度伺います。
 以上です。

○青木英二区長  1点目の冷水機についてですが、今、例えば中央体育館ですとか、区民センター、それから碑文谷体育館等には設置がされています。そこから拡大するには、2つのポイントの判断があるかと思います。1つは、それぞれの施設にニーズがあるかどうか。ニーズがないと、せっかくつけても意味がありませんので、まずはニーズがあるかどうかというのは1つだと思います。
 それから、冷水機を設置することによって、ペットボトルが、いわゆるリデュース、減っていくのかどうか、そういった検証もしっかりしながら、私どもは大事な課題だというふうに思っておりますので、そういった状況を見ながら、お話のようにSDGs、小さいことから積み上げていくということは全くそのとおりですので、そういった把握をしてみたいと思います。
 それから、2点目の高齢者の方への家賃助成についてですが、まず最初、原則論を申し上げますと、やはり一般財源ですので、限られた財源を、私どもとしては、できる限り広い方々への、これは税の再配分ですので、しっかりと税の再配分として幅広い方々に配分をしていくということが大事な課題だということは、もう言うまでもないところですので、一定の期限をつけざるを得ないということでございます。
 一方、今もるるお話があったように、御高齢の方で、なかなか住宅が、要配慮者としての支援が、確保ができないという方が多々いるということは、もう皆さんから常々御発言、御要望もいただいているところでございます。
 今、高齢者の助成については90人、それから、6年間という期限であります。それで約6,600万の一般財源を、今、充当しています。ただ、先ほど言ったように、住宅確保が非常に困難、ますます困難になってきていますので、そういう点では、私どもとしては、その人数の増でありますとか、今、6年間としてございますから、これの延長、先のもっと長く延ばすことができないのかについては、前向きにこれからしっかりと検討していきたいというふうに思っております。
 以上でございます。