開催日:令和 6年 6月18日
会議名:令和 6年第2回定例会(第2日 6月18日)

○35番(武藤まさひろ議員)  公明党目黒区議団の一員として一般質問を行います。
青木区長は、4月21日の区長選に出馬とのことで、私は予算特別委員会において、多選との声があると質疑をいたしました。また、他の委員からも青木区長のリーダーシップや区政運営について問う質疑がありました。
そうした中、目黒区長選挙において、青木区長は5名の候補者の中を勝ち抜き、6回目の当選をされました。投票率は36.21%と、平成以降の区長選では最高の投票率でした。
選挙後に、区民から、区長の公約は本当に果たされるのか、どうなのかとの意見を複数の方からいただきましたので、区長の公約について伺います。
まず、(1)として、区長の選挙公報に、あなたの1票で1億円削減、3年で辞職、不出馬、次回から区議・区長同日選挙で投票率アップ、身を切る改革で、退職金を全額カットとあります。具体的な辞職へのプロセスを伺います。
次に、(2)として、電動自転車のバッテリー交換費用の補助制度の創設とありますが、具体的な内容を伺います。
次に、(3)として、区民の皆さんのスキルを地域で生かす「めぐろの達人バンク」の創設とあるが、どのように取り組むのか伺います。
次に、(4)として、ドローンを活用した迅速な災害対応とある。最近の新聞報道でも、災害時のドローン活用拡大の方針となっています。区としての運用について伺います。
次に、(5)として、区内全域の路上喫煙、歩行喫煙の禁止とあります。現状の区内での喫煙の決まりでは、たばこのポイ捨てや歩きたばこは区内全域で禁止、路上喫煙禁止区域、中目黒駅、学芸大学駅、都立大学駅、自由が丘駅周辺では公衆喫煙所以外での路上での喫煙は禁止となっております。これまでも看板や路面表示など様々取り組んできていますが、相変わらず路上喫煙は減っていません。どういった施策を新たに取り組むのか伺います。
次に、2として、ダウン症のお子さんの保護者からの声について伺います。
現在、日本でのダウン症者数は約8万人。推定平均寿命は60歳前後と言われており、また、ダウン症の発症率は700人に1人と推定されています。ダウン症の子を授かった御家庭では、何をどうしたらいいのか分からない、こうした不安があると伺いました。
札幌の保護者有志の会「こや議会」は、札幌市と協力して「ダウン症ベビーとの歩みかた」という冊子を制作しています。その中で、ダウン症候群は、受精卵ができるときに何らかの異常が生じ、23対ある染色体のうち、21番目の染色体が一本過剰になって起こります。染色体の異常はほとんどが突然変異によるもので、その原因は分かっていません。私たちは、両親から染色体を23本ずつもらいます。それが2本ずつ1組になって、1つの細胞には23組、46本の染色体があります。しかし、ダウン症では染色体が47本になります。
また、この冊子では、ダウン症のあるお子さんを初めて迎えた御家庭は、ダウン症児の子育てに関する情報や知識を十分に持っていないため、不安や戸惑いを感じている。その不安を軽減するためにはダウン症に関する子育てや利用できる福祉サービス、助成制度等の情報が必要だとしています。そして、健康面や発達面、療育手帳や身体障害者手帳の申請方法、様々な助成制度の紹介、経済的支援制度の紹介、各種相談事業の紹介、家族会など団体の紹介などが詳細に記されております。
こうしたダウン症に特化したサポートブックなどが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
以上、壇上からの質疑を終わります。(拍手)
〔青木英二区長登壇〕

○青木英二区長  武藤議員の2点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
まず第1点目、区長選における選挙公約についての第1問、3年で辞職、不出馬と、身を切る改革で退職金も全額カットとあるが、辞職へのプロセスを伺うについてでございますが、過日行われました区長選挙におきまして、多くの区民の方々からの信任をいただき、引き続き区政運営の重責を担わせていただくこととなりました。
この任期中におきましては、これまで以上にスピード感と変革の意識を持って、さらにアップグレードした目黒づくりにベストを尽くしてまいります。
さて、このたびの選挙におきまして、任期途中の3年目で辞職をし、目黒区長選挙と目黒区議会議員選挙の同日選挙を実現すること、また退職金の全額カットを私の公約として掲げております。
ただいま議員から御質問のございました辞職へのプロセスにつきましては、まずは現在1年ずれている目黒区長選挙と目黒区議会議員選挙の同日選挙を実現するために、令和9年の統一地方選挙の実施に当たり、前年の秋頃に制定される公職選挙法の特例法に基づき決まる期間において、議長に対して辞職を申し出る必要がございます。
そのため、改めてしかるべき時期に私の考えと辞職時期等を明確にし、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
また、退職金の全額カットに関しましては、条例でその旨を定める必要がございますことから、特例条例を制定をし、対応してまいりたいと考えてございます。本年の第3回定例会以降のできるだけ早い時期に議案を提出をし、御審議、御議決をお願いしたいと考えており、現在準備を進めているところでございます。
次に、第2問、電動自転車のバッテリー交換費用の補助制度の具体的な内容についてでございますが、さきの2月にベビーファースト宣言を表明した目黒区としては、幼いお子さんと一緒に送迎や買物をするためのツールとして自転車は必要不可欠と考えております。特に坂の多い本区においては、電動アシスト自転車は、子育てされている御家庭に大変重宝されております。
今回の補助制度の創設において、自転車そのものの助成でなく、バッテリー交換費用に着目した理由は2つございます。1つ目は、バッテリーと自転車の寿命の違い、2つ目は、環境負荷の低減です。
電動アシスト自転車のバッテリーの寿命は、製品や使用頻度によりますが、一般的に3年~4年程度と言われています。自転車本体の寿命はそれよりも大分長く、物によっては10年に及ぶこともあるようです。
これらを踏まえた施策の目的でございますが、バッテリーを交換することで本体を使い続けることができ、自転車ごと買い換えることに比べて、子育て世帯の金銭的な負担を軽減することができます。加えて、自転車本体を買わない、製造しないことにより、環境負荷の軽減を図ることも可能であると考えられることから、持続可能な社会づくりに貢献するものと認識しております。
具体的な補助スキームについては現在検討中ですが、子育て家庭に対する支援と環境負荷の低減の視点で精査しているところでございます。詳細が固まった段階で議会に御報告をし、早期に実現してまいりたいと考えております。
次に、第3問、区民の皆様のスキルを地域で生かす「めぐろの達人バンク」の創設の取組についての区の見解でございます。
現在、複数の自治体で、知識や技能等のスキルを持つ住民と、それを必要とする人を結びつける人材バンクのような取組が行われております。具体的には、文化・芸術・教養・スポーツ等の各分野において、専門的知識または技術・技能を持つ方を指導者として登録し、自治体がその情報を市民に提供することで、生涯学習活動を支援しております。
「めぐろの達人バンク」においても、区民一人一人が持っている個々の知識や技能を生かし、文化芸術活動やコミュニティ活動等、地域全体の発展に寄与することを目指していきます。
先行自治体の事業形態としては、利用希望者が事前に登録者名簿をウェブサイトで確認後、利用したい旨を自治体担当者に連絡します。その後、自治体担当者が登録者に意思確認をし、両者をマッチングしていくという流れが一般的です。
この方法は、自治体が仲介することで、利用者、登録者ともに安心感がある反面、利用者は一度、役所に連絡を取る必要があり、利便性という面では課題もございます。具体的な運用方法については現在検討中でございますが、運用の際にこうした課題を解決しながら、関係部局が連携をし、横断的に進めていくように指示しております。
いずれにしても、このような新たな試みを通じて、個人が持つ知識や経験をシェアリングし、地域の活性化に向け、注力してまいりたいと考えております。
次に、第4問、ドローンを活用した迅速な災害対応に係る運用についてでございますが、能登半島地震への災害対応につきましては、半島という地形的な特徴から、被害状況等の情報把握や救援・物資搬入が困難な状況であったことから、ドローンを活用した災害対策が実施されました。
具体的な活用例といたしまして、山間部や沿岸部等の立入り困難地域における被災状況の把握、道路等交通網の寸断により孤立した地域への薬等の救援物資の運搬、罹災証明書の円滑な発行のための住家被害認定調査など、様々な場面においてドローンが活用されたところでございます。
このような能登半島地震でのドローンを活用した災害対策の実績を踏まえまして、現在、災害時のドローン活用について、技術と知見を持つ民間事業者と災害時における連携協定の早期締結に向けて協議を進めております。
御質問いただきました災害時のドローンの運用についてでございますが、災害時において、被災者やその地域への迅速かつ十分な支援を行うためには、被害状況の正確な把握が重要であることから、まずは災害時の情報収集に活用してまいりたいと考えております。
また、災害時のドローン活用については、情報収集のほかにも様々な場面で活用できる可能性がございます。都市型災害という特徴も踏まえまして、ドローンのその他活用につきましては、事業者との意見交換や防災訓練の実施を通して検討してまいります。
次に、第5問、区内全域の路上喫煙、歩行喫煙の禁止に向けた新たな取組についてでございますが、区では目黒区ポイ捨てなどのないまちをみんなでつくる条例に基づき、区内の4駅周辺を路上喫煙禁止区域に指定し、めぐろたばこルールで区内全域を歩行喫煙禁止としているところでございます。
路上喫煙禁止区域を指定するに当たっては、区域内に公衆喫煙所等を整備することとしており、現在9か所に屋内型喫煙所を整備しております。また、区民や地域商店街等と協働した意識啓発キャンペーンや注意喚起の掲示、区公式ウェブサイトや町なかパトロールによる指導・啓発等を行ってまいりました。
その結果、平成29年度には25万3,149本であった吸い殻が、令和5年度に17万121本にまで、約33%減少していることから、これまでの区の取組に一定の成果が上がっているものと考えております。
一方、今後は、たばこを吸う人と吸わない人が共存できる環境づくりに向けた新たな取組も必要であると考えております。
これまでは路上喫煙禁止区域で進めてきた喫煙所の整備を区内全域に広げるとともに、コンビニエンスストア等が既に顧客用に設置している喫煙所を広く区民等が利用できるように働きかける等、喫煙所の拡充を加速してまいります。また、スマートフォン等のマップ上で喫煙可能な店舗等を案内するウェブサイト等の活用や、区民、事業者からの意見等に耳を傾けながら、区内の適切な場所での喫煙を促す取組を進めてまいりたいと存じます。
次に、第2点目、ダウン症のお子さんの保護者からの声について、ダウン症に特化したサポートブックなどが必要についてでございますが、ダウン症は発達の遅れのほか、心臓や消化器系の疾患等、様々な合併症を伴う場合がございます。一人一人の状況が発達の程度や合併症の有無により異なることから、医療・療育・福祉サービスの利用もそれに伴い大きく変わってまいります。
区では、出産後の母子をサポートするため、保健師による地区活動や新生児訪問、児童発達支援センターすくすくのびのび園での療育をはじめ、様々な相談支援を行っております。
その際、ダウン症のお子さんの状況や生活上の支援の必要性を把握しながら、御家族の支援も含め、福祉や保健等の関係機関と連携して対応するなど、適切な支援やサービスにつながるよう努めているところでございます。
例えば医療費の負担軽減を図るための様々な助成制度をはじめ、愛の手帳や身体障害者手帳、福祉手当、通所サービスである児童発達支援等がございます。区では、障害者福祉のしおりを発行し、各種サービスや手続の窓口を御案内しているところですが、障害の程度や所得等の要件により対象が異なることから、個別の状況を十分に把握する必要がございます。
こうしたことから、ダウン症に特化した冊子の活用は考えておりませんが、相談窓口である保健センター、児童発達支援センター、障害者支援課等の十分な周知を行うとともに、これらの関係機関が緊密に連携して、職員の制度理解の共有や研さんに努め、丁寧な相談支援に一層取り組んでまいります。
以上、お答えとさせていただきます。

○35番(武藤まさひろ議員)  それでは、再質問をさせていただきます。
まず、1点目の区長の辞職のプロセスを伺いました。
議会のほうでも3年ということをおっしゃっておりますし、また区報にも載せられていましたので、その辺の実際に3年で辞職ということは変わらないと思うんですが、やはり辞職をされないと、区長選は当然できないわけですから、その辺の進み具合というので、ちょっと確認をさせていただいており、前年の秋頃に議長に対して辞職を申し出て、実際に辞職されるのがいつになるかはちょっとまた、これは多分、年明けになるかと思いますけれども、多分、区長選は、辞めるといつぐらいにやらなきゃならないみたいなことがまたあるかと思いますので、それはまた詳細をいただければと思います。
それで質問なんですけれども、退職金の全額カットの中で、本年の第3回定例会以降に、できるだけ早い時期に特例条例を議会に提出し制定となるんですけれども、この具体的な内容がもし分かれば教えていただきたいと思います。
次に、自転車のバッテリーの補助ということなんですけれども、これは今まであまりないんじゃないかなと思うんですけれども、今までヘルメットの助成を目黒区でもされておりましたし、確かに本当に自転車は便利でございますし、電動自転車というのは非常に、一度乗ったら多分やめられなくなっちゃうんじゃないかなと思います。そうした面では本当に利用者が多い。
私も使っておりますが、3年でなくなるということは僕はないんですけれども、やはり四、五年で、やはり高い物ですから、こうした中でもバッテリーのあれをしていただくというのはいいことだと思うんですが、やはりヘルメットの今、東京都の着用率が平均で約10.5%と決して高いものではありません。
こうした中で、やはりある程度、何人ぐらい対象にされるのか何とも分かりませんけれども、子育て世帯のほうになるかもしれませんが、そういった中で、やはりこのバッテリーの助成を受けるならば、やっぱりヘルメットもしっかりしていただきたいと思いますので、その辺の取組について、もう一度確認をさせていただきます。
次に、喫煙の、たばこのほうなんですけれども、やはり新たに区長としてこの公約として掲げていらっしゃったので、今まで確かに結果として本数が減っているというのはあるんですけれども、ただ、実際に、駅に行く途中で路上で喫煙をされていて、駅に行く道をわざわざ遠回りをして行かなければ、要するに自分がたばこの煙を吸ってしまうということが嫌で遠回りをしている方もいらっしゃいます。
そんなに数は物すごい多いわけではないんですけれども、実際に区のほうに相談させていただき、看板の設置や、また、ここは喫煙所ではございませんといって、ポールをわざわざ立てて、本当に目立つようにしたんですけれども、またそこにわざとらしく10本程度、たばこがその近くに盛られているという光景を見て、非常に情けなくなったというのが現実的にあります。
今までの取組で進めさせていただくのもあるんですけれども、新たに条例の改正みたいな、そういったものをたばこの部分として何か取り組むことがないのか、お伺いさせていただきます。
最後に、ダウン症のお子さんの件についてなんですけれども、区としていろいろ様々、個別に対応していただいているところは現実です。ただ、目黒区のウェブサイトで検索という中で、ダウン症と検索をすると、そこに一番最初に出てくるのはパラリンピックの選手のことです。次に目黒区の発達支援事業者のリストブック。ここを開いてもダウン症の「ダ」の字は出てきません。その後に出てくるのが金澤翔子さん、これはお母さんの手記ですね。その後に、共生社会の実現を目指して。その下にすくすくのびのび園と出てくるんです。しかし、すくすくのびのび園を引いてもダウン症とは出てこないんですね。
ですので、目黒区のウェブサイトでダウン症と引いても、実際にやっているんですけれども、どこに相談をしていいのか、そういった明確な部分が出てこない。そうすると、やはりダウン症の子を授かっている御家庭にとっては、目黒区はダウン症に対して冷たいんじゃないかなと、そういった印象を持たれるのではと思っておりますので、その辺について伺わせていただきます。
以上です。

○青木英二区長  それでは、1点目の退職金についてですけれども、規定では退職金は払うという前提で立てつけができている条例ですので、それを退職金を支払わないという内容にするということになります。それで特例条例をつくると。
過去において、私もリーマン・ショックの後に退職金の減額をしてございます。そのときも特例条例ということでしたので、今後どういう形で、どういう文言で、どういう規定を設けていくか、研究して、できるだけ早く議会にお示しをしたいと思いますが、いずれにしても、払わないという内容のものを盛り込むというふうに御理解をいただければというふうに思います。
それから、2つ目がバッテリーとヘルメットの関係ですが、全くおっしゃるとおりで、どちらも大切です。特にヘルメットの場合は、致命傷の大体60%が頭を打ちます。それで、ヘルメットをかぶっているとかぶっていないで、大体2.5倍、ヘルメットをかぶっていないほうが亡くなるケースが高いということなので、非常に重要な課題です。
残念ながら、努力義務とされたときには利用者も多かったのですが、ちょっと息切れの状態になっています。私ども、5年度と今年度を合わせると、7,000~8,000ぐらいの計上はしています。23区でトップクラスですので、これ、バッテリーだけやって、ヘルメットはどうでもいいなんていうことは絶対あってはいけませんので、その辺のバランスを考えながら、自転車として非常に便利なものであると同時に、あるとき非常に大きなダメージを自分にも他者に与える乗り物でもありますので、そういったバランスをしっかり考えていきたいというふうに思っているところでございます。
それから、たばこについては、やはり区民の声に寄せられるのは、やっぱりたばこを何とかしてほしいというのが一番多い状況でもあります。
先ほども申し上げたように、例えばコンビニエンスストアの設置しているものですとか、スマホなどを活用して、こういった取組はしっかりとこれから進めていきたいと思っておりますし、網の目をかけるためには、地域の皆さんのお声を聞くということがポイ捨て防止条例の中に入っていますので、また実際に進んでいくときに、地域の皆さんの声などを聞きながら、より具現化、具体化できる取組にしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
それから、最後に、ダウン症の方、ウェブサイトを広げると一般的に医療費の各種助成ですとか、愛の手帳、それから身体障害者の方々の手帳の交付というものは載っています。ただ、ダウン症については非常に個々、簡単に言うと、障害の度合いもまず違います。それから合併症がある方とない方で相当違うというふうに言われておりますので、全てとは言いませんが、相当、個別の対応が求められています。
ただ、広く区民の皆さんにウェブサイトを見てもらうためには、少しその辺の工夫が必要で、障害をお持ちのお子さんたちの窓口が分かりやすくウェブ上に対応ができるように、その辺は少し工夫をして、目黒区はダウン症に冷たいなんてことを言われないような取組をしっかり行っていきたいというふうに思っているところでございます。
私からは以上でございます。