開催日:平成30年 2月20日
会議名:平成30年第1回定例会(第1日 2月20日)
○20番(武藤まさひろ議員) 私は、公明党目黒区議団を代表し、質問をいたします。
昨年7月には都議会議員選挙、また10月には、突然の解散を受けた衆議院選挙が行われました。
その後、公明党山口代表は、「さきの衆院選において自公の連立政権による安定した政治基盤のもとでの確かな実行力・実現力を評価していただいたと確信しています。引き続きの政権運営に当たり、謙虚に、決しておごることなく、日々、真摯に国民との対話に努めながら、さらに政策を磨き、待ったなしである内外の諸問題の解決に全力を挙げる決意です」と言っております。
また、ことしに入り、「人が輝き活躍できる社会。それは高齢者も若者も障害や難病を持つ方も全ての一人一人の持つ可能性や能力を最大限に発揮できる社会でなければなりません。安倍内閣発足から5年、公明党は連立与党にあって、これからも生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義の理念を、あらゆる政策の立案・遂行の根幹に据えて政治を前に進めます」と述べております。私たちも、この理念を大切にし、活動しております。
昨年を振り返ってみますと、12月に厚生労働省が発表した有効求人倍率は1.55倍と、1974年1月以来43年ぶりの高水準となり、実質賃金も5年ぶりに増加となっています。また、11月には日経平均株価が終値2万2,937万円まで上昇し、バブル崩壊後の最高値を更新しております。
その一方で、人口減少に歯どめがきかず、出生数も年間初の100万人割れをし、日本の人口は2053年に1億人を下回るとの予測もあります。
本年の経済動向は、景気は回復基調が持続とされ、企業部門で生産が増加、家計部門も個人消費は持ち直し、緩やかに回復と予想されています。雇用情勢も改善されていますが、平均賃金の押し上げにつながるのか、景気はいつまで好調なのか、いつまたリーマンショックのようなことが起こるのではないかと、どうしても不安的要素が多くの方の中にあると思います。
区の財政計画にしても、区税収入は横ばいなのに歳出の一般事務事業費は上昇していくとなっています。差を区外収入でどう補っていくのか、課題は大きいと思います。
こうした状況の中、まずは所信表明から2点、質問をいたします。
昨年10月に発覚した区職員による生活保護受給者の預金等着服事件は、決してあってはならないことです。着服金額は400万円を超えており、保護受給者としては一番信頼している職員による行為は許しがたい裏切りです。
区は、区長、副区長、関連職員の減給を実施、また生活福祉課として再発防止策が出されています。しかし、区の職員による不祥事はこれだけではなく起きています。ここ数年、日本の企業による不正報告などがあり、こうした影響は決して小さくありません。
区の一部の職員の行為が目黒区不信の区民感情にならないよう、職員に対して抜本的な意識改革について区長の考えを伺います。
次に、所信表明にある新たなる待機児童対策の取り組みについてですが、平成29年4月の待機児童数は617人と、新定義になり大幅にふえています。区は平成32年4月に待機児童解消に向けて取り組んでいくとしていますが、達成できるのか心配です。
29年4月に4,964名の定員を32年4月に7,593名まで2,629名を3年間でふやす計画ですが、保育所の建設地や保育士が確保できるのか。また、就学前人口は今後もふえていき、要保育率の上昇も想定すると、本当に達成できる取り組みなのか伺います。
次に、行革計画から2点ですが、まず、なぜ行革計画に取り組むのかとの問いに、限りある行政資源は何もしなければ底をつき、新たな課題に対応できないとし、それに増加し続ける扶助費に施設更新経費の財源を確保していくには、これまでの延長線では解決できないとあります。
そこで伺いますが、方針1に業務フローの改善や業務の簡素化、標準化による無駄の削減とありますが、何をどう改善し、成果を上げていくのか伺います。
次に、職員の人材育成の推進についてですが、区の現状は、区政運営の中心的な役割を担う30代後半から40代前半にかけての職員数が少ないこと、管理職の受験率の低下などが挙げられます。職員の意欲・能力・態度を高め、次世代の中堅層、経営層を担う職員の育成を進めるとなっています。
一つの例として、健康めぐろ21実践ガイドの作成手法があります。職員の創意工夫によって経費縮減になり、また職員の意欲向上にもつながっており、職員の特質を生かしながら課題の共有がいい職場環境を生み出したと聞いております。
全所管にこうした意識を共有し、新たな職員の評価制度などを取り入れることで人材育成の貢献ができると思いますがいかがでしょうか。
次に、区有施設の見直し計画です。
区有施設見直し計画では、今ある区有施設を全てこれまでどおり維持、管理していくことは到底不可能であり、今後の施設更新経費に運営コストの削減など、まだ何一つ解決しておりません。
それに、計画では、将来的な人口の変化や生活スタイルの多様化による施設に対する区民ニーズの変化に、的確に対応していくとあります。私たちが暮らす地域が近い将来どう変わっていくのか、現状の人口分布、施設配置データをもとに、2015年から2040年に想定される居住地域の環境を可視化し、簡易なシミュレーションを通し、将来そのとおりの都市の構造になった場合に、市民が暮らす環境がどのように変わるのか示すソフトがあります。
目黒区においても、今まで10分以内で行けたコンビニエンスストアが20分から30分かかる地域や、医療機関・介護施設も遠くなるとの予想が、かなり細かい単位、町名、番地別で記されています。今よりも不便になると思われる目黒区内をどう区民ニーズへの対応をしていくのか。商業施設や介護施設の今後のあり方を踏まえた区有施設の考え方を伺います。
次に、コミュニティ施策について、2点伺います。
コミュニティ施策は、目黒区としても行政運営を図る上で大事な施策であり、地域住民全員が参加することを目指すのは言うまでもありません。地域コミュニティ検討会でも、より多くの方が参加してもらえる魅力ある町会・自治会となるためには、町会に入ることのメリットなどを地域住民に理解してもらえることが重要との意見も出ております。
それには町会・自治会の意識改革も必要となると思いますが、どう取り組んでいくのか伺います。
次に、町会・自治会は会費収入という自主財源が基本となっており、加入率の低下は活動の継続に不安な団体もあります。
今回区は、町会・自治会への加入促進は、転入時の町会の案内とマンション建設業者や管理業者に対して担当者の配置を求めるとなっています。どの程度の加入を想定しているのか伺います。
次に、入学支度金の支給についてです。
平成29年3月10日の衆議院文科委員会において、公明党、富田茂之衆議院議員が、小学校入学前の入学支度金の支給について、自治体独自の判断で実施する場合、国庫補助の対象となっていないことを指摘し、政府に国が要綱を変えれば支給できることを主張いたしました。
新入学時に必要なランドセルなど学用品の費用は支給されるものの、補助金交付要綱では、児童または生徒の保護者となっていたため、入学後の支給となっていました。
文部科学省は昨年3月31日に補助金交付要綱の改正を行い、就学予定者の保護者を追加したことにより、小学校への入学年度開始前に支給できるようになりました。
今回の入学支度金の入学前支給については、要保護者に対する国の補助金交付要綱の改正に伴い、各自治体における就学援助費受給世帯、いわゆる準要保護に対する支援の拡大について機運が高まってきたことが背景にあると思いますがいかがでしょうか。
次に、目黒区商店街プレミアム商品券について伺います。
平成27年7月に前回実施されたプレミアム商品券は、完売し、地域活性化に貢献いたしました。その後のアンケートでも、「ふだん利用しない店舗でも買い物をしている・食事をした」となっており、今後も継続してほしいとの声も多くあります。
現状、やや上向きな景気を消費に還元する施策として、新たにプレミアム商品券を実施することが区内消費の拡大につながると思いますがいかがでしょうか。
最後に、ドライブレコーダーの設置について伺います。
昨今の交通事情は、あおり運転や方向指示器を出さない右折や左折など、運転マナーの悪いドライバーがいます。また、自転車の運転でも音楽を聞きながらとか、信号無視などが多く見られます。このような状況を鑑み、庁用車、清掃関連車両や消防団に配備されている小型ポンプ積載車へのドライブレコーダーの設置が必要と思うがいかがでしょうか。
以上、壇上からの質問といたします。(拍手)
〔青木英二区長登壇〕
○青木英二区長 武藤議員の7点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。
なお、5点目につきましては、教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えいたします。
まず第1点目、所信表明についての第1問、不祥事の再発防止に向けた職員に対する抜本的な意識改革についてでございますが、昨年11月に発覚いたしました区職員による生活保護受給者の預貯金等の着服事案につきましては、12月に当該職員及び関係職員の処分等を行うとともに、再発防止委員会を立ち上げ、再発防止策を取りまとめたところでございます。
また、現在では関係所管を中心として、再発防止策にのっとり組織の管理体制の確立や職員の倫理意識、資質等の向上に向けた取り組みに着手しているところでございます。
本区におきましては、これまでも職員倫理制度、公益通報者保護制度、要望記録制度という区政の透明性のための3制度を運用するとともに、高い倫理観や責任感を備え、みずから考え行動する職員の育成に取り組むなど、公務員としての倫理意識の向上に努めてきたところでございます。
しかし、このたびの事件やその他の職員が行った非違行為について改めて考えますと、これまで行ってまいりました研修や服務規律遵守の考えに加え、さらなる職員の意識改革が必要であると認識しております。
今後、職員に対しましては、区民から信頼される区政を実現するために、一人一人が何をなすべきであるかをみずから考えること、すなわち組織の一員としての使命感を植えつけることが何よりも肝要であると考えております。
また、職員がこうした意識を継続して持ち続けられるよう、不祥事は絶対に起こさない、起こさせないという緊張感のある組織づくりにも取り組んでまいりたいと考えております。
次に第2問、平成32年4月に待機児童ゼロを目指す計画の実現性と課題についてでございますが、新たな取り組み方針に定める保育所整備の実現には、さまざまな課題や変動要素もあり難しい面もありますが、区政の最重要課題として待機児童ゼロを達成しなければなりません。
御指摘の保育需要数については、就学前人口が年々増加しており、かつ入所申し込み数も、ゼロ歳時から2歳児までを中心に急増しております。昨年4月の要保育率は、全体で42%ですが、1歳児や2歳児に限っては既に50%近くにまで達しています。区内のマンション建設の動きや女性の就業率が年々高まっている状況を考えますと、保育需要がさらにふえることも考えられます。
本区では、過去に例のないスピードで保育所整備に取り組んでおり、この2年間で1,000人を超える保育施設定員を拡大いたしました。保育所整備費に対する補助率の固定化や債務負担制度の活用、通年での常時公募の実施など、保育事業者への独自の働きかけを進め、平成30年度にはこの2年分の整備量に匹敵する規模の保育所開設を目指します。
また、保育士確保も大きな課題でございます。他に先駆けて、保育従事者の宿舎借り上げの上乗せ補助を行うとともに、職員の処遇改善や資格取得支援など、さまざまな支援を行うことで保育士確保に一定の成果を上げてまいりました。
引き続き、国や東京都の補助制度も活用しながら、保育士確保支援に取り組んでまいります。
保育所を整備していく上では、保育所ごとに異なる問題も生じてまいります。待機児ゼロ実現に向けたスピード感を持ちながらも、一つ一つの案件に丁寧かつ粘り強く取り組み、着実な保育所開設につなげてまいります。
引き続き、私が先頭に立って、全庁一丸となった取り組みを全力で進めてまいります。
次に第2点目、目黒区行革計画についての第1問、業務フローの改善や簡素化、標準化による改善の成果についてでございますが、行財政改革の目的である区民福祉の向上を図っていくためには、職員一人一人が高い倫理観と改善意識を持って事務事業の見直しに取り組むとともに組織全体で効果的、効率的な執行体制の改善に取り組むことで、限りある行財政資源を再配分していくことが肝要でございます。
お尋ねの業務フローの改善、業務の簡素化、標準化でございますが、仕事のプロセスを変えていくことで負担を軽減し、あわせて仕事を進めていく組織を見直していくことで人、物、金と呼ばれている行政財産の確保を図っていくものでございます。
現在策定中の新行革計画では、例えば具体的な項目として、包括的管理委託の導入を検討することとしてございます。これは、現在、各所管課が個別に契約を結んでいる施設委託業務を一括して発注することで仕事の負担を軽減するとともに、委託コストの削減にもつながるものでございます。
また、税務事務や国民健康保険事務の見直しに関しましては、マイナンバー制度の活用を踏まえた事務の進め方を見直すことで、証明発行に係る事務の軽減や区民サービスの向上、事務の一部委託を進めることにより事務負担の軽減等につなげていくものでございます。
こうした見直しを継続して行うことで得られた区の貴重なマンパワーを新たな行政課題に振り向けていくことで、安定した行財政運営につなげていく継続した行財政改革の取り組みが今後も重要と認識しているところでございます。
地方分権改革の推進や待機児童対策を初めとする喫緊の重要課題への対応など、今後も基礎自治体としての仕事が増加傾向にある中で、引き続き、行革計画に掲げる取り組み項目を着実に推進していくことで、安定的な区民サービスの提供に努めてまいりたいと存じます。
次に第2問、創意工夫の意識を共有し、新たな評価制度などによる人材育成についてでございますが、平成26年3月に改定した目黒区人材育成・活用基本方針における育成目標とする職員像には、与えられた職責を自覚し、創意工夫しながら最後までやり遂げる強い責任感、行動力のある職員を掲げております。
今後も厳しい財政運営が見込まれる中で、ますます多様化、複雑化する区政の課題を解決するためには、職員一人一人が日々の仕事の中でみずから気づき、みずから改善に取り組む意欲を持つことが何よりも重要であると考えております。
現在では、職員に改善意欲を付与する一つの手法として、みずから区政の課題を探り解決するための提案をまとめる課題解決実践研修などを実施してるところでございます。すぐれた提案につきましては、行財政改革推進本部において関係部局に対し、実現に向けて継続的な検討を指示するなど、職員の提案を順次具体化して、成果としてつなげる取り組みを行うとともに、研修の実施状況は庁内のグループウエアを通じて全職員に周知しております。また、職員が職務の遂行に当たって特に顕著な成績を上げた場合などは職員表彰を実施し、個人もしくは組織に対して功績をたたえることも行っております。
ただいま申し上げたような職務上の成果や職務にかかわる取り組み姿勢などに対しましては、現在行っている定期評価におきましても適正に反映させているところでございますが、よりよい評価制度のあり方について引き続き研究してまいります。
いずれにいたしましても、困難さを顧みず、新たな取り組みを意欲的に進めることができる職員を育成し、職員の能力が最大限に発揮できる基盤づくりは今後の区政運営に必要不可欠な重要な課題であるとの認識のもと、新たな行革計画においても着実に取り組んでまいります。
次に第3点目、区有施設見直し計画について、将来の都市構造を踏まえた今後の区有施設の考え方でございますが、平成26年3月に策定した区有施設見直し方針では、今後の人口減少社会を踏まえつつ、施設のサービス水準と維持管理コストの均衡を目指す観点から、施設総量の約15%の縮減を目標として見直しを図ることとしております。
一方、平成29年6月に策定した今後10年間の具体的な取り組みであります区有施設見直し計画においては、区内人口が当面減少傾向にないため、具体的な縮減目標は定めず、リーディングプロジェクトである区民センターに関する検討など、将来の施設の縮減を見据えた計画を策定したところでございます。
議員お尋ねの今後の目黒の都市構造、人口構造を踏まえて区有施設をどうしていくかでございますが、区有施設をどのように複合化、集約化していくのか、人口減少による地域の偏在性も加味しながら、どの地域にどのような施設を整備していくことが必要であるかということにつきましては、将来の目黒の街づくりのあり方を考える上で非常に重要な課題と認識してるところでございます。
そうした観点から、区有施設見直し計画は5年ごとに改定を行うとしており、その時点での人口推計、社会経済状況などを的確に分析し、時点修正を加えながら具体的取り組みを推進し、施設の更新、サービスの維持、機能の向上に努めてまいります。
いずれにいたしましても、将来的な人口減少社会を見据え、公共施設と民間施設との関連性も踏まえながら、区有施設のあり方について適時適切な対応を図ってまいりたいと存じます。
次に第4点目、コミュニティ施策についての第1問、選ばれる町会・自治会になるための活動の発展についてでございますが、昨年12月に策定いたしましたコミュニティ施策の今後の進め方の検討過程におきましては、2カ年にわたる地域の皆様との意見交換会において御意見を頂戴したほか、地域活動に関連する方々による地域コミュニティ検討会を立ち上げ、地域コミュニティの活性化についてさまざまな視点から御議論をいただいたところです。
計7回の会議における意見交換や議論を経ておまとめいただいた意見書の中では、地域のコミュニティのあるべき姿として、地域コミュニティの基礎的団体である町会・自治会の活動が活性化し、顔の見える緩やかな地域のつながりができていることが必要であるという御意見をいただきました。
また、今後求められる地域コミュニティのあり方といった各論部分におきましては、より魅力ある町会・自治会となるためには、活動内容をよく知ってもらい、その必要性を実感できる取り組みとともに、民主的な運営を心がける取り組みにも力を入れていく必要があるとの御意見をいただいております。
こうした御意見を踏まえまして、今般策定した方針の中では、改めて町会・自治会を地域コミュニティの基礎を担う団体と位置づけるとともに、区はその活性化に必要な支援を行っていくこととしております。
また、区の取り組み方針とあわせまして、町会・自治会に取り組んでいただいたことについて記述しておりまして、地域の若い世代や女性の意見等を積極的に取り入れ、新しい活動を行っていくことや、多様な活動団体との協力関係を広げる中で新たな担い手を募り、地域の人材確保と次世代の育成に努めていくこと、多くの地域住民から理解が得られるよう、より一層、運営の透明性を高めていくことなどを御提案させていただいております。
今後のコミュニティ施策の進め方に当たりましては、区として町会・自治会活動の活性化に向けて自主性、自立性を尊重しながら支援を強化していく必要があることはもちろんですが、地域の皆様の活動も防災、防犯、福祉等の身近な地域課題の解決に向けた取り組みを充実するなど、町会・自治会の必要性をより感じてもらえるような活動を展開していくことや、活動内容をよく知ってもらうために、地域への関心を誘う工夫や気軽に活動に参加できる環境を整えていくことが求められるものと考えております。
次に第2問、町会・自治会への加入促進策の実施によってどの程度の加入増を想定しているかについてでございますが、先ほど申し上げましたコミュニティ施策の今後の進め方に掲げる取り組み方針につきましては、先般、当面の具体的な取り組みの案を地域の皆様に御提示させていただいたところでございます。
取り組み案の中では、町会・自治会への支援策として6つの事業を掲げておりますが、町会・自治会への加入促進に係る支援策として、マンション事業者による地域連絡調整員の設置、不動産事業者への町会案内の協力依頼を掲げております。
いずれの事業も、他自治体での事例なども踏まえて取り組みを進めていこうとするものでございますが、現時点におきましては、具体的な制度設計を検討中であり、その効果につきましても具体的な見込みをお示しすることはできません。先行して取り組みを進めている他自治体での実例調査の中でも、事業実施後数年しか経ておらず、効果の検証には至っていないと聞いてございます。本区といたしましても、先行事例における課題なども調査しながら、より効果が期待できるような実施方法の検討を進めていきたいと考えております。
次に第6点目、本区におけるプレミアム商品券についてでございますが、国の経済対策として全国規模で実施されたプレミアム商品券事業として、国の補助により27年7月にプレミアム商品券事業を実施いたしました。発行総額につきましては、1万2,000円分の商品券を1セットとし、額面総額は6億円で、うち1億円はプレミアム分として発行したもので、発行総額が大きかったこと、また同様な取り組みが全国的に広がったことからかなり周知度も高く、本区で実施したアンケート調査でも、約3割の方が商品券をきっかけとして買い物をしたと回答していることから、一定の消費喚起効果につながったものと認識しており、国の検証においても同様の効果があったと報告されております。
今後、区内消費の拡大につなげるため新たにプレミアム商品券を実施する場合には、国の経済対策としてでなく、区が独自事業として行うこととなり、本区における過去に実施した状況を見ても、発行総額1億1,000万円で、うち1,000万円がプレミアム分と、全国規模での実施に比べ事業規模が小さくなることから、消費喚起効果も限定的になるものと考えております。
また、区が独自にプレミアム商品券事業を実施する場合には、プレミアム分のほかに事業費も全額区が負担することになります。現在、通年発行の商品券事業においては、毎年、運営補助を行っているほか、商品券のデザイン変更を行う際にも補助をしております。
さらに、商店街を多面的に支援するため、27年度から新たに区の独自事業として実施している商店街プロモーション事業についても、来年度充実を図っていく予定でおります。
今後も限られた財源の中で商店街の発展に向けてどのような支援を優先して取り組んでいくべきか、関係団体の意見も踏まえながら、効果的な施策の実施に努めてまいりたいと考えております。
次に第7点目、ドライブレコーダーの設置についてでございますが、庁用車へのドライブレコーダーの設置、稼働につきましては、不特定多数の個人画像を収集し、事故発生時の際は事故の相手や保険会社等に収集した個人情報の外部提供を行うことになるため、個人情報保護条例の定めにのっとり管理について慎重かつ適切な対応が求められるところでございます。
これら個人情報の取り扱いにつきましては、平成28年2月8日に開催されました情報公開・個人情報保護審議会において御審議をいただき、庁用車へのドライブレコーダー設置時には各課において個人情報の取り扱いに関する基準を設けて適切に運用していくことが確認されているものでございます。
お尋ねの清掃関連車両におきましては、他の公用車と比較いたしまして、年間を通じた使用の頻度が高く、運行の距離も長い状況にございます。このため、万が一交通事故が発生した場合の情報確認であったり、日常的な事故発生の防止に加え、安全運転に資する趣旨から、既に新たな車両を買いかえた場合にはドライブレコーダーを設置しておりまして、全26台の車両のうち半数が設置完了している状況でございます。
また、雇上車両につきましては、各事業者の判断での設置対応となりますが、おおむね全車両に設置を行ってきております。
その他の庁用車につきましても、順次導入を進めており、平成30年度予算案におきましても、所要経費の計上を行っているところでございます。
個人情報の管理を厳格に行いつつ導入による効果検証を行いながら、今後も導入を進めてまいりたいと考えております。
なお、消防団の小型ポンプ搭載車につきましては、現在7台配備されておりますが、今後目黒消防署において設置の検討を進めていただけるとのことでございます。
以上、お答えとさせていただきます。
〔尾﨑富雄教育長登壇〕
○尾﨑富雄教育長 武藤議員の第5点目、入学支度金の支給につきましては、教育委員会所管事項でございますので、私からお答え申し上げます。
まず、議員御質疑の文部科学省による要保護児童・生徒にかかわる援助費についての補助金等の交付要綱の改正につきましては、平成29年3月31日付で平成29年度要保護児童生徒援助費補助金についての通知を受けたところでございます。
この改正内容は、要保護世帯を対象として小学校入学前の支給についても補助の対象とすること、そして基準単価及び補助額の引き上げを内容とするものでございます。
この要保護に関する内容の取り組みにつきましては、本区においても従前から実施してまいりましたことは、議員御承知のことと存じます。その一方で、この要保護に関する補助要綱を参考として前払いの支給方法や支給額を独自に定めている自治体もございます。
準要保護世帯に対する入学支度金費の小学校入学前の支給や支給額の引き上げにつきましては、議員御指摘のとおり、この要綱改正がきっかけとなったものと認識をいたしております。
なお、特別区においては、平成29年4月前に準要保護世帯を対象として小学校入学支度金費の前払い支給を行った区はございませんが、その後、国の要綱改正を踏まえた取り組みが区の実情に応じて徐々に進んでいるところでございます。
教育委員会といたしましても、前払い支給の必要性を認め、平成30年度予算において入学支度金費の小学校及び中学校の入学前の支給に取り組むこととしたものでございます。
以上、お答えとさせていただきます。
○20番(武藤まさひろ議員) それでは、再質をさせていただきます。
1点目の、正直、区の職員の不祥事は、本当に生活保護受給者の方はいろんな相談を職員にもうされていらっしゃるわけですね。本当に多くの職員はいろんなことを丁寧にお答えしたり、職員の方もたくさん担当を持っていらっしゃる部分もありますけれども、すごく頼りにしている部分であります。その中でこうしたことが起こるというのは、非常にやはり悲しい、目黒区にどうしてこういうことが起きてしまったのかなというのは非常に考えさせられるところでございます。
そういった部分と、質問の2点目の人材育成、これはある意味で共通でございますので再質をさせていただきます。
職場のやはり環境とか前向きな職場に、要するに風通しのいい職場というふうな言い方をされることが多いですけれども、そういうふうになるにはどうしたらいいんだろうかと思います。
当然そちらにいらっしゃる理事者の方は、区の職員の一から始められて係長、課長というふうに、部長まで今なってらっしゃるかと思いますけれども、そういった職場はよく存じてらっしゃるかと思います。
ただ、やはり長くどうしても勤めてると、同じような環境等でなかなか解決ができないこともあったりとか、惰性になってしまってるような部分もあるんではないかと思います。やはり意識改革でも人材育成でも職員がみずから積極的に規律を守っていこう、事務を改善していこうという気持ちを持たせることが重要ではないかと思います。
長年仕事をしている中で、ストレスでよくないことも行使に走るかもしれないし、いつの間にかコスト意識が希薄になることもあるかと思います。単に研修や通知を出すだけでなく、風通しのよい職場をつくり、自分から進んで改善できる職場風土を区長のリーダーシップでつくっていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
次に2点目なんですけれども、行革計画の業務フローの改善について伺いました。
お答えといたしましては、民間を入れたりとか、さまざま要するに当然人、金、物という部分の財政をどういうふうに使っていくかということになります。ちょっと質問、今回させていただくのは非常に身近なことになります。
よく無駄ですとか、5Sという、職場の管理の基本づくりに、5Sというのは整理、整頓、清掃、清潔、しつけが5Sだと。これが職場全体の管理レベルを上げるための最も基礎的な活動となってございます。また、ほかにも6つの無駄、手持ち時間、つくり過ぎ、動線、運搬、在庫、加工と、こういったことを日々見直すことも業務改新につながっているかというふうに思います。
あるところでちょっと聞いた話なんですけれども、一つのフロアのところにコピー機が1台あったと。そのコピー機が一番端に置いてあったんですね。そうすると、そこにコピーをとりに行くのに約20秒かかってる、ここに行くと。コピーをとって帰ってくると、また20秒。これが多い人で日に10回とか20回とか重なることがある。これを真ん中に、そのコピー機を持っていけば、逆に言えば10秒でつながるわけです。要するに、何を言っているかというと、この20秒というのは無駄なわけですね。その無駄をやはり税金の中で皆さんに払ってる、職員が働く部分の意識としてそういった10秒、20秒をどういうふうに改善、要するに職場の中でしていくかということを考えていっていただきたいというふうに思います。
あと要するにコンピューターを入れたりとか、いろんな創意工夫もあるかと思いますが、まず基本的には自分の身の回りですね。これはやはりどうしても長くからいらっしゃる方は、なかなか気づかずに、どちらかというと新人の方の意見のほうがむしろ正論を射ていることもあるかと思います。
先ほどの風通しのいい職場ということもありますけれども、やはりこういった若い職員からの提案とかそういったものを自分たちの身の回りから入れることが業務革新につながるんではないかと思いますがいかがでしょうか。
次に、区有施設の見直しでございます。
区有施設に関しましては、これからの建てかえの金額ですとか、使っていく行政の管理のコストというのが非常にまだまだ改善していかなければならないんですけれども、今後やはり人口が減少し、社会状況、先ほど区長の答弁では街づくりというのがあったんですけれども、その中でやはり商業や介護施設、そういったものが地域の中でどう変わっていくかというのが非常に課題になります。
このソフトを見てみますと、かなり細かく出ておりまして、例えば区長が今住んでらっしゃる地域の20年後、30年後、こういったものも大体こうなるんじゃないかと想定がされます。
その中で、例えば近くにあるコンビニがなくなった場合どこまで行かなければならないのかとか、逆に介護施設とかそういったものが本当に遠くなってしまうことが非常に考えられます。
一つの、ですから提案とさせていただくのは、今すぐに非常にそれは難しいんですけれども、やはり単純に区有施設をこのまま15%削減という部分も考えられるんですけれども、ある意味で商業的なものとか介護的なものとか貸し出し、民間への貸し出しにおいて、貸すことによって、そういったコストだとかというものを削減できるような、そういったことも考えられるかと思います。そういった部分で、再度、お尋ねをさせていただきます。
次に、コミュニティ施策についてです。
2年間、区として検討委員会、さまざまな議論が出て、読ませていただきましたが、非常にいい内容だったというふうに思っております。
やはりこの中で、町会・自治会、非常に大変いろんな役割を担っておりますし、また役員の方も非常に人数が少なかったり、高齢化で非常に大変な役割を担っていることでございます。その中でどうやって地域のコミュニティ、防災とか防犯も含めてのまちづくりをすごく一生懸命考えていらっしゃることがあります。
その中で、私の住む柿の木坂で、ある取り組みがございました。近くに駒沢公園がありますので、一昨年にちっちゃい単位の町会なんですけれども、そこでジョギングの大会をするということで、わざわざユニフォームをつくってジョギングをしたと。それは1日だけ、本当は1時間ぐらいで終わってしまうジョギングなんですけれども、呼びかけて、結構な人数が来られたんですね。それが評判を呼びまして、昨年はお近くの2町会が参加して3町会でそういったジョギング大会をやられておりました。
その後、アンケートや反省会を聞くと、何がよかったかというと、ふだん顔が見えない人の顔が見えたと。近所にこういう方が住んでらっしゃるのかというのがジョギングに参加して初めて気づいたというふうにおっしゃっておりました。本当に小さなことで、ジョギングは非常に健康志向でたくさんの人たちが参加されていらっしゃることでございますので、そういった部分でも非常に参加しやすかった、こういったことがあったんですね。
そういったような他の町会・自治会が横の連携で情報を共有できるような場ですとか、そういったものがあると、やはりいろいろと考えていただけて、要するに町会に入るメリットをまだ入っていない、活動されていらっしゃらない方も非常にわかっていただけるんではないかと思いますが、そういった取り組んでることの横の情報、また交換の場のような設置はできないかお伺いさせていただきます。
最後に、入学支度金費についてなんですけれども、昨年4月の入学支度金費の各区を見てみますと、目黒区では小学校が2万3,890円、中学校では2万6,860円です。ただ、いろいろ見てみますと、やはり区によって値段が若干、目黒区よりも多い区が数区あったりしております。
平成30年度予算案では、準要保護に対する入学支度金は現行の単価を用いて積算が行われているようですが、今後、準要保護に関する支給額の拡大についてどのように考えているのか伺います。
以上です。
○青木英二区長 では、私から4点お答えを申し上げたいと思います。
まず1点目ですけれども、今回の不祥事について、先ほど所信表明でも陳謝申し上げましたが、改めておわびを、区民の皆さん、議会の皆さん、そして当然当事者、御関係の方におわびを申し上げたいというふうに思っております。
今3点、述べさせていただきたいと思いますが、今回の私ども今もお話がありましたように、講演会等、今まで行ってきたわけですけれども、改めてそういった形だけではなくて、職場の中の単位で定期的に話し合いができる。例えば今回でいえば、今回のこの不祥事をただ単に一人の職員の問題として終わることなく、我にやはり向き合って考えていく、そういったことが非常に大事だというふうに認識してございます。
そういった中で、職場で話し合いができる、それが今議員おっしゃっているやはり風通しのよい職場ということにもなっていくかというふうに思います。
それから、改善をする、そういったことに努力をしてる職員、これは私ども、現在の定期評価の中でも創意工夫、積極的な職員については評価もしておりますので、そういったことが適正に評価できるように、さらに努力をしてまいりたいと思います。
それから3つ目は、これは何といっても今区長のリーダーシップということでございますので、今般の事案についても、最高責任者である私、それから事務方のトップである副区長、1月の給与30%削減をさせていただきました。これでいいということではありません。これでいいということではありませんが、まずは最高責任者の責任をきちんと処して、全力を挙げてこういった不祥事が二度と起きないように、さらには風通しのよい職場づくりに……
(「やってねえから、あんなことが起こるんだよ」と呼ぶ者あり)
○20番(武藤まさひろ議員) 若干時間がありますので、3回目の質問をさせていただきます。
ちょっと今2回目の再質問で触れられなかったところでございますが、待機児童、32年4月に待機児童ゼロ。先ほど区長は、これを必ずやっていくという、引っ張っていくというような答弁でしたね。引き続き、私が先頭に立って全庁一丸となった取り組みをしていくということでございます。
ただ、先ほども述べましたが、32年までに2,629名、これだけで本当に足りるかどうかも何とも言えないんですけれども、今回700名をふやすということになってますので、あと2年間で約1,900名ですね。ということは、今までにない数をまた31年、32年ということでやっていくということでございます。
過去にでも、やはり保育士さんが足りずに4月から運営ができなかったとか、この辺の部分が本当になかなか、要するにある種、目黒区を選んで住んでいただけることはありがたいんですけれども、なかなかこういったものが解決できてないです。私たちの会派でも相談がとても多いというのが事実でございますので、これについてもう一度、お考えをいただければと思います。
あと最後に、町会・自治会への入会なんですけれども、まだ検証されてらっしゃらない、要するに入会時とあと建設業者へのなんですけれども、例えばもっと広報を、だんだん町会・自治会での横のつながりができて、いろんなことを勧める広報、住区は結構、住区のほうのホームページをつくったりとかという部分もしているんですけれども、そういった部分で町会にも力を入れて、やはり周知をしていただいて入っていただく、知っていただくというのも重要かと思いますので、いかがでしょうか。
○青木英二区長 まず1点目ですけれども、これは私ども、今大きな課題というふうに認識してございますので、来年度予算で今、既に待機児対策を含めた児童福祉費が全体の28%を占めています。全体の予算の中でも、児童福祉費を入れた健康福祉費でもう5割を超えているという大きな金額を入れながら頑張っていきたいと思っておりますし、例えば保育士の皆さんの確保ということでいえば、私ども家賃助成、さらに処遇改善等についても引き続き努力をしてまいりたいというふうに思います。
160億という大きな財源が必要になります。それにしっかり耐えられることもまた大事でございますので、その辺も含めて頑張っていきたいと思います。
それから2点目のほうは、さらに町会のほうの努力もしていきたいと思います。