開催日:平成31年 2月25日
会議名:平成31年第1回定例会(第4日 2月25日)

○3番(川原のぶあき議員)  私、川原のぶあきは、公明党目黒区議団の一員として、質問通告に基づき大きく2点について質問させていただきます。
 この2点に共通するテーマは、区民の命を守るという観点からの質問でありますので、真摯に受けとめて御答弁いただきますようお願い申し上げます。
 それでは第1点目、脆弱化する社会における防災・減災対策について。
 少子・超高齢化社会は、経済や社会保障などさまざまな分野に影響をもたらしています。防災対策もその例外ではありません。日本自治体危機管理学会の理事で首都大学東京の中林一樹名誉教授は、現在と25年後を比較し、脆弱化する日本の社会を次のように検証しています。
 国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表した日本の将来人口推計で、出生率が中位で死亡率が高位の場合、少子・高齢化が進捗し、25年後の2043年には日本の人口は現在より1,800万人減少し、1億800人と推計しています。一方、高齢者人口は3,500万人から3,800万人に増加しています。また、観光白書2017をもとにした予想では、国際化の進展で訪日外国人観光客は増加し、1日当たりの滞在者数は平均で45万人が110万人に増加するとしています。
 こうした推計をもとに、高齢者・乳幼児・障害者人口に訪日外国人観光客を加え、災害時に配慮が必要な人、いわゆる要配慮者人口が現在の4,310万人から4,550万人に増加するとしております。
 しかし、要配慮者を支える支援可能な人口は、現在8,340万人から6,360万人へと減少していくと予測されています。要配慮者人口の増加以上に、支援可能人口の大幅な減少が脆弱化する社会において大きく影を落としています。
 さて、平成も間もなく幕を閉じようとしていますが、平成の30年間は自然災害が猛威を振るった時代でありました。また、近年は連続的に発生している被害が拡大する災害や、異なる災害に同時対応する災害など、複合災害と呼ばれる災害が頻発し、激甚化する傾向にあります。例えば、記憶に新しい昨年9月6日に発生した北海道胆振東部地震では、直前の9月4日、平成30年台風21号に刺激された秋雨前線の影響で大雨が胆振地方に降り続きました。その直後に発生した地震で、厚真町を中心とする震源地域の丘陵地に多数の斜面崩壊を引き起こしました。震源近傍に立地していた北海道電力の苫東火力発電所が損傷したことによって、北海道全域で電気供給が停止するブラックアウトが発生し、酪農業や水産業などの冷蔵冷凍機能が停止して事業継続が困難になったり、病院での治療困難の事態が多発するなど、全道に被害が拡大をいたしました。
 さきに申し述べましたが、日本社会の脆弱化が進展する中で、複合災害が発生すれば被害は激甚化、避難所生活の長期化なども予想されています。本区の地域防災計画では、東京湾北部を震源とする地震が冬の夕方18時に、なおかつ秒速8メートルの風の際に発生した場合、一番被害が甚大と想定されています。こうした想定をもとにした防災対策で本当に大丈夫でしょうか。万が一、直下地震の後に大型台風の襲来による強風や浸水被害など同時被災型複合災害が発生した場合、死傷者数、倒壊建物数や避難所生活者数が想定をはるかに上回るのではないでしょうか。避難生活が長期化すれば要配慮者に負担がかかり、災害関連死がふえるのではないでしょうか。また、連続して発生する災害の対応に追われる職員は、業務継続が可能なのでしょうか。私は、今の想定では甚だ不安であると感じています。
 公明党は、命を守るという観点から防災・減災というテーマを政治の主流に位置づけています。今こそ同時対応型複合災害から区民の命を守り、被害を最小限に抑えるための事前防災、減災対策をしっかり講ずるべきと考え、以下質問いたします。
 (1)受援力の向上への取り組み。
 ア、災害時相互援助協定を結ぶ自治体をふやす考えがないか。首都直下地震の発生を想定すれば、関東近県、例えば近年区民まつりなどを通じて交流が深まっている茨城県常総市との協定締結が検討できないか、区の見解を伺います。
 イ、本区における災害時受援応援計画策定について区の見解を伺います。
 (2)災害関連死を防ぐ対策強化について。
 ア、いつ発生してもおかしくない災害に備え、避難所の環境改善が急務と考えますが、区立全小・中学校体育館への冷暖房整備に関する区の整備方針について伺います。
 イ、避難所における災害関連死を防ぐためには、雑魚寝状態など劣悪な環境を改善すべきとの指摘があります。そこで、本区において避難所での雑魚寝解消のため段ボールベッドを備蓄する考えがないか、区の見解を伺います。
 次に第2点目、子どもの命を守り、育ちを支える施策の充実について。
 本定例会においても多くの方が取り上げられていますが、昨年3月、本区において継父の虐待により女児が死亡した事件に続き、本年1月に千葉県野田市において実父の虐待により小学校4年生の女子児童が死亡する事件が発生をしました。こうした報道に接するたびに、私は悔しさと憤りを感じております。
 20世紀が戦争の世紀と言われ、生命軽視の時代の反省から、21世紀は生命尊厳の世紀と言われておりますが、しかし相変わらず生命軽視の事件が繰り返されることに私自身じくじたる思いでございます。全国の児童相談所が2017年度の相談や通告を受けて対応した児童虐待件数は、前年度比9.1%増の13万件を超え過去最多を更新しています。この結果は、1990年度の集計開始以来、実に27年連続で増加をしています。
 本区においても、2017年度の子ども家庭支援センターにおける要保護新規受理件数が173件で、ここ数年横ばいと、減少する気配はございません。こうした児童虐待を防ぐため、本区においては関係機関との連携強化や児童相談所設置に向けた人材確保、研修による人材育成に取り組んでいます。
 さて、本区の児童虐待死事件、そして野田市の児童虐待死事件は、ともに父親が加害者となるケースですが、全国的にも児童虐待死事件の加害者は実母が多いと把握されています。なぜ母親からの虐待が多いのか。さまざまな要因が考えられますが、子どもと接する時間が多く、子育てへのストレスや援助をしてくれる人が近くにいないため孤立感を深めているお母さんが多いのではないかと言われています。虐待をなくすためには、母親を孤立させないための支援策を講ずること。そして、根本的解決には加害親にも被害親にもならないよう、子どもの時代から教育を通して生命尊厳、人間主義の哲理を根っこに据えた人づくりに取り組むことが重要と考え、以下質問いたします。
 (1)母親の孤立を防ぐ切れ目ない子育て支援策について。
 ア、子育て世代包括支援センター設置による効果について区の見解を伺います。
 イ、来年度より訪問型産後ケア事業を実施することが予定されていますが、対象者数、選定方法など、区の実施方針について伺います。
 ウ、産後ケア事業に関して、利用者の目線で考えれば訪問型だけでは不十分と考えています。今後、宿泊型や日帰り型など、複数の選択肢を設けるべきと考えますが、区の見解を伺います。
 (2)区立中学校へ乳児とその保護者を派遣して、命のとうとさや家族への感謝、子育ての喜びを育むための赤ちゃんふれあい事業の実施について、教育委員会の見解を伺います。
 以上で壇上からの質問を終わります。(拍手)
 〔青木英二区長登壇〕

○青木英二区長  川原議員の2点にわたる御質問に、順次お答え申し上げます。
 なお、第2点目の第2問につきましては教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えをいたします。
 まず第1点目、脆弱化する社会における防災・減災対策についての第1問、受援力向上への取り組みについてのア、災害時相互防災援助協定を結ぶ自治体をふやす考えについてでございますが、本区では現在、宮城県角田市、気仙沼市、大分県臼杵市、長野県長和町及び特別区23区、城南5区で災害時における相互援助協定を締結しております。
 東日本大震災で大きな被害が発生した気仙沼市に対しましては、発災後から人的な支援を続けており、被災地の早期復興を支援しているところです。被災自治体への支援につきましては、国において、熊本地震での被災自治体への各自治体からの支援の状況を踏まえて、平成30年6月に災害対策基本法を改正し、被災市区町村を支援するための全国一元的な応援職員の派遣の仕組みである、被災市区町村応援職員確保システムを制度化いたしました。この制度により、平成30年7月豪雨による被災自治体への職員派遣が行われ、東京都が岡山県倉敷市を支援することとなったことから、本区においても倉敷市真備町へ3名の職員を派遣したところでございます。
 お尋ねの災害時相互防災援助協定を結ぶ自治体をふやす考えにつきましては、現在、個別具体的なお話はいただいていないことや、全国の自治体が被災市区町村応援職員確保システム支援制度により適用されていることから、現時点では協定団体をふやす状況にはないものと考えております。
 なお、今後もさまざまな自治体間交流が考えられますが、個別の協定につきましては交流が進む中で判断してまいりたいと存じます。
 次に、イ、本区における被災時受援応援計画についてでございますが、国では熊本地震で明らかになった課題等を踏まえ、平成28年10月に学識経験者等による地方公共団体の受援体制に関する検討会を設置し、平成29年3月に地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドラインを作成いたしました。東京都と特別区では、国の考え方をもとに各区が災害時受援応援計画を作成するため、ガイドラインを平成30年度中に取りまとめることとしております。災害時受援応援計画を策定するためには、非常時優先業務のうち他自治体の応援職員やボランティア等に依頼することが可能な業務を整理する必要がございます。本区では、平成23年4月に業務継続計画地震編を策定し、非常時優先業務を選定しておりましたが、平成24年4月に公表された首都直下型地震の被災想定や東日本大震災の教訓を踏まえた地域防災計画の修正が業務継続計画に反映されていないことから、現在、業務継続計画の改定に取り組んでいるところでございます。
 災害時受援応援計画の策定につきましては、新たな業務継続計画を反映させるとともに、現在、東京都と特別区で作成に取り組んでいるガイドラインに従って策定してまいりたいと存じます。
 次に、第2問、災害関連死を防ぐ対策強化についてのア、区立小・中学校体育館への冷暖房整備に関する区の整備方針についてでございますが、区立小・中学校における空調設備につきましては、普通教室及び特別教室には全室で既に設置が完了しておりますが、体育館につきましては全校で未設置の状況となっております。昨年の夏は災害級の暑さとも言われる猛暑が続き、国では平成30年7月豪雨に被災された地域へ、被災後の早い段階で避難所への大型クーラーやスポットクーラーを支援物資として提供したところでございます。こうした機材の活用は、避難所における熱中症などの健康障害を防ぐ対策として有効であり、避難生活の環境改善に非常に重要であると認識しております。災害時に開設する地域避難所につきましては、家屋の倒壊など、被害を受けた方の安全を確保し、生活基盤を提供するとともに、保健衛生を確保するなどの役割がございます。特に平常時と異なる環境の中で、高齢者や乳幼児など、いわゆる要配慮者の方に向けた健康管理の取り組みは、避難所を運営していく中で大きな課題であると認識をしております。
 近年の異常気象を鑑みますと、地域避難所における避難者の生活環境を少しでも良好に維持するための空調設備の設置は緊急に取り組むべき課題でございますので、平成31年度中に全ての区立小・中学校31校に整備してまいります。
 次に、イ、避難所の雑魚寝解消のための段ボールベッドを備蓄する考えについてでございますが、発災直後の避難所は多くの避難者が集まり混乱することが想定されます。現在の避難所における1人当たりの面積は1.65平方メートルと非常に狭い状況を想定しており、備蓄しているブルーシートと毛布などを使って休息をとることを想定しており、備蓄倉庫にはマットや花ござなども備蓄しているところでございます。
 平成30年3月に東京都保健福祉局で作成した避難所管理運営の指針では、避難所における避難者の健康を守るため、感染症や食中毒、生活不活発病やエコノミー症候群などの二次被害を防ぐための取り組み例も掲げており、寝床の改善については避難者が必要な休養を十分にとれることが心身の健康のために重要であるとし、敷布としてブルーシートや段ボールを確保する等が掲げられているところでございます。段ボールベッドにつきましては、短期間の使用において腰痛やエコノミー症候群の防止の観点から有用であるとしているものの、長時間の使用は湿気の影響により耐久性の課題があることや、ベッドからの転落リスクも指摘されているところでございます。
 避難開始当初は、避難者への十分な占有面積の確保は困難な状況でございますが、発災から時間が経過し、火災の延焼の危険がなくなることなど、自宅に帰宅できる方がふえてくればさまざまな工夫ができるものと考えております。
 御指摘の段ボールベッドの備蓄につきましては、現状の備蓄倉庫での保管スペースの確保や湿気への対応など幾つかの課題があるため直ちに実施することは難しいと考えておりますが、製品の改良動向なども含め、今後、活用について研究してまいりたいと存じます。
 次に、第2点目、子どもの命を守り、育ちを支える施策の充実についての第1問、母親の孤立を防ぐ切れ目のない子育て支援施策についてのア、子育て世代包括支援センター設置による効果についての区の見解でございます。
 本区では、子育て世代包括支援センター事業の4月開始に向け準備を進めているところでございます。子育て世代においては、地域のつながりの希薄化や核家族化の進展などを背景とした育児の孤立化や子どもの虐待が社会的な問題となっています。特に、妊産婦は出産や子育ての不安を抱え精神的に不安になりやすく、生活の急激な変化なども影響し、産後数カ月の間に約1割が産後鬱を経験すると言われています。子育てに対する自信喪失や疲労感・不眠が続き、深刻な場合は育児放棄など虐待につながりかねないことから、早い段階で適切な対策を講じることが重要です。
 子育て世代包括支援センターでは、妊娠・出産・子育てに関する相談に対応するとともに、妊婦面接を通して支援プランを策定し、必要に応じて医療・福祉の関係機関と連携・調整を行います。妊娠期から子育て期まで、保健師など専門職が継続して支援することで、安心して相談でき、心身の不調がある場合も早い段階で適切な支援につながるものと考えております。
 また、母子保健事業、子育て支援事業などの支援策を連携して展開することにより、家庭状況の変化に応じた切れ目のないサービス提供が可能になると考えております。今後、子育て世代包括支援センター機能を機軸に、母親の孤立を防ぎ、地域で安心して子育てができるよう、地域の医療や福祉関係機関との連携の推進に取り組んでまいります。
 次に、イ、訪問型産後ケア推進の実施方針についてでございますが、平成29年度から開始した妊婦面接等を通して、母子への支援策における課題が明らかになり、よりきめ細かな支援策の必要性を認識しているところでございます。これまでも本区では、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を目指し、妊娠期のパパママ育児教室や、出産後の新生児訪問、乳児健診等母子保健事業を展開してまいりました。しかしながら、周囲に援助してくれる人や相談できる人がいない、授乳量は足りているかなど、退院後、生活を送る中で抱える不安への支援は十分ではない状況がございました。こうした状況を踏まえ、生活の場である自宅でケアや相談が受けられる訪問型産後ケア事業を実施することとし、1月から碑文谷保健センター管轄区域において試行を開始いたしました。
 家族等から十分な援助がなく、育児不安や心身の不調がある出産後4カ月ごろまでの母親を対象に、区が委託した助産師が自宅を訪問しケアや指導を行うもので、4月から区内全域において本格実施を予定しており、年間300人程度の利用を見込んでいるところでございます。育児不安が強く、産後鬱などのリスクが高いと思われる方や、授乳に悩む方に保健師から直接御案内するとともに、チラシやパンフレットなどで周知し、希望される対象者にサービスを提供していく予定でございます。今後、利用者アンケートを実施し、御意見を伺いながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、ウ、産後ケア事業に関し、宿泊型や日帰りなど複数の選択肢についての区の見解でございますが、利用者の不安や悩みは多数であることから、ニーズに対応するためには宿泊型や日帰り型など複数の事業形態が必要であると認識しているところでございます。厚生労働省が示したガイドラインでは、産後ケア事業には訪問型・宿泊型・日帰り型が類型化されており、それぞれ特徴がございます。訪問型につきましては、先ほど述べたとおり、外出せず自宅でゆっくりケアが受けられることや、家庭環境に応じた育児指導がそのまま生活に生かされるなどの利点がございます。宿泊型は、医療機関などの空きベッドを利用して実施するもので、宿泊してケアや指導が受けられ、心身の回復も期待できるものと考えます。また、日帰り型においては、医療機関や保健センターなどの施設で、助産師によるケアや指導を受けながら、同じ悩みを持つ母親同士が情報を共有することにより、仲間づくりにもつながるといった利点がございます。
 こうした利点がある一方で、宿泊型については、医療機関のベッドの空き状況により利用上の制約が生じることや、利用料金が日帰り型や訪問型に比べ高額であること、受け入れ側である医療機関の体制整備などの課題がございます。課題を踏まえ、利用者自身の悩みやニーズに合ったサービスを選択していただけるよう、宿泊型や日帰り型産後ケア事業について実施に向けた検討を進めてまいります。
 以上、お答えとさせていただきます。
 〔尾﨑富雄教育長登壇〕

○尾﨑富雄教育長  川原議員の第2点目の第2問、区立中学校での赤ちゃんふれあい事業の実施につきましては教育委員会所管事項でございますので、私からお答え申し上げます。
 八王子市教育委員会等が実施している赤ちゃんふれあい事業については、中学生が乳児やその家族と触れ合う体験を通して、妊娠、出産に関する知識や命の温かさを学ぶ取り組みであり、自他の生命を尊重する態度を育成する上で意義深い活動であると認識しております。
 現在、生命尊重という視点では、小学校の特別の教科道徳や、中学校の道徳の時間に、生命のとうとさやよりよく生きる喜びなどの内容を取り上げ、他者に対する思いやりと感謝の心を具現化できるよう、全ての学校で指導しております。
 乳児と触れ合う体験活動につきましては、八王子市や品川区等において取り組んでいることは承知しておりますが、多くは学校独自に創意ある活動として取り組んでいる状況でございます。本区においても、第八中学校で助産師をゲストティーチャーに招き、乳児に見立てた人形を抱く体験を通して、命のとうとさを体感する学習に取り組んでおります。学習した生徒は、妊婦体験ジャケットを着用したり、赤ちゃん人形を抱いたりすることなどを通して、命の重みを実感したという感想が聞かれるなど、有意義な授業だったという報告を受けております。
 一方、都内では性教育の充実の視点から、産婦人科医や助産師を招いた授業について実践的な取り組みを行っている学校もあると承知しております。教育委員会といたしましては、先進的な取り組みを行っている自治体や学校の研究を踏まえ、赤ちゃんふれあい事業の実施の可能性を検討していくとともに、各小・中学校における生命尊重教育の充実を一層図ってまいる所存でございます。
 以上、お答えとさせていただきます。

○3番(川原のぶあき議員)  それでは、順次再質問をさせていただきます。
 まず、1点目の1問目のイの災害時受援応援計画の策定についてですが、御答弁いただいた内容を聞きますと、都とのガイドラインが今年度中に取りまとめるという理解だと思っております。そうしますと、平成31年度、来年度から策定作業に入るとの認識でよろしいでしょうか。再度お尋ねをいたします。
 同じく1点目の第2問のアの学校体育館の冷暖房整備についてでございますが、私たち公明党が強く要望して実現をする運びとなりましたけども、災害時における避難所機能の拡充という観点とともに、夏場の熱中症対策という側面もあります。そのため都議会公明党とも連携し、今夏に間に合うように都知事に緊急要望を行い、今年度予算として都では82兆円を計上されたところでございます。本区においても、この東京都の補助を活用して、今夏に間に合うように設置することができなかったのか、もう一度お聞きしたいと思います。
 1点目の第2問のイの段ボールベッドについてでございますけども、備蓄のスペースの確保や製品の湿気の問題等の課題というのはわかりました。
 ただ、熊本地震の際にも被害がございましたけども、直接地震の被害が50人に対しまして、いわゆる災害関連死というのが220名いたとされています。これは避難所に入って、やはり寒いということで過ごせない方々が車中泊をして、それでエコノミークラス症候群になって亡くなったケースが多いというふうになっております。そう考えれば、そういった課題もありますけども、段差をなくしていく、雑魚寝を解消していくことがやはり有効であるというふうに考えております。ヨーロッパでは避難所に簡易ベッドが必ず配備されてるというふうに言われておりますけれども、私も段ボールベッドを製造してる会社に聞きますと、災害発生から72時間あれば大量に生産ができるということですので、備蓄数は最小限でいいんだと。被災された地域以外の製造会社から被災地に搬出してくれるということがありますので、協定さえ結んでおけば、この段ボールベッドというものの確保というのはできるというふうに言われてますので、ぜひとも一度この段ボールベッド採用について区のほうで検討をしていただければと思いますので、その点、確認をしたいと思います。
 続きまして、2点目の第1問のアの子育て世代包括支援センターについてですが、先日、子育て奮闘中のお母さんたちと懇談をさせていただく機会がございました。この話が話題となりまして、お母さん方からは、相談しやすい環境にしてくださいとの要望を受けました。確かに、子育て世代包括支援センターと看板がかけかわっただけで中身が余り変わってないようであれば、また環境が変わってないようであれば、やはり相談に行けないんじゃないかというふうに考えられるところでございます。現実的に申し上げますと、碑文谷保健センターは相談スペースが大変に狭く暗い。また、トイレは和式であったり、なおかつトイレにお子さんのおむつを交換できるおむつ台さえもないという現状でございますので、こうした環境下でありましたら、乳幼児を連れて安心して相談に行けるわけがないなと考えます。こういった施設の環境改善の実施に向けて、区の見解を伺いたいと思います。
 2点目の第2問の八王子市の事例を教育長のほうからお話しいただきましたけども、実際に授業を受けた生徒さんの感想を見てみました。話を聞く前は、自分は大切な存在だと余り思えず、親に悪い態度をしてしまったりしていたけど、話を聞いて、しっかり育ててもらい感謝したい思いになりました。あるいは、赤ちゃんに初めて触れてみて、温かいぬくもりや命の鼓動が聞こえてくるような感じがして、これが命なのかということで、命に対する、180度考え方が変わったというふうに声が寄せられていました。やはりこういう取り組みが加害親、また被害親にもならない取り組みなんじゃないかなと私は思います。特に思春期である中学生に対するこういった教育が必要なのではないかなと考えております。やはり人形では味わえない、本当のぬくもり、また今は核家族化で兄弟がいないお子さんもいますので、実際そうやって赤ちゃんに触れるふれあい事業の実施に向けて、モデル校からでも結構ですので実施していただけないかと思います。
 以上でございます。

○青木英二区長  まず1点目、ガイドラインについては31年度から策定かということで、そういうことで御理解いただければよろしいかと思います。
 それから、今夏に間に合わなかったのかということでございますけれども、これは一つは私ども目黒区だけではなくて具体的な固有名詞を挙げれば、例えば品川区さんなんかも行うということですので、多分相当の23区、特に東京とかそういった財政措置もあるということなので行っていく区があろうかと思いますので、適切な表現かどうかわかりませんが、事業者の取り合いの可能性も十分あるんではないかなというふうに考えます。
 これは当たり前の話になるんですが、短い期間に全部やるというのは最もいいわけですし、今、地震が起きてもおかしくないので、それは議員御指摘のように早くやれというのはもっともな話でありますが、今のような状態で、これは不調ということも十分あり得ます。あんまり厳しい工事工程だと、私も今までにも工事の遅延、延期という経験は何度かあって、大変御迷惑をおかけした経緯もありますので、この辺全体を考えていくと年度をまたがることはいかがなものかと思いますが、1年間でやるということがある意味で最速なのではないかなと、今の時点で私はそういう認識、今の状況からいくと認識いたしております。
 それから、段ボールベッドですが、御指摘のとおりかというふうに思います。湿気の問題、それから防災倉庫にスペースの問題もあります。運べばいいという問題でお話、今度は逆に言うと運搬の手段が適切にとられるかどうかという問題があります。まだまだまちの道路が全面的に通れないとき、これを運搬ができるかどうか、運搬車両の問題等もありますので、全体的にしっかりと検討していくことが大事であります。
 いずれにしても雑魚寝が決していいなんていうふうに私も思ってませんので、こういった段ボールベッドがどういうふうにしたらうまく活用できるかということをしっかりと考えていきたいというふうに思っているところでございます。
 それから、子育て世代包括支援センターについてですが、これはもう全く御説のとおりいい状況で、明るいところで、お子さんも多分連れてこられると思うので、そういったことができる環境が、早急に改善できるように、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。
 私からは以上でございます。

○尾﨑富雄教育長  それでは、中学校における赤ちゃんふれあい事業に関する再度のお尋ねでございますけども、ただいま川原議員からふれあい事業の効果・効用についてお話をいただきましたけども、私どもも全くそういった効果・効用があるということは同様の認識でございます。ただ、この事業の実施の最大の課題といいますのは、やはり実際にお人形じゃない、赤ちゃんをお貸しいただける保護者の方と赤ちゃんがいるか、いないかということが大変大きな課題になっております。実際に八王子市でも、今現在まだ赤ちゃんの募集をしている記事を目にしておりますので、最初のうちはうまくスムーズにいっていた点はあるんですけども、やはりなかなか御提供といいますか、お貸しいただける御家庭が少ないというのが最大の課題なのかなというふうに思ってるところであります。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、お人形じゃない、赤ちゃんを実際に抱く、その経験というのは子どもの成長にとって貴重な経験でございますので、そうした課題も整理しながら、実現の可能性について教育委員会として鋭意検討を重ねてまいりたいというふうに考えてるところでございます。
 以上、お答えとさせていただきます。