開催日:令和 6年 2月29日
会議名:令和 6年第1回定例会(第6日 2月29日)

○36番(関けんいち議員)  まず、質問に入る前に、このたび、私自身の健康管理の至らなさで、当初予定された2月19日の代表質問を欠席しましたが、おのせ議長をはじめ、区議会事務局の御尽力と、理事者の皆様並びに目黒区議会の皆様の御理解と御協力により、本日、特別に代表質問の機会を設けていただきましたことに深く感謝を申し上げます。大変にありがとうございました。
 また、今年元旦に発生した最大震度7の能登半島地震では、約2か月が経過しましたが、2月28日14時現在の内閣府の発表で死者が241人、そして、今なお1万1,625人が厳しい避難所生活を強いられております。断水や停電の影響等で災害関連死が深刻な問題になりました。犠牲になられた皆様に対しまして、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災に見舞われた全ての皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。一日も早く復旧・復興が進みますよう御祈念申し上げます。
 それでは、本題に戻りまして、私は公明党目黒区議団を代表し、今後の区政運営に関わる諸点について代表質問をさせていただきます。
 目黒区の姿勢について、我が会派が考えている社会の在り方と方向性が合っているかを主な確認事項とし、大きく4つの視点で質問をいたします。1点目は激甚災害への対応、2点目は人間性を育む教育の必要性、3点目は学校施設使用の有料化について、最後、4点目に超高齢社会を前にしてについて伺います。明快なる御答弁をお願いいたします。
 大きな質問の第1問、激甚災害への対応について伺います。
 このたびの能登半島地震で私の地元の町会で話題になったのは、このような事態に遭遇した際に、私たちは具体的に何をどうしたらよいかということでした。これまで阪神・淡路大震災や東日本大震災等を経験し、様々な対策が施されてきましたが、私たち一人一人の身に置き換え、実際に発災したときに、周りに誰もいなくても、的確な行動が取れるかということでした。また、このたびの地震で再度確認しておくべき内容について、以下質問いたします。
 1、防災関連の情報が多過ぎて、いざというときに適切な行動が取れないのではないかと危惧します。区民目線で自助の行動が取れるようなルーチン化について所見を伺います。
 2、透析患者や人工呼吸器が必要な方への対応について、病院、訪問看護、機器メーカー等が十分機能しなかった場合の行政サポートについて伺います。
 また、極端な水不足による歯磨きの困難や、義歯を紛失した場合、誤嚥性肺炎を発症するおそれもあり、見守り支援の体制強化が必要と考えますが、所見を伺います。
 続きまして、大きな質問の第2問、人間性を育む教育の必要性について伺います。
 今年1月3日の深夜、JR山手線車両内で20代の女性が刃物を振り回し、3人がけがをして病院に搬送されました。その場にいた人に取り押さえられ、現行犯逮捕されました。また、1月6日の昼過ぎ、39歳の男が駅のホームから見知らぬ女性を突き落とし、線路に転落させるという事件がありました。突き落とされた女性は電車と接触しましたが、救助され、命に別状はなかったのでよかったですが、男は死ぬまで刑務所の中に入っていたいからやったと容疑を認めました。こうした見境のない身勝手な事件が世の中にあふれている印象があります。
 そこで、以下質問をいたします。
 1、昨今、若者の薬物乱用やオーバードーズ等が問題になっています。30歳未満の検挙者が9年前と比べ5.4倍の3,840人に、約7割が若年層のようです。きっかけは、誘われてが最も多く、20歳未満の8割、20代でも7割を占め、大麻は無害との誤ったSNS情報もあふれ、人間関係を失いたくなくて断れない面があるとの報告もあるようです。こうした点を捉え、学校の対応について伺います。
 2、近年、漫画、雑誌などが手軽に入手しやすい利点からか、電子書籍が普及し、全国的に書店と入れ替わっている感があります。一方で、読書は想像力や思考力を高める効果があると思っています。人間性を育む基本が読書には内包されており、読書する習慣づけは大事だと考えますが、所見を伺います。
 大きな質問の3問目は、学校施設使用の有料化について伺います。
 学校施設の使用に関しては、今後の学校施設の計画的な更新により、施設サービスの充実が図られる一方、莫大な経費がかかることを踏まえ、受益者が一定の負担を負うことが、公平性の観点、持続可能な施設使用の実現の観点からも望ましいと、学校施設の使用見直し方針にありました。その結果、適切な受益者負担を図るため、目的外利用及び学校開放(団体開放)のいずれかにおいても統一の料金設定とする方向で検討を進めるとのことですが、地域子どもスポーツ団体、子ども文化団体にも料金が設定され、大人料金の半額とされました。この件に関して以下質問いたします。
 1、こども家庭庁が政策に掲げるこどもまんなか社会の実現では、生まれ育った環境にかかわらず、夢や希望を持つことができる社会を目指しています。この方向性に基づけば、地域子どもスポーツ団体、子ども文化団体に対しては無料化が望ましいと考えますが、本日午前中の陳情審査で、同内容の陳情が全会一致で採択されましたが、改めて区長としてのお考えはどうなのか、所見を伺います。
 2、地域大人スポーツ団体に、健康増進を目的として、あるいは地域とのコミュニケーションを図るために、生活保護受給者の方が加入している場合に、有料化は厳しいと考えますが、所見を伺います。
 最後、大きな質問の第4問、超高齢社会を前にしてについて伺います。
 団塊世代の国内800万人の方が後期高齢期を迎える2025年を前にして、介護を受ける環境が整っているのか、大変気になっております。介護離職を防ぐために重要課題だと思える2点について伺います。
 1、介護の専門家に親の介護を任せる体制を準備するために設けている介護休業や介護休暇であることを理解せず、自分が親の介護をするための休業・休暇だと勘違いされている方が多いという実態を踏まえ、介護保険制度を理解してもらうための対象者家族への周知について所見を伺います。
 2、介護人材の確保において、国は2024年度予算案の編成で介護報酬を1.59%引き上げる改定率とし、月額6,000円の処遇改善が図られます。また、東京都は独自に、都内で働く全介護職員、ケアマネジャーを対象に、居住支援特別手当を給付する処遇改善、特に若手や新人の介護職、定着率を改善する狙いの対策を打ち出しています。
 目黒区も、平成28年度から、人材を確保する対策として、介護職員宿舎借上げ補助に月額5万円で7年間の家賃補助等を行っていますが、これら対策を打つことで今後の介護需要に対する区内の充足度について伺います。
 以上、壇上からの質問を終わります。(拍手)
 〔青木英二区長登壇〕

○青木英二区長  ただいま関議員から私ども執行機関にも大変温かいお言葉をいただきました。誠にありがとうございます。区長としても、公明党の皆さんに対する代表質問ができることをうれしく思っております。しっかりと答弁させていただきます。
 関議員の4点にわたる御質問に順次お答えを申し上げます。
 なお、第2点目につきましては、教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えをいたします。
 まず、第1点目、激甚災害への対応の第1問、いざというときの適切な行動のルーチン化についてでございますが、大きな地震が発生したときには、各自がどのような行動を取ればよいのか分からなくなってしまうことは十分に考えられることでございます。実際には、今年の元日に発生した能登半島地震では、家屋の激しい揺れにより家族が混乱している様子がニュースで繰り返し放送されている状況を見て、地震発生等における適切な行動の難しさを感じたところでございます。
 区では、災害発生時の行動につきましては、目黒区の防災行動マニュアルが基本となり、適切な行動について掲載しており、その内容につきましては、日頃から各種訓練や講演などを通じて啓発に努めているところでございます。加えて、常日頃から御家庭の手に取りやすい場所に置いていただくことで、災害時の適切な行動確認がルーチン化されることを期待しているところでございます。
 一方、区民が日常の中で、毎日または高い頻度で防災行動マニュアルを手に取り、確認することは難しい状況であるとも認識しております。区といたしましては、防災行動マニュアルには、発災時に区民が必要とする情報を網羅して掲載しているところでございますが、その中でも、特に発災直後の行動として、まず、大きく2点を行っていただきたいと考えております。
 まず、第1には、とにかく自分の身を守ることでございまして、テーブルの下に潜って頭を守ることなど、身を守るための行動につきまして啓発しています。
 次に、火の元確認や初期消火でございます。東京都の被害想定では、出火件数が僅か14件であるにもかかわらず、火災による焼失棟数は4,426棟でございますので、今後も出火防止と初期消火対策に力を入れていきたいと考えているところでございます。
 議員御指摘のとおり、区民には区や東京都などから様々な防災関係の資料が届くことがあり、かえって分かりにくい場合もあろうかと存じますが、区といたしましては、そのようなことも踏まえ、引き続き防災行動マニュアルを中心としながらも、特に力を入れて区民にお伝えすることは厳選するなど工夫して、周知啓発に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、第2問、災害時における透析患者等への対応や口腔ケアなど、見守り体制の強化についてでございますが、透析患者や人工呼吸器を使用している方も含め、高齢者や障害者などのいわゆる災害時要配慮者への支援につきましては、行政だけで行うことは困難であり、地域の様々な関係機関と協力しながら行うこととしております。透析医療が必要な方や人工呼吸器を使用している方など、専門の医療的ケアが必要な方の避難に当たりましては、災害時個別支援プランの作成過程において、平時から準備しておくべき医薬品や装備は何か、災害時にどのような支援が必要か、また支援者は誰かなどを想定しておく必要がございます。
 透析患者につきましては、大規模災害時の人工透析医療の確保は生命の危機に関わる重要な課題でございまして、日本透析医会では全国的なネットワークを構築しております。東京都区部では、東京都区部災害時透析医療ネットワークにより、各医療機関の患者の支援要請・受入調整を行う仕組みが構築されており、区におきましても、透析患者を把握した場合等は迅速にネットワークの支援につないでいくこととしております。
 人工呼吸器を使用されている方につきましては、電力の供給停止が生命の危機に直結する、移動等の避難行動が困難などの特性がございます。家族を含め、直接的な被害がなければ、できるだけ在宅療養が継続できるよう、災害時個別支援プランを作成している身体障害者手帳の呼吸器3級以上の方に蓄電池の給付を行っております。
 また、災害時には口腔ケアが不十分になることにより誤嚥性肺炎が生じやすくなり、特に高齢者等にとっては、災害関連死の要因ともなり得る問題でございます。区では、歯科医師会と協定を締結し、災害時の歯科治療や衛生指導の協力をお願いするとともに、歯科衛生士等が避難所を巡回して、口腔の衛生に向けた支援を行うこととしておりまして、区民への一層の周知啓発など、平時からの備えを進めていくことも考えております。
 区といたしましては、今後も避難行動要支援者の災害時個別支援プランの作成を推進しながら不安の解消に努めるとともに、関係機関と連携を図りながら、災害時の口腔ケア等に関する見守り体制の強化を図ってまいります。
 次に、第3点目、学校施設使用の有料化についての第1問、学校施設の使用料について、地域子どもスポーツ団体、子ども文化団体に対しては無料化が望ましいとのお尋ねについてでございますが、学校施設の使用については、これまでも公の施設の使用料との均衡を図るべき事項として、適切な受益者負担の導入について検討してきたところでございます。
 今後の学校施設は、30年にわたる計画的な更新により、施設サービスの充実が図られる一方で、膨大な経費がかかることを踏まえ、受益者が一定の負担を行うことが公平性や持続可能な取組の観点からも望ましいことから、令和7年度からの実施に向けて、学校施設使用の見直しに取り組んでまいりました。
 この中で、学校施設使用に際しては、校庭、体育館、教室など、それぞれの施設において利用料金を設定をし、地域子ども団体の利用においては大人利用の金額の半額とする減額設定とし、昨年12月に学校施設の使用見直し方針(案)を公表いたしました。
 それと併せて、この見直し方針案の内容について、令和5年12月11日から令和6年1月16日までの間、区民の皆様より意見を募集いたしました。お寄せいただいた御意見によると、例えば校庭の利用に際し、地域の子どもスポーツ団体にとって学校施設は安心して運動することができる近所の数少ない施設であり、施設使用における有料化により子育て世代への負担が増えることへの懸念や、また、それにより子どもたちが運動しづらくなるのではないかとの声が多く寄せられたところでございます。
 目黒区は、現在、子どもたちが元気に過ごすことのできるまちを目指して、様々な取組を行っております。目黒区基本計画の中でも、子育て子育ちへの支援として、全ての子どもが同じ地域の中で自分らしく成長できる環境を整備し、関係機関が連携した切れ目のない支援に取り組むことが重要であるとしております。これは、議員お尋ねの中で述べられた、こどもまんなか社会の実現の目指す方向と同じであります。
 子育て世代への支援は喫緊の課題であり、ひいては国を挙げて取組を一層強化している少子化対策の流れにしっかりと歩調を合わせていく必要がございます。このことを考えると、地域の子どものスポーツ団体及び文化団体の学校施設使用における利用料金につきましては、区として改めて検討していくことといたします。
 学校施設の使用については、利用者となる各団体の公平公正な利用と持続可能な施設使用を実現するため、引き続き運用面等における検討整理を行い、今後、区民の皆様に、学校施設の使用見直し方針としてお示しをしてまいります。
 次に、第2問、地域大人スポーツ団体において、生活保護受給者の方が加入している場合の有料化における区の所見でございますが、まず学校開放におけるスポーツ・運動の御利用については、屋外施設である校庭、屋内施設である体育館とともに、団体開放という形で実施されます。すなわち、学校施設の利用においては、複数名で構成されたスポーツ団体が利用するものでございます。
 この団体の利用に当たりましては、あらかじめ団体登録を行っていただきます。団体登録については、今回の見直しに伴い、まず区民交流活動室の登録団体である区民団体の利用を前提とし、さらに、学校施設を使用する登録団体に対しては、区民団体として団体の代表者や構成者の氏名を記した登録者名簿を提出いただき、登録団体要件を確認するほか、学校施設利用時におけるルールの遵守なども宣誓していただく学校施設利用要件確認書の提出を併せて求めることとしております。
 このうち、登録者名簿については、区民団体としての利用に際して、団体関係者の氏名のほかに、区民であるかどうかを確認するための住所もしくは区内在勤及び在学者については、その名称及び所在地を確認する目的で提出を求めるものであり、団体の構成員それぞれの経済的事情などを確認する項目は設けておりません。
 また、学校開放事業における団体開放は、利用者各人に対して個別に使用料を課すのでなく、利用団体に対し利用料金をお支払いいただくものです。そのため、区としては、それぞれの団体内における利用料金の支払いに関わる具体的な対応については、個別の事情なども含めて、関与できないと考えております。
 次に、第4点目、超高齢社会を前にしての第1問、介護保険制度を理解してもらうための家族への周知についてでございますが、現在、介護保険は、高齢者における尊厳ある生活を支えるための重要な制度として、社会保障の中核を担う存在となっております。
 介護保険制度が確立する前の社会では、介護は家族や親族がその全てを担うものとして認識され、家族、親族の中でも特に女性が介護者としての役割を担うことが多くございました。平成12年度に介護保険制度が開始された背景には、従来までの家族や親族が担う介護から、社会全体で支える介護へ転換を図るという大きな目的がございました。
 介護保険制度が始まってから今日まで、多くの方々が介護保険を利用することで、様々な制度の改正や充実が図られ、介護が必要な本人の生活環境の向上や、介護を担う家族の負担軽減に寄与してきた介護保険制度の意義は非常に大きなものがあると認識をいたしております。
 介護保険制度の開始から四半世紀が過ぎ、制度自体の認知は十分に進んだものと思いますが、議員御指摘のとおり、いざ自分の身内で介護が必要になった場合には、自分だけ頑張ろうと考え、結果として、介護を理由とした離職等を余儀なくされてしまうというお話もお聞きすることがございます。
 介護休業や介護休暇は、家族や親族の継続的な介護をしながら仕事と介護を両立させるために取得することのほか、介護保険を利用して介護の体制を整えるために使うという側面もございますので、介護を特定の家族が抱え込むことにならないよう、介護保険制度や介護休業制度の意義などについて改めて周知に努めてまいります。
 介護保険の保険者としての目黒区の役割の一つは、一人でも多くの区民の方に無理のない介護を行っていただく機会を提供することだと考えております。介護保険の利用に当たっては、区内に5か所ある地域包括支援センターが相談や申請の窓口となっております。地域包括支援センターは、介護保険だけでなく、地域に密着した総合相談窓口としての機能も有しておりますので、介護保険制度に関わる一層の周知とともに、地域包括支援センターの周知も従来以上に行ってまいりたいと存じます。
 次に、第2問、様々な介護人材確保対策を打つことにより、今後の介護需要に対する区内の充足度についてでございますが、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年には、都内の介護人材が約3万1,000人不足すると言われており、介護保険の現場を支える介護人材の確保の問題は喫緊の課題となっております。
 介護人材の確保が困難である背景には、給与が他の産業平均と比較して低額であること、人材の定着率が低いことなど、様々な要因が挙げられております。こうした厳しい状況を踏まえ、議員御指摘のとおり、国では、来年度の介護報酬改定において、主に介護職員の賃金アップに充てることを目的に、報酬単価を上げる決定を行うとともに、東京都では、独自に介護職員やケアマネジャーに対して原則として月額1万円の居住支援特別手当を支給することとしたところでございます。こうした取組により、介護職員の手取りが増え、人材確保が進むことが期待されるところでございます。
 こうした国や都の対策に加え、本区におきましては、介護人材対策といたしまして、人材の確保と人材の定着・育成の両面から、様々な施策を展開いたしております。
 介護人材の確保では、介護職員宿舎借上げ補助として、区内の民間特別養護老人ホームを運営する事業者に対して、介護・看護職員が入居するための宿舎借上げに係る費用の一部を補助するとともに、介護・障害福祉サービス事業者の職員採用を目的とした、めぐろ福祉しごと相談会を年2回開催するなどの事業を実施をしております。
 また、介護人材の定着・育成では、介護職員のキャリアアップに向けた環境を整備し、人材の定着及びサービスの向上を図るため、初任者や実務者の研修に係る経費の補助や、目黒区社会福祉事業団に委託をして、介護技術の向上や医療的ケアなどに対応できる技術の習得を目的とした研修なども実施しております。さらに、来年度からは、目黒区で運営する民間特別養護老人ホームにおける人材の安定的確保及びサービスの質の向上をより図るため、施設に勤務する職員の研修などに係る費用を助成する事業も予定しているところでございます。
 今後とも、介護事業者の御意見や御要望を伺いながら、より効果的な施策について検討し、着実に推進することにより、区内の必要とされる介護職員を確保できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 以上、お答えとさせていただきます。
 〔関根義孝教育長登壇〕

○関根義孝教育長  関議員の第2点目、人間性を育む教育の必要性につきましては、教育委員会所管事項でございますので、私から順次お答え申し上げます。
 まず、第1問、若者の薬物乱用やオーバードーズ等の問題に対する学校の対応についてでございますが、薬物乱用とは、薬物を社会的許容から逸脱した目的や方法で自己使用することであり、市販薬を大量・頻回に服用するオーバードーズは薬物乱用に含まれる行為でございます。
 国は、青少年の薬物乱用の特に目立つ動機として、3点を挙げております。第1に仲間からの誘い、第2に薬物使用及びその効果に対する好奇心、第3に自己のつらさの軽減であり、その未然防止に向けては、薬物乱用の弊害についての基本的な知識に関する指導のみならず、児童・生徒が自らの悩みを信頼できる身近な人に相談できるようにしたり、好ましい人間関係の構築による自己肯定感の醸成が重要であると示しております。
 このことを踏まえ、児童・生徒がまず身につけるべき基本的な知識に関しては、小学校では体育科保健分野、中学校では保健体育科保健分野を中心に指導するとともに、全校で薬物乱用防止教室を実施しているところでございます。あわせて、児童・生徒には、自身がかけがえのない大切な存在であることを改めて考えさせるとともに、不安や悩み、ストレスへの様々な対処方法や、身近にいる信頼できる大人へSOSを出す方法について理解し、実践できるようになることを目的とした授業を全校で実施しております。
 また、日常的に児童・生徒と関わるスクールカウンセラーを含む教職員については、各種調査や面接等からも多面的に児童・生徒の状況を把握し、必要に応じて、福祉等の関係機関と連携を図りながら、課題を抱える児童・生徒の早期発見・早期対応に努めているところでございます。さらに、学校行事や特別活動の実施に際しては、多様な人と関わる中で責任感や連帯感を培いながら、他者や集団のために役に立つという経験を通して、好ましい人間関係を構築し、自己肯定感を高められるよう計画しております。
 教育委員会といたしましては、今後も各学校が薬物乱用防止に係る指導と未然防止の視点に立った教育活動を確実に実施できるよう支援するとともに、体験活動等の充実を図り、人間性豊かなめぐろの子どもたちを育成してまいります。
 次に、第2問、人間性を育む読書の習慣づけの大切さについてでございますが、これからの予測困難な時代を生きる子どもたちには、自ら課題を見つけ、学び、考え、行動し、よりよい人生や社会を切り開いていく力が求められており、そのような資質・能力を育む上で、読書活動の推進は大きな柱の一つとなるものと認識しております。
 本区では、子どもたちが読書をすることで多くの知識を得たり、自ら学ぶことの喜びを体得する等の経験を通じて、読書の必要性を真に感じ、読書する習慣を身につけることができるよう、教育活動の充実や環境の整備を進めているところでございます。
 区立学校において、読書に関する様々な学習は、国語科の授業を中心として、教科等横断的に行っております。小学校では、本の中から知りたい情報を見つける方法を学んだり、作家に着目して選んだ本を紹介し合う活動のほか、本の選び方をテーマとした話合い活動にも取り組んでおります。中学校では、ビブリオバトルやブックトークの形式を取り入れて、複数の本を読み比べる活動を学習の課程に組み込み、楽しみながら本への関心を広げることができる授業づくりを行っております。
 さらに、読書月間を設定して、読んだ本の記録をつける取組や、朗読ボランティアによる読み聞かせ、本に登場する料理を給食の献立として提供する取組など、各学校では、教育活動全体を通して、本と接することの楽しさを高められる工夫ある活動を展開しております。
 また、区立図書館においては、目黒区立図書館基本方針の中で重点的な取組として、子どもたちを本の世界にいざなうことを掲げ、関係機関との連携の強化や、デジタルにも対応した読書環境の整備を進め、子どもたちの読書活動を支援しております。
 教育委員会といたしましては、令和5年3月に国が策定した第五次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画を踏まえ、子どもたちがより主体的に読書活動に取り組んでいくことができるよう、本区における基本的な方針と具体的な方策を示す子ども読書活動推進計画の策定を検討しているところであり、子どもの視点に立った読書活動の充実と環境整備に引き続き努めてまいります。
 以上、お答えとさせていただきます。

○36番(関けんいち議員)  ありがとうございます。
 それでは、順次再質問をさせていただきます。
 まず、激甚災害の対応ですけれども、ルーチン化ということで2つあるという話でした。まずは身を守る、また火の元を消すという、そういった対応ですけれども、発災時の状況で自助の取り方というのは違ってくるとしても、取るべき行動の基本を示すことで、誰もが記憶にとどめてさえいれば、いざというときに、いざという場面で危険を回避できるというふうに考えて、今回は質問させていただきました。
 いただいた答弁の中で、防災行動マニュアルに発災時の適切な行動について記載がされているとのことでした。そうであれば、ルーチンにもう一項目を加えていただいて、防災行動マニュアルの、例えばミニハンドブックがありますけれども、平時に防災リュック、非常時持ち出し袋、正式名称はそういう名前みたいですけれども、今、装備をしておいて、いざ避難する際は必ずこの防災リュックを携帯するとしておくことも必要と思いますが、その点についての所見を伺います。
 2点目です。高齢者や既往歴を持つ人らが、慣れない避難生活で病状が悪化したり、体調を崩して亡くなる可能性が高いと思います。被災された後、自宅で亡くなられたケースが熊本地震では多かったことから、在宅高齢者のアセスメント、客観的・数値的な評価や、あと見守り支援、緊急で搬送できる仕組みなど、必要と考えますが、所見を伺います。
 続きまして、2点目です。人間性を育む教育の必要性について。
 1つ目ですが、今の社会は夫婦共働きが一般的で、その全てとは言えないんですけれども、忙し過ぎて、子どもに向き合うことがおろそかになりやすい傾向があるんじゃないかと考えられています。学校は、しつけは家庭に一義的に責任があるという立場なので、デジタル化が進むにつれ、情報過多、スピードが優先される社会に移行することで、さきに挙げたような身勝手な事件、最近でもよく報道が、いろんな事件が発生していますけれども、後を絶っていない。ますます拡大することを危惧しています。
 人間性を育む教育として、家庭教育にも学校が深く関わるべきではないかと考えますが、所見を伺います。
 2つ目です。子どもたちの心を育むために、区立小・中学校の児童・生徒全員に図書カードの配付を毎年義務化してはどうかと提案します。本が非常に重要だということで、今、教育長のほうから答弁がありましたけれども、そうしたところを本当に一層促進していただきたいなという思いで、親子や友人たちと会話しながら本を購入するなど、本に触れ、親しむ機会を増やすべきと考えますが、所見を伺います。
 3点目の学校施設使用の有料化については、先ほど午前中に陳情審査があって、全会一致の内容で陳情に賛同されたということでした。そうしたことで、改めて考え方を検討していきたいという、そういった答弁がありましたので、ぜひこれはよろしくお願いしたいと思います。
 こどもまんなか社会を実現する上で、やっぱりこれは本当にそういった方向でしっかりとやって取り組むべき視点だというふうに思っていますので、いろんな無料化が今あるし、また、ほかの区の動向なども、本当に無料化に向けた動きがあるということを察知していますので、そうしたところも含めて、検討をよろしくお願いいたします。こちらについての答弁は結構です。
 4点目、超高齢社会を前にしてでございます。
 厚生労働省の推計によれば、要介護の認定者数が2040年頃ピークを迎え、988万人に達すると推計されております。一方、介護職員数は、2023年に必要数233万人に対して約22万人の不足、2025年には32万人、そして2040年には69万人の不足が予想されています。介護充足度が満たなかった場合には介護離職が懸念されることから、介護人材の確保は非常に重要だと考えています。
 先ほども話にありましたけれども、全産業との平均給与格差が、厚生労働省の調査で、2022年度で月額6.8万円も開いており、年々差が縮まらないと聞いています。国や東京都が実施する介護従事者への処遇改善や居住環境の支援がされたとしても、介護保険制度で定められた公定価格による報酬で賄われており、なかなか追いついていきません。介護職が需要に見合わないと想定される今の段階では、国内で受入れ状況が芳しくない外国籍の方の採用も視野に入れて、新たな雇用として検討する必要があると考えます。
 日本語、日本の文化、コミュニケーションの取り方など、企画運営をされている事業者などと連携して、あるいはそうした訓練を行う新たな事業を創出するなど検討して、介護環境の適正化を図るべきではないかと考えますが、所見を伺います。
 以上、よろしくお願いいたします。

○青木英二区長  それでは、私が順次お答え申し上げたいと思います。
 まず、最初の防災行動マニュアルの活用についてですが、今、私どもは、それこそ小学校のときから、ぐらぐらと揺れたら机の下に潜って頭をこう隠しなさいというようなことを言っておりますし、それから、物が落ちてくるような危ない場所から離れなさいということは、もう身についています。それから、火の元を消しなさい、これも大体は皆さん、分かりますし、今回、令和4年4月に発表された数値でいえば、14か所だけ火元です。ですが、4,426棟、大体8%が消失してしまうということですので、本当に火の元、それぞれ御家庭で火を消していただければ、この数字は物すごく減るということです。
 火の元を消す、それから燃えているものをすぐ消していくということは、大体私どもも分かっていますが、そこから先の行動というのは、なかなかぱっと出てこないわけですが、防災行動マニュアルに全てそこは明記してありますので、すぐやっぱり見られる状況をつくっていくというのは非常に大事で、リックに入れて見たりとか、人によって一番見やすいところに防災行動マニュアルを身につけておくということが大事で、2階の奥に置いてあったということはあまり意味を達しないので、今、非常に貴重な御提案なので、どういうふうに、どうしたら一番手に持って次の行動に移りやすいのか、そういったことは少し研究して具体化をしていきたいというふうに思っておりますので、貴重な御提案ありがとうございました。
 それから、次、大きな2点目ですけれども、私ども、大事なことは、今、大きく2つのグループで対応しています。1つは歯科衛生士、それから保健師、栄養士でグループを通じて、ぐるぐる巡回をして、それぞれお声がけなどをして、お元気ですかということを聞く1グループ、それから、もう一つのグループは、避難所にも要配慮者の方々が避難をされている場合もありますし、それから在宅避難されている要配慮者の方がいますので、これは私ども職員と地域包括支援センターの職員が要介護者の皆さん方に向けたグループをつくって、御自宅、それから避難所の場所で日頃様子を見ているところでございます。
 大事なのは、ぐるぐる回っていても意味がないので、議員御指摘のように、アセスメントでどういう状況なのか客観的に見て、客観的に見た結果、次につないでいく、病院等につないでいく等が大事でございますので、アセスメントは極めて重要でございますので、そういったことをしっかりと踏まえながら巡回をできるようにというふうに、今、認識をいたしているところでございます。
 それから、最後に、民間の特養ホームの外国籍の方の介護者についてです。
 私も、区内の特別養護老人ホームを回りますと、本当に外国籍の方がたくさんお仕事をされています。それも非常に広い範囲で、インドネシアであったり、ベトナムであったり、フィリピンであったり、多くの方々が、率直に言って慣れない日本で大変熱心にお仕事をされています。やはり一定の数になってきていますので、東京都として、その受入環境の事業も行っています。
 今、私どもがどんなことをやっているか、そういった東京都の事業を区内の民間特養ホームにお知らせをしているという、そういった啓発活動をしていますけれども、今後どんどんその割合が増えてきたときに、区として独自のバックアップをしていかなければいけないということは、あり得ることだというふうに思います。世田谷区さんは、そういった交流の取組を行っていて、いろんな悩みを聞かれたり、どんな苦労があるのか、いろいろお話をされたことを聞いて、そういった方々の環境の整備をされているというふうに聞いております。
 私ども目黒区は、今後、どういった形で民間特養のこういった外国籍の方の受入れをしていくのか、どういった私どもはバックアップができるか。技術的なことは、私どもはなかなか難しいので、どういった形で外国籍の方々にバックアップができるか。増えていく状況でありますので、しっかりとした、そういった取組を行っていきたいというふうに思っているところでございます。
 私からは以上でございます。

○関根義孝教育長  では、まず、人間性を育む教育として、家庭教育にも学校が深く関わるべきではないかとの御指摘でございますけれども、現状を申しますと、教育委員会では、めぐろ学校教育プランの中で、目指す子ども像を、21世紀をたくましく生きる人間性豊かなめぐろの子どもとして、知・徳・体のバランスの取れた子どもたちを育成していこうと、日々、教育活動を展開しているわけでございます。そして、その目指すところに向かうためには、子どもたちは学校の教室の中だけで育っているわけではありませんから、学校、家庭、さらに地域の連携は不可欠であって、その3者はお互いに支え、支えられながら育て合う関係にあると思います。
 その中で、学校から家庭、保護者への関わりということでいえば、まず最も基本的なところの各学校における保護者会での課題の共有に始まって、例えば各小・中学校のPTAに委託しての家庭教育講座の実施ですとか、道徳授業地区公開講座を開いたりですとかの取組も現に展開しているところでございます。
 基本的には、今後とも、学校、家庭、さらに地域等が一方向の関係ではなく、お互いに支え合う関係であるというところはしっかりと押さえて、また学校側に過度な負担がかかることのないよう留意しながら、今後、学校運営協議会の設置など、新たな展開も見据えながら、より実効性のある関係構築を図っていきたいと考えております。
 次に、図書カードの配付についてでございます。
 子どもたちの読書活動の活性化に向けて、区立小・中学校の児童・生徒全員に図書カードを毎年度配付してはいかがかという御提案でございます。
 図書カードの配付については、コロナ禍の中の令和2年度に実施いたしました。子どもたちの学校の臨時休業に伴って、自宅で家庭学習を行い、保護者の経済的負担も大きかった当時の状況下では、一定の効果、成果のあった取組であったと私どもも認識をしております。
 ただ、これを、今の状況の中で毎年度継続的に実施すべきかどうかとなりますと、ここはちょっと慎重に判断する必要があるかと思います。その経費を学校図書館の資料の充実に充てたり、子どもと保護者との本を挟んでのコミュニケーションということであれば、区立図書館との連携などによって機運醸成を図るなど、他の方法による子どもたちの読書活動の活性化も考えられるところかと思います。
 ちなみに、目黒の子どもたちの読書状況についてちょっと申し上げますと、まず不読率、本を読みませんという子どもは、最新の数字ですと、小学校第6学年を例にしますと16%で、全国平均より9ポイント近く低い数字です。それから、1日30分以上読書しますという子どもは52%で、これも全国平均より15ポイント近く高いという状況です。
 今後も、学校と区立図書館とが連携して、読書から得られる充足感というものを子どもたちに、さらに保護者にも伝えていきたい、そのように考えております。
 以上です。

○36番(関けんいち議員)  ありがとうございました。
 では、もう一回、最後に、人間性を育む教育の必要性についてだけ、ちょっと質問させていただきます。
 今、非常に、家庭教育、地域、家庭、また学校、そこを3者そろってお互いに支え、支えられたり、そうしたところの関係構築をしてやられている。また、読書に関しても、目黒区の取組は非常に進んでいる取組だということを、今、認識をしました。
 その上でなんですけれども、最近の事件報道に触れるにつれて、何でこんな事件がちまたにあふれているのかと非常に懸念はしています。いま一度人間性を育む教育という原点に立ち返らないと、精神性の欠如や、もろくなってしまった原因がつかめず、立て直しできなくなるのではと危惧しています。
 最初に取り上げた家庭教育へのアプローチ、また読書を習慣づけるための試みなど、考えてほしいということで提案させていただいたんですけれども、そういったところを一層より強固にやっていただきたいなという思いがあります。学校で取り組む、いじめ問題を考える、そういった問題の提起と同格に、人間性を育む教育をテーマに取り上げて、特別授業の位置づけで検討する必要があると考えますけれども、最後に、その点だけ所見を伺います。

○関根義孝教育長  まさに、私ども、先ほど目指す子ども像についても触れましたけれども、豊かな人間性の育成をテーマに、各教科を横断する形で、また学校行事で、さらに学校以外の場所における体験学習によって、言わば教育活動全体を通じて子どもたちと向き合っているわけです。
 そして、思うに、今の世情というものは、私たち一人一人の考え方や行動の集積であるわけですけれども、そこで顕在化する様々な弊害の解決策を時に学校教育に託されるということは、私ども教育関係者にとっては誇りでもあり、非常に難しい課題でもありますけれども、今後も教育活動が子どもたちの人間性を育むことにつながっているかどうか、そのことを常に反すうしながら、子どもたちの発達段階に合わせたカリキュラムの工夫・検討というものはしっかりと進めてまいりたいと思います。
 以上です。